14 生徒会室での会話
「もともとそうだったのですが、リアと仕事を一緒にするようになって、少し考えが変わったんです。」
「どう変わったんだ?」
ジークフェルドは興味津々だ。
「彼女は領地運営について、すでに大筋をつかんでいるんですよ。父親と一緒にやっていたようなので、流れとか大事なポイントとかが分かってるんです。トルドー公爵家とアーロン男爵家では、領地の大きさや経済規模は全く違いますが、基本的にやることは同じでしょう。」
「なるほど、つまりリアのような女性を妻にすると、協力して公爵家を盛り立てていけるというわけか。」
クリスの言葉にルーファスは頷いた。
「はい。私の夢は、将来この国の宰相になるというものでしたが、領地運営もしながらだと、負担が大きいと常々思っていたんです。妻に領地のことを任せて、必要な時に相談を受けるという方法もあるのだと気付いたのです。」
「なるほどなあ。じゃあ、いっそのことリアを嫁にもらったらいいんじゃないか?」
ジークフェルドの言葉にルーファスが口ごもった。
「ルーファスは女性に興味なさそうにしながらも、昔からけっこう面食いなんだよ。」
茶化すクリスにルーファスが顔をしかめた。
「その発言はリアに失礼でしょう。私はリアを可愛いと思いますし、問題はそこではなく・・・」
「可愛いと思ってるのか?」
思わずという風にジークフェルドがルーファスに尋ねた。
「以前、メガネが曇って見えにくいと言うので、私の眼鏡クロスを貸してあげたことがあるんですが、メガネを外すとけっこう可愛いんです。あと、あの分厚いパッツン前髪や服装をどうにかしたら、かなりいい線に行くと思いますよ。」
「へえ、そうなのか?じゃあ、何が問題なんだ?」
ジークフェルドに聞かれ、ルーファスは言いにくそうに答えた。
「地方の男爵家出身というのが、ちょっと・・・」
その言葉にクリスは、ああという風に頷いた。
一方、ルーファスと付き合って日の浅いジークフェルドは不思議そうだ。
「だったら遠縁の伯爵家の養女にするとか、ワンクッションはさんだらいいじゃないか。」
「父が純血統主義なんですよ。そういうことに人一倍こだわりが強くて、リアを連れて行っても父の許可が出ないでしょう。」
「由緒あるお家も大変ですねえ。」
珍しくヘンドリックが会話に入って来た。
ジークフェルドはチラッとクリスを見たが、彼はうっすら微笑んでいるだけで口を閉ざしていた。
今のところ、リアの素性をルーファスには言う気はないのか。
純血統主義というのなら、王族を除き、リアほど高貴な血筋はないだろう。
なにしろ時期アルノー国王とリンドブルム国王のいとこになる唯一の人物なのだ。
そんなことが発覚したら、リアの意思など関係なく、即トルドー公爵家の嫁に決定しそうだ。
リア本人もそんなことは望んでなさそうだし、まあ保留だな。
ジークフェルドはそう結論づけた。
「リアがいないと、男所帯で殺風景だね。仕事もあまりないし、今日はもう解散しようか。」
会長の、この一声で本日の生徒会は終了となったのだった。




