第123話 お披露目会
真実を知らされてからは、慌ただしい日々が続いた。
話し合いが幾度となく重ねられ、必要な書類を整え、各方面への顔見せや挨拶をこなし・・・。
そしてリンドブルムを訪れてから10日ほど経った頃に、リアの存在とロイの養女となることが発表された。
それからさらに数日後、まず王都にいる高位貴族に対し王宮でリアのお披露目のパーティーが開かれることになった。
貴族たちが集う大ホールの扉の前で緊張するリアに、ロイが声をかけた。
「心配するな。今日は相手からの挨拶に対してニコニコ笑っておけばいいだけだ。ぺらぺら話しかける奴がいたら、俺が何とかするからリアが話す必要はない。」
頼もしいロイの言葉に、リアは笑顔になった。
すでに書面上はロイがリアの義父となっているのだ。
「いいか。今日は一人になるな。俺か王子の側にいるんだぞ。」
リアは頷き、ロイの横に並んだ。
彼の腕に手をかけるとホールへの扉が開かれた。
2人がホールに入場すると大歓声があがった。
特に年配の者たちからは驚きの声が聞こえてきた。
”ユーフェミア様に生き写しだ。”
”あの瞳は・・・”
ホールの中央にいたエリオットの横に2人が立つと、エリオットがホールにいる人々にリアを紹介した。
「先日、公表があったユーフェミアの娘のリアだ。王位継承権を認めた後、昨日よりローゼンハイム家の一員となった。異国育ち故にリンドブルムの慣習に疎いところもあると思うが、私の姪を皆で支えてやってくれ。」
リアがスカートをつまみ会釈すると、大きな拍手が巻き起こった。
その後は、人々が列をなし自己紹介の嵐だった。
ローゼンハイム公爵の側で、ずっと笑顔を崩さず丁寧に礼を返すリアに対し、貴族たちの反応は概ね良好だった。
主だった貴族の紹介が終わり一息ついた頃、エリオットが一人の男性を伴ってやって来た。
「リア。この方はグラシアス帝国第3皇子のアルフォンス殿下だ。たまたま2週間ほど前から東の離宮に滞在されていてね。新しく誕生した姫君に挨拶をしたいと申し出て下さったんだよ。」
エリオットの横にたたずむ黒髪の男性を見て、リアは目を見開いた。
よく知っている人物だったのだ。




