第139話 アルフォンスの事情
その後、リアの身辺を再度詳しく調査した。
主に不明点の多かった母親の方についてだ。
リアの母親はミアという金髪金目の美しい女性で、領民にはリンドブルムから嫁いできた貴族の女性と伝えられていたことがわかった。
そして、ローゼンハイム将軍とおぼしき人物が時々アーロン領に出入りしているとの情報も得た。
まさか、あの人の娘なのか?
しかし、あの人は17年前に亡くなっているはずだ。
リアの年齢と合わない。
一時帰国した際に、父にその話題を振ると思わぬことを言われた。
「彼女の国葬に参加したが、ユーフェミア王女は生きていると思うぞ。あの時はお互い王女が父上に輿入れしない方が都合が良かったから、話を蒸し返したりしなかったがな。」
その話を聞き確信した。
リアはユーフェミアの娘だ。
あとはリンドブルムがリアをどう扱うのかだな。
王族に復権させるつもりなのか、そうでないのか。
とりあえず中期休暇まではアルノーに籍をおいて様子を見ようか。
それから本国と行き来しつつ、可能な限りリアと接触を持つようにした。
何度か鎌をかけたが、本人は自分の出自を知らないようだった。
そして王子たちの動向はリア本人から聞くことが出来た。
オースティン公爵家に連れて行かれ身だしなみについて指導されたことや王宮で王妃のお茶会に招かれたこと。
中期休暇にリンドブルムを訪れることになったと聞いた時、ついにリンドブルム王家が動いたかと思った。
王家がリアを王族として認めるのならば、アルフォンスがリアを妻に迎えることも可能となる。
始祖の瞳を持つリンドブルムの姫君を妻にすれば、継承争いで自分の勝利は確実になるだろう。
そして何よりも、アルフォンスはリアを気に入っていた。
「リア。早く僕のところへ落ちてきて。」
淡く金色に輝く月を見ながら、アルフォンスはつぶやいたのだった。




