第129話 アルフォンスとの会談
「それに、この話はリンドブルムにとっても益のあるものです。。リンドブルムの王位継承権を持つ姫を妻にすることで、私はほぼ確実に皇帝の座を手に入れられるでしょう。皇妃の母国となるリンドブルムとは良好な関係を築きたいと思っています。」
決定事項であるかのように話すアルフォンスにリアは焦って口を開いた。
「でも、先生。私、先生と結婚なんて考えたことなくて。」
そんなリアにアルフォンスは諭すように声をかけた。
「リア。国同士の政略結婚なんて、そんなものだよ。それにね、私は半年間君を身近に見てきて、この子となら幸せな家庭を作れそうだと思ったんだ。私はちゃんと君のことが好きだし、君も私に懐いていただろう?」
懐いていたのは事実だ。
「でも・・・。」
リアは泣きそうな顔でジークフェルドを見た。
リアの視線を受け、ジークフェルドがアルフォンスに話しかけた。
「アルフォンス殿下。リアは私と結婚の約束をしているのです。」
それを聞いて、アルフォンスは少し驚いた表情を浮かべた。
「ジークフェルド殿下と?ルーファス・トルドーならともかく、あなたは学院ではリアとそんな親しくなかったように見えましたが。」
そんなことまで把握しているのかと驚きつつも、ここは引けない。
「学院ではそうだったかもしれませんが、中期休暇に2人で行動することが多く、両想いになったんです。私の気持ちをリアに伝え、彼女からも了承の返事を貰っています。」
「なるほど。だからエリオット陛下の養女ではなく、ローゼンハイム公爵家に入ったわけですか。」
頭の回転の早い男だ。
その場にいた全ての者がそう思った。
「リア。今、君がジークフェルド殿下のことを好きでも私は構わないよ。2週間で築いた気持ちなど、同じくらいの時間をかければ、君を私に振り向かせる自信はある。」
アルフォンスは自分の思いを引く気はないようだ。
どうしよう・・・。
リアは唇をかみ、うつむいた。
「アルフォンス殿下。私は、再会することなく異国で亡くなってしまった妹の代わりに、彼女の娘を必ず幸せにすると自分に誓ったのです。ここは引いて頂くわけにはいかないでしょうか?」
エリオットが穏やかな口調で、アルフォンスに希望を伝えた。
「リアは私にとっても大きなカードです。ジークフェルド殿下が中期休暇に入ってからリアと親交を深めたというなら、私にも時間を下さい。彼女自身が頷けば、結婚を許していただけるのでしょう?」
もともと協議書の不履行があることや、ユーフェミアが生きていたことを帝国に隠していたことは事実だ。あまり強く固持すると、もっとやっかいな方法で来られる可能性もある。
エリオットは不承不承頷いた。
「脅したりしてリアに返事を強制することは許しませんよ。」
アルフォンスは笑顔で答えた。
「そんなことは致しません。リアに嫌われますしね。」
話し合いの結果、ひとまず明日より3日間リアは東の離宮でアルフォンスと過ごすこととなった。
「リア。明日から楽しみにしているよ。」
アルフォンスは笑顔でリアにそう言うと、応接室を後にしたのだった。




