第154話 生徒会メンバーとの再会
「いえ。教わったこともないですし。」
ルーファスは全く知らないようだった。
「生物学教室所属の先生ですよね?叔父に師事されていたので、何回かお話したことがあります。リアちゃんはけっこう仲が良かったよね?」
ヘンドリックに聞かれ、リアは頷いた。
「あいつもリアの瞳に気付いたんだ。実はグラシアスの第三皇子だったんだが、リンドブルムまで追いかけてきてリアに求婚しに来たんだ。」
ジークフェルドの言葉に2人は目を見開いた。
「はっ?」
「えっ?」
ルーファスとヘンドリックの言葉が重なった。
「グラシアスの皇子?」
「リアちゃんに求婚?」
ルーファスとヘンドリックがそれぞれ呟いた。
驚く2人にジークフェルドがリンドブルムでの出来事を説明した。
「そんなことが・・・、リアちゃん大変だったね。」
しみじみとした口調でヘンドリックにそう言われ、リアは苦笑した。
「それはそうと、ジーク。君、一番肝心なこと2人に伝えてなくない?」
クリスに言われ、ジークフェルドは一瞬考え込むようなそぶりをみせた。
「ああ、そうだった。俺とリア、来年の3月に結婚するんだ。2人とも式には招待するから、是非来て欲しい。」
「はっ?」
「えっ?」
2人とも鳩が豆鉄砲を食ったような表情になった。
「結婚?」
「来年の3月?」
2人が聞き返した。
「3月末にリアが16歳になるだろう。リアの誕生日に式を挙げる予定なんだ。」
いや、聞きたいのはそこではなく、どうしてそうなったかなんだが・・・。
2人の心の声を聞き届けたのはクリスだった。
「ぼやっとしてたら、またアルフォンス殿下みたいな人が現れるかもしれないし、早く自分のものにしたかったらしいよ。」
「今の話は予想外で一瞬言葉がでないくらい驚きましたが、お二人共おめでとうございます。」
にこやかな笑顔でヘンドリックに祝福の言葉をかけられ、リアは嬉しそうにはにかんだ。
「ありがとうございます。」
一方、ルーファスは少し渋い表情を浮かべていた。
「正直、少し複雑です。休暇が明け、リアが学院に戻ってきたら私にも挽回の余地があるかもしれないと思っていたので・・・。リア。」
名前を呼ばれリアはルーファスを見た。
「ジークフェルド殿下が好きなのか?」
直球で聞かれ、リアは頬を染め少し恥ずかしそうに頷いた。
「そうか。」
そう言ってルーファスは一息はいた。
「殿下、おめでとうございます。リアを必ず幸せにしてやって下さい。」
ルーファスがリアに対して本気だったことは側で見ていてジークフェルドも痛い程知っている。
「ああ、約束する。」
ジークフェルドは真剣な表情で頷いた。
その後5人で食事をし、休暇中の出来事をお互い報告し合ったりして過ごした。
ああ、生徒会室にいるみたい・・・。
この半年ですっかり馴染んだこのメンバーとこうして過ごすのは、今日で最後になるのだろう。
そう思うと寂しさが込み上げてきた。
そんなリアの表情を見てヘンドリックが優しく声をかけてきた。
「リアちゃん。また会えるよ。結婚式にはクリス様やルーファスと参加させてもらうし、それ以降も会おうと思えば機会は作れる。今生の別れじゃないよ。」
やっぱり安心・安定のヘンドリックだ。
「ふふ。そうですね。」
リアも笑顔になり頷いたのだった。




