第128話 アルフォンスとの会談
アルフォンスは言葉を続けた。
「ならば、リアは表向きには亡くなったとされたユーフェミア王女の娘である可能性が高い。そう思い、その線で調査を進めるとアーロン男爵夫人がリンドブルム出身であることや容姿の特徴が王女に似ていること、ローゼンハイム将軍らしき人物が時おりアーロン領を訪問しているという情報を掴んだのです。」
不安そうなリアの視線を受け、アルフォンスがリアに笑いかけた。
「調査対象だった君と接触していて思ったんだ。素直でいい子だな、と。領地経営について真面目に学んでいる姿も好ましかった。」
不穏な話の流れにジークフェルドがアルフォンスを睨み付けた。
「何度か鎌をかけてみましたが、リア自身は自分の出自を知らないようでした。それならば、王子たちがリアを生徒会に入れた目的は何か?もしかして、リンドブルム王家に復権させるかどうかリアを見極めるつもりなのか?そんな推測をしていた時、リア本人から中期休暇の間に招待されてリンドブルムに行くと聞き、それは確信に変わりました。」
それを聞きエリオットがため息をついた。
「それで、突然リンドブルムを訪問したいとおっしゃられたのですね。」
エリオットの言葉を聞き、リアも思い出した。
そういえば東の離宮の客人は、すごく急に訪問が決まったと言っていたわ。
私がリンドブルムに行くと言ったのを聞いたから、先生もここに来たの?
でも、どうして?
リアがぐるぐると考えを巡らせていると、それを見てアルフォンスがクスっと笑った。
「どうやら肝心のお姫様だけ私の意図が分かってないようだ。」
アルフォンスに言われ周囲を見ると、ジークフェルドやロイをはじめ皆が難しい顔をしていた。
「先生の意図?」
「私はね、リア。君に求婚しに来たんだよ。」
きゅうこん?
リアは一瞬、意味がわからずきょとんとした。
そして内容を理解できた時、ギョッとしてアルフォンスを見た。
「先生が私に?どうして?」
アルフォンスはリアからエリオットに視線を移した。
「17年前、前国王の急死や天候不良で混乱に陥っていたリンドブルムにグラシアス帝国が支援の手を差し伸べました。その見返りの一つが、ユーフェミア王女の嫁入りだったわけですが、王女の急逝発表でそれはうやむやのまま立ち消えてしまった。その時果たされなかった約束を、この度新しく誕生した姫君で果たしていただきたいのです。」
「そんな、大昔の話を持ち出されても。」
ジークフェルドが声をあげたが、エリオットがそれを制した。
「ユーフェミアの国葬の時、グラースⅣ世はミアが生きていると察しておられるようでしたし、彼女がグラシアスに嫁げば両国にとって地獄となっただろう、とおっしゃっておられました。それは、お互いこの話はなかったことにしましょう、という意図だと解釈しましたが。」
「それは父の意図でしょう。17年前に協議書にサインをしたのは祖父です。それに17年前と今では帝国の状況も違います。リンドブルムの姫がグラシアスに嫁いでくることに全く問題はありません。」
アルフォンスが穏やかに反論してきた。




