第119話 お茶会の後
「男爵令嬢のリアとジークフェルド王子が学院で恋に落ちたからロイの養女にした、では駄目なんですか?」
ジークフェルドに嫁げばリアは王族の一員になるし、結果が同じならその方が余計な嘘をつく必要もなくスッキリしている。
「私はリアをユーフェミアの娘だと公表したいんだよ。王族への復権をさせ王位継承権も認めた方が、今後リアがリンドブルムの王宮で生きていく上で有利だしね。それにあれ程ユーフェミアに似ていたら、その出自に疑問を持つ者も出てくるだろう。それなら初めからストーリーを組んでおいた方がいいだろう。」
なるほど。
カイルは頷いた。
ただの男爵令嬢がいきなり王子妃の座につけば、色々嫌がらせやいじめを受けるかもしれない。
国王の姪であることはリアの強い武器になるのだ。
リアもこれから大変だな・・・。
様々は思惑が渦巻く王宮で、あの純粋な娘が幸せになれるのか。
カイルの不安が顔に出たのだろう。
ロイが声をかけてきた。
「カイル心配するな。大丈夫だ。俺もあのやんちゃ坊主もリアを守るし、絶対に幸せにすると約束する。」
自信たっぷりにそう話すロイを見て、カイルは笑顔をうかべた。
この友人に任せておけば大丈夫。そう思えた。
「ああ、任せたぞ。」
大きく頷くロイと笑顔になったカイルを見つめながら、エリオットが口を開いた。
「その事だが、カイル。君はリンドブルムに来る気はないか?」
「えっ?」
思ってもみないことを言われ、カイルがキョトンとした表情になった。
「ユーフェミアを保護し、その娘を養育した褒章としてリンドブルムでの爵位を与えることは可能だ。君一代限りの伯爵位くらいなら直ぐにでも用意できる。」
それを聞いてカイルは考え込んだ。
「それはありがたい申し出です。アルノーの領地の事があるので直ぐにというわけにはいきませんが、他家に嫁いだ姉に相談してみます。姉のところには男の子が2人いるので、下の子にアーロン領を継いでもらうことは可能だと思います。」
カイルがリンドブルムに来れば、身近でリアを見守ることができるし、何かあってもすぐに相談に乗ることも出来るだろう。
「ああ、急ぎではないから考えておいてくれ。」
エリオットが頷いた。
それからも様々なことについて議論がなされ、話し合いは深夜まで続けられたのだった。




