第22話 オースティン公爵邸
公爵家に着くとリアは目を見開いた。
「お城・・・?」
「何言ってるの。王城は、もっと凄いわよ。あなた大丈夫?うちの馬車にも驚いてたけど。」
そう、まず公爵家の馬車にびっくりしたのだ。
金色の繊細な装飾がほどこされた白い馬車は物語に出てくるような素敵なデザインだった。中に置かれたクッションもとても柔らかく、肌触りが良かった。
世界の違う人っているんだなあ。
リアはしみじみ思った。
クリスやジークフェルドは王子様だし、エリザベスより身分は高いのかもしれないが、生徒会室で接している分には、こんな衝撃を受けたことはなかった。
エリザベスの部屋に通され、その内装の豪華さに、もはやリアは言葉も出なかった。
「そうね、まずはローランを呼んでちょうだい。」
エリザベスが侍女にそう言うと、侍女は退室し、程なくして40代くらいの女性が現れた。
頭の先から足の先まで、全く隙がなく、センスの良さがビシバシと伝わってくる。
「私専属の服飾デザイナーのローランよ。」
エリザベスはリアにローランを紹介すると、今度はローランに話しかけた。
「学校の後輩なの。まずはこの制服をこの子のサイズに仕立て直してほしいの。それが終わったら、私が昔着ていた衣装の中から、この子に合いそうなのを見繕って仕立て直してくれるかしら。」
えっ?
リアは驚いてエリザベスを見た。
「エリザべス様。私、そんなにお金がなくて・・・」
「何言ってるの。私がやりたくてしているのに、お金なんて請求するはずがないでしょう。生徒会役員は生徒の代表なのだから、もう少し格好に気を使いなさい。」
「はい・・・」
そう言われると、返す言葉がない。
ローラン女史は、リアを眺めると無言になった。
「・・・・・・。」
リアはいたたまれなくなり、身体を縮ませた。
「これは腕がなりますね。では、まず採寸をしましょう。」
リアは制服を脱がされた後、身体のあちこちにメジャーをあてられた。
ローランはそれを紙に書き付けていき、一通り終わると、制服を持ってさっさと部屋を出て行ってしまった。
私の制服・・・
下着姿にされたリアは、名残惜しそうにローランが出て行った扉の方を見つめた。
「次はモッズね。あ、ちょっと待って。その前にこれを着て。さすがにその格好じゃ駄目だわ。」
エリザベスは部屋着のようなワンピースを渡してきた。
そのワンピースはリアのくるぶしまであったが、つるりとした手触りでとても着心地が良かった。
「少し大きいけど、何とかいけるわね。じゃあ、モッズを呼んできてちょうだい。」




