第146話 話し合い
東の離宮での3日間が過ぎ、再びエリオットやロイを交えてアルフォンスとの話し合いの場が持たれることとなった。
アルフォンスと一緒に現れたリアを見て一同は目を見張った。
リアの耳に光るアメジストに視線が集まった。
それがリアが出した答えなのか?
全員が着席したのを確認してからエリオットが口を開いた。
「リア。3日間アルフォンス殿下と過ごしてみて、君はどう思った?」
全員の視線がリアに集まった。
リアはゴクリと唾を飲み込み覚悟を決めた。
「私、アルフォンス殿下とは結婚できません。ジークの事が好きなんです。」
リアの言葉にロイはホッとした表情を浮かべた。
「リア。君のジークフェルド王子への気持ちは私も理解しているけど、離宮での私との生活も苦痛ではなかっただろう?私は君が好きだし、これからも大切にすると誓うよ。両国の国益や大陸全体のことを考えて答えを出してほしい。」
アルフォンスは諭すようにリアに話しかけた。
グラシアス帝国はリンドブルム王国と同等か、それ以上の大国だ。
両国ともこの大陸において大きな影響力を持っている。
リンドブルムの姫であるリアがグラシアスの皇帝に嫁げば両国の結束が強固なものとなり、大陸の安定にもつながるだろう。
でも・・・
リアは泣きそうな顔でジークフェルドを見た。
ジークフェルドは真剣な表情でアルフォンスに向きなおった。
「アルフォンス殿下。貴方のおっしゃることも理解できます。しかし、リアはリンドブルム王家にとっても17年ぶりに戻ってきた大切な姫であり、私にとっても最愛の人なんです。殿下が皇帝になられた暁には、私もリンドブル王族としてグラシアスへの協力や助力を惜しみません。」
その言葉にアルフォンスは苦笑を浮かべた。
「王弟となられる殿下が、将来リンドブルムでどれほどの権力や影響力を持たれるかも未知数ですし、口約束でその様なことを言われましてもね。」
アルフォンスがジークフェルドの訴えを一蹴し、決まずい沈黙が訪れた。
どうしたら先生を説得できるの?
リアがギュッとドレスのスカートを握りしめた瞬間、エリオットが口を開いた。
「アルフォンス殿下。殿下が今回リアのことを諦めてくださるのなら、離宮でご相談されていたご希望をのみましょう。」
エリオットの言葉に、アルフォンスは目を開き彼を見た。
「本当ですか?」
「ええ。永遠にとはお約束できませんが、少なくとも目途が立つまで私の治世にある限り協力いたします。条約として書面にして頂いて構いません。」
その言葉にアルフォンスは目をつむり少し上を向き頭の中を整理しているようだった。




