第117話 国王とのお茶会
「本題・・・。」
「もともと君を王族に迎え入れるのなら、私の娘として受け入れようと思っていたんだ。」
リアはびっくりした。
えっ。それって、私がジークフェルド様の妹になるってこと?
ちらりとジークフェルドを見ると渋い表情を浮かべている。
「でも、ジークがリアと夫婦になりたいということなら、それは流石にまずいだろう。その場合リアを王族の一員として認知した後に、一度リンドブルムの有力貴族の養子にして、そこからジークフェルドに嫁ぐという形になる。」
いきなり夫婦などと言われて真っ赤になったリアの手を横からジークフェルドが握ってきた。
「リア。俺は将来一緒になりたいと伝えただろう。」
その言葉にリアは赤くなったまま頷き、そんな娘をカイルは横から寂しそうに見つめていた。
「王家に嫁げる有力貴族となると、第一候補はそこにいるローゼンハイム公爵家だ。」
リアは目を見開いてロイの方を見た。
「今の話はリアが王族に復権しジークフェルドの妃となる場合の話だ。しかし、もし君が今までの話を聞いてアルノーで静かに暮らしたいと希望するのなら、私はその選択を受け入れるつもりだ。」
ここまで話してリアに選択権をくれるというのか。
「アルノーに戻るのであれば、これまでと同じ状態だ。リンドブルム王家と関わることなく平穏に過ごすことになるだろう。」
父のカイルとジークフェルドやリンドブルム王家のどちらかを選べということなのか。
リアは泣きそうな顔でカイルの方を見た。
カイルは優しく微笑み、やれやれと肩をすくめた。
「リア。君がロイの養女になってもリンドブルム王家に嫁いでも、君は一生僕の娘だよ。ちょっと遠いけどロイの家なら僕も遊びに行けるし、会おうと思えばいつでも会える。自分の気持ちに正直に答えていいんだよ。」
「父さま!」
リアは泣きながら父に抱きついた。
カイルは娘を抱きしめ、よしよしと頭をなでた。
「私、ジークフェルド様が好きなの。」
自分の胸に顔をうずめ泣きながらささやくリアに、カイルはうんうんと頷いた。
「それで、いいよ。」
娘をギュウっと抱きしめるカイルの目にも薄く涙が浮かんでいた。




