第124話 お披露目会
「グラン先生・・・?」
「やあ、リア。私とは1か月ぶりくらいかな?この度は王族への復権おめでとう。制服姿の君も可愛らしかったけど、そういったドレスもよく似合うね。」
アルフォンスはにこやかにリアに笑いかけた。
驚きのあまり言葉を失うリアにロイが尋ねてきた。
「アルフォンス殿下と知り合いなのか?」
「学院の先生で・・・」
ロイがアルフォンスに鋭い視線を向けた。
リアが在籍していたわずか半年の間に、ただの男爵令嬢だったリアにグラシアス帝国の皇子が接触するなど話が出来すぎている。
射殺さんばかりのロイの視線を受け、アルフォンスが苦笑した。
「ローゼンハイム将軍。勘弁してください。特にやましいことなどありませんよ。私は帝国の食料問題の解決のため、植物学のモーリス教授に師事していたんです。教授は小麦の品種改良で有名ですからね。1年生の植物学の授業を受け持つ機会があり、そこでリアからオレンジ栽培について相談され親しくなったんです。ねえ、リア。」
オレンジの実を甘くしたり、大きくしたりするにはどうすればいいかといった事を先生に相談していたのは事実だ。
アルフォンスの言葉にリアは頷いた。
リアが頷いたことで、ロイも殺気を抑えた。
「でも、先生。皇子だなんて一言も・・・。」
リアはまだ戸惑っていた。
「身分を明らかにすると、常に女性に付きまとわれたりして動きにくくなるからね。」
「2人が知り合いだったとは驚きですね。ジークフェルドとも?」
エリオットに尋ねられアルフォンスは首を振った。
「いいえ。私の目的はモーリス教授でしたし、授業は1年生しか持ってなかったので、2年生の殿下とは接点がありませんでしたね。」
じゃあ、私と親しくなったのは本当にたまたまだったのね。
ようやくリアもホッとして笑顔になった。
「こんな所でお会いするなんて思わなかったので、すごくびっくりしました。先生も公表された姫君が私だったなんて意外すぎて驚かれましたよね?」
リアの笑顔につられるようにアルフォンスもにこやかに笑った。
「いや、べつに。前から知っていたからね。」
リアは凍り付いた。
リア自身がその事実を知ったのは数日前である。




