第126話 アルフォンスとの会談
「お忙しい中、お時間を取っていただきありがとうございます。」
アルフォンスはエリオットに向け、にこやかに挨拶をした。
「おや?ジークフェルド殿下とクリス殿下もご一緒ですか?」
2人にも笑顔を向けた。
「私は身分を隠して学院にいましたから、お二人とは初めましてですね。アルフォンス・グラシアスです。」
笑顔で握手を求めてきたアルフォンスに、2人ともぎこちない笑みで握手を返した。
「リアとは知り合いだったようですが・・・」
ジークフェルドの言葉に、アルフォンスはクスっと笑った。
「ふふ。学院にいる時から、生徒会のメンバーはお姫さまをがっちりガードしていましたが、学外でも同じなんですね。」
それを聞いて、ジークフェルドの表情が険しくなった。
険悪なムードを察して、ロイが間に入った。
「とりあえず、まず席に着きましょう。殿下は、どうぞこちらへ。」
アルフォンスを席に誘導し、王子たちにも席を勧めた。
皆が着席すると、ロイがアルフォンスに話しかけた。
「なぜ、リアの素性を前から知っていたのかという話でしたね。」
「その話をする前に、聞いていただきたいことがあるので、まずはそちらからお話しましょうか。」
アルフォンスはそう前置きした。
「皆さんは、現在グラシアス帝国の皇太子が誰かご存じですか?」
グラシアス帝国には正妃から生まれた皇子が3人おり、他に子はいない。
ここにいるアルフォンスは第3皇子だ。
ロイが代表して答えた。
「第1皇子ではないのですか?」
同母の皇子だし、慣例からいうと普通そうなるだろう。
「まだ決まっていないというのが正解です。私の父は祖父のグラース三世がたくさんの側妃や愛妾に多くの子を産ませ、血の繋がった兄弟間での暗殺にまで発展した激しい後継争いを嘆いていたのです。妻は正妃一人しか娶りませんでしたが、幸い3人の男児が生まれ、周囲も長兄が跡継ぎになるのだろうと思っていたのです。」
そこで、アルフォンスは一度言葉を止め、お茶に口をつけた。
ジークフェルドとクリスにも兄がいる。
2人兄弟だが、アルフォンスと似た立場だ。
生まれた時から兄がいて、兄が王太子になることは当然と思っていたが、グラシアスはちがうのだろうか?
「父は、皇帝は才覚のある者が継ぐべきだと考えているのです。自分が熾烈な後継争いを勝ち抜いて得た地位ですからね。」
「才覚のある者とは、いったい?」
エリオットが疑問を口にした。
「父があげた20個の課題について解決できた数や内容を、父が判断するというものです。期限は5年。」
全員が目を丸くした。
「5年も・・・。いつから行われているのですか?」
「現在4年目の終盤です。1年程前に次兄が候補から降りると表明したので、今は長兄と私の争いになっています。今のところは五分五分でしょうか。」




