第118話 お茶会の後
お茶会が終わりリアやジークフェルドたちが離宮へ戻った後、残った大人たちで今後のことを話し合うことになった。
「あーあ。娘なんて持つもんじゃないね。こんなに早く嫁に行ってしまうなんて・・・。」
寂しそうにぼやくカイルの肩をロイがポンポンと叩いた。
「同感だ。しかも、相手があのやんちゃ坊主とはなあ・・・。」
ロイはリアと血の繋がりはないが、家族ぐるみの長い付き合いで、すっかりリアの父親のような存在になっていた。
ロイにとってカイルは、もともと大切な主人でもあった愛しい姫を奪った恋敵だった。しかし長い年月をかけて、ミアとリアを守るという同じ目的を共有する仲間へと変化していったのだ。
今や将軍という重責を負い周りは全て部下となる中で、立場や身分というしがらみがなく話せる唯一の親友となっていた。
アーロン領を訪れることは、もちろんミアとリアの様子を見に行くことが一番の目的ではあったが、いつしかカイルと酒を酌み交わし話すことも大きな楽しみとなっていたのだった。
「おまえたち、いつの間にかそんなに仲良くなってたんだねえ。それに嫁に行くと言っても、まだまだ先の話だよ。いろいろ手続きもあるしね。さあ、ぼちぼち具体的な相談をしよう。」
エリオットの言葉に、ロイとカイルは表情を引き締め頷いた。
「まず時系列で整理してみるか。」
そう言うとエリオットは紙に箇条書きで書きつけていった。
1 ユーフェミアが湖に落ち、それをアルノーの男爵の青年が助けた。
2 その時ユーフェミアは事故で記憶を失ってしまい、その青年と恋に落ちた。
3 我々は湖のほとりでユーフェミアに背格好の似た女性の遺体を見つけ、それを
ユーフェミアと思い込み国葬をあげてしまった。
4 ユーフェミアがリアを出産した後に記憶を取り戻し連絡してきた。
5 国葬を行ってしまった後だったし、子供も生まれたばかりということもあり、
そのまま様子を見ることになった。
6 ユーフェミアが病気で亡くなった。
7 アルノーの学院でリアと留学中のジークフェルドが恋に落ちた。
8 父親である男爵と協議し、リアをリンドブルムの王族として復権させること
になった。
「こんな感じでどうだ?」
エリオットの書いた紙を眺め、王妃が頷いた。
「半分以上うそばっかりだけど、つじつまは合っているかしらね。」
容赦ない妻の感想に、エリオットは苦笑した。




