第127話 アルフォンスとの会談
ということは目の前にいる男がグラシアスの皇帝になる可能性も高いということだ。
「課題の一つに食料問題がありました。帝国は北方にも国土が広がり、作物が出来にくい土地も多いですから。それで、寒さに強い小麦の品種改良をモーリス教授にお願いしていたんです。こちらは研究資金の提供という形で教授を援助させていただきました。」
アルフォンスがアルノーの学院にいた理由は納得できた。
では、リアの秘密を知ったのは・・・?
「殿下が学院にいらっしゃった理由は分かりました。では、リアのことは?」
ロイが尋ねた。
「私は学院の生物学教室に籍を置き、モーリス教授と接触し交渉を行っていました。そんな折、生徒会が妙な発表をしたんですよ。」
「妙な発表?」
リアがつぶやいた。
そんな発表あったかしら?
不思議そうな表情を浮かべたリアにアルフォンスが視線を向けた。
「そう。くじ引きで役員を決めるとね。一見、平等で面白い企画のようですが、王子が2人もいる中、とんでもない曲者に当たる可能性だってある。何か目的があるのかもしれないと思って、それから生徒会に注目していたんです。」
アルフォンスはリアをみてにこりと笑った。
「2年のヘンドリック・モーリスはモーリス教授の甥でしたし、何か教授がらみの目的があるのかもしれないとかまだ理由が想像できる人物でした。でも、リアに関しては調べても何もわからなかった。そこで、少し本人と接触してみることにしたんです。」
その言葉にリアはアルフォンスを見つめた。
「授業でオレンジについて触れリアに話を振ることで自然にリアと接触することができました。そしてしばらく近くで様子を見ている最中に気付いたのです。リアの瞳がリンドブルムゴールドだと。」
ジークフェルドもクリスも驚いた。
自分たちですら学院にいる間、リアの瞳についてそこまで深く認識していなかった。
他国の人間であるアルフォンスが気付いたということもだが、気付く程じっくりとリアの瞳を見る機会があったということだ。
そんな親しい仲だったのか?
「本国の父にそのことを話すと、ユーフェミア王女は恐らく生きていると思うと言われました。」
アルフォンスはエリオットにチラッと視線を移した。
一方、エリオットはユーフェミアの国葬の時に会った当時皇太子だったグラースⅣ世の様子を思い出していた。
「王女が生きていたとしても、グラシアスに嫁げばお互いの国にとって地獄となっていたでしょう。」
そのような事を言っていた。
彼女が生きている事を確信しながらも、互いの利益のために黙っていましょうと暗に言っているのだと感じた。




