第125話 お披露目会
「本人が事実を知ったのはほんの数日前ですぞ。なぜ、貴殿が以前からそれを知っていたのか、お聞かせ願いたいものですね。」
リアの心の声を読んだかのようにロイがアルフォンスに尋ねた。
「お話しするのは構いませんよ。ですが、ちょっと込み入った内容も含まれるので落ち着いた所でお願いしたいですね。」
アルフォンスは以前と同じ柔らかい微笑みを浮かべていたが、リアは彼が何を考えているか分からなかった。
不安を感じ、思わず横に立つロイの上着の袖をきゅっと掴んだ。
そんなリアに気付き、ロイがリアの肩を引き寄せた。
表情を強張らせるロイに、エリオットが取りなすように声をかけた。
「ロイ。話を聞くくらいいいだろう?私も同席するよ。」
国王にそう言われては断ることは出来ない。
ロイはしぶしぶ頷いた。
「アルフォンス殿下。この会が終了した後にお時間をいただいてもよろしいですか?」
エリオットの申し出に、アルフォンスは満足そうに頷いた。
「もちろんです。では、リア。また、あとで。」
再びリアに笑いかけた後、アルフォンスはそこから立ち去って行った。
彼と入れ替わりに、ジークフェルドとクリスがやってきた。
「あの男と知り合いなのか?」
ジークフェルドに聞かれ、リアは頷いた。
「アルノーの学院の先生だったんです。」
「どういうきっかけで親しくなったの?」
クリスの問いに、リアは少し考え込んだ。
「きっかけは植物学の授業です。先生が何コマか講義をされたんですけど、授業でオレンジ栽培の話題が出て、それから講義以外でもお話をするようになったんです。」
ジークフェルドもクリスも渋い顔をした。
講義でオレンジの話題を出したのはたまたまだったのか・・・。
しかし偶然というには出来すぎている。
「アルフォンス殿下が何を考えておられるのかは話を聞いてみないとわからない。気になるなら2人も同席したらいいだろう。」
表情を強張らせた2人にエリオットがなだめるように声をかけた。




