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ひみつの姫君 ~男爵令嬢なのにくじ引きで王子のいる生徒会の役員になりました!  作者: らな


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15/157

15 保健室にて

リアが生徒会に入ってから1か月が過ぎたある日。


「リア、顔色悪いよ。大丈夫?」

授業が終わると、シンシアが心配そうに尋ねてくれた。

「うん。大丈夫と思う。朝からちょっとだるいけど、熱もないし。」

「無理しないでね。生徒会はお休みにする?」

「ううん。大事な会計資料を預かってるから、ルーファス先輩に渡さないといけないし。」

「資料だけ渡したら、帰らせてもらったら?」

「ありがとう。しんどかったらそうするわ。」


シンシアと別れ生徒会室に入ると、まだ2年生は誰も来ていなかった。

リアは自分の席に座るとメガネをはずし、机の上に突っ伏した。


                ※


ジークフェルドは学院ではクリスと行動することが多く、生徒会にもいつも一緒に行っていた。

しかし、その日、化学の授業でクリスの班が実験に失敗しやり直しとなったため、先に行くよう言われてしまった。

正直、ジークフェルドはリアと二人っきりで話をしたことはなく、他の3人に比べリアとの距離が遠かった。


二人っきりだったら気まずいなあ・・・


そんなことを思いながら生徒会室に入ると、机に突っ伏してリアが寝ているのが目に入った。


寝てるんだったら、そのままクリスたちが来るまで起こさないでおくか。


そう思い、リアの顔を何気なく覗き込むと、顔色が悪く額にはあぶら汗が浮かんでいた。

「おい。リア、大丈夫か?」

思わず声をかけてしまった。


リアはピクッと動くとだるそうに顔を上げ、ジークフェルドを見上げてきた。

「ジークフェルドさま・・・?」

グリグリメガネは外され、体調が悪いからか、大きな金色の目は潤んでいる。

ぼんやりした表情のリアにじっと見つめられ、ジークフェルドは胸がどきどきしてきた。

以前、ルーファスが言っていた”メガネを外すとけっこう可愛い”という言葉が頭の中を駆け巡る。


「あー、いや。しんどそうだったから、大丈夫か?」

リアは眉間にしわを寄せ、小さな声で答えた。

「身体がだるくて、お腹が痛いんです。」

「保健室に行くか?ルーファスには俺から伝えておくぞ。」

リアは頷き、立ち上がろうとしたが、お腹を押さえて再び椅子に座り込んだ。

顔色がますます悪くなり、痛みも強くなっているようだった。


「歩くのは無理そうか?」

リアは小さく頷いた。

「ちょっと、ごめんな。」

そう言うと、ジークフェルドはリアを横向きに抱き上げた。

いわゆるお姫様抱っこだ。


「ジークフェルド様⁉」

リアは目を丸くしてジークフェルドを見上げた。


うるんだ目で近距離から見つめられ、ジークフェルドは顔を赤くした。

「保健室まで運んでやる。・・・メガネはつけとけ。」

少しかがんで、机の上にあったメガネを取りリアの顔にかけた。


王子様に抱っこされるという異常事態だったが、身体がしんどくて、リアにはそんなことを考える余裕がなかった。

目をつむり、コテンと頭をジークフェルドの胸にあずけた。


リアをかかえ、ジークフェルドは生徒会室を出た。

まず、リアの軽さに驚き、その身体の柔らかさに驚いた。

シャンプーなのか、ふわっとシトラスの香りがした。


子供だと思ってたのに、やっぱり女の子なんだな。


ジークフェルドは火照る頬をごまかすように、しかめっ面で廊下を移動したのだった。





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