第113話 お茶会の前
リンドブルム国王との面会の日が来た。
お茶会という非公式の場であることと顔見せくらいだと聞いたことで、リンドブルムを訪れる前ほどの緊張はなかった。
クリスが合流してくれたことも大きかった。
でも、大国の王様にお会いするわけだしやっぱりドキドキするわよね。
リアはドレスを着つけてもらいながら深呼吸した。
髪の毛が緩く巻かれ、軽くメイクもほどこされた。
「リア様、出来上がりました。」
メイクをしてくれた女性に促され鏡を見た。
「わあ!」
鏡に映る自分の姿を見て、リアは感嘆の声をあげた。
王宮の技術ってすごい・・・。
淡いピンクのドレスをまとったリアの姿はどこから見てもお姫様にしか見えなかった。
「リア様は小柄でいらっしゃるから、可憐な妖精のようなイメージでさせていただきました。リア様の素材が素晴らしいので私の理想通りに仕上がって満足ですわ。」
その言葉にリアは頬を染め礼を言った。
「ありがとうございます。可愛くしていただいて嬉しいです。」
別室で待つジークフェルドとクリスと合流してからお茶会の会場へ移動することになっていた。
別室に入ると、2人はすでに着替えを済ませソファに腰かけ話をしていたようだった。
「お待たせしました。」
リアが部屋へ入ると、2人は彼女の方へ顔を向けた。
「リア。驚いたよ。おとぎ話に出てくる妖精姫の様だね。さすがショネル夫人だ。君の良いところを最大限に引き出してくれている。」
クリスがニッコリ笑って褒めてくれた。
「ありがとうございます。」
リアも照れながら礼を述べた。
一方ジークフェルドは口元を右手で押さえ、無言のまま顔を赤くしていた。
文化祭でドレスアップしたリアを見た時も、幼い頃の理想だった絵の少女とそっくりだと感動したのだが、目の前のリアはその理想をはるか上回る可愛らしさだった。
無言で固まるジークフェルドにクリスが横から声をかけてきた。
「ジーク。君も何か言ってあげたら?」
少し呆れた口調だ。
「あ、ああ。可愛すぎて言葉に出来なくて・・・。」
それを聞いてリアが真っ赤になった。
最大級の誉め言葉だ。
照れ合う二人にクリスはヤレヤレと肩をすくめた。
「さあ、伯父上たちがお待ちだからもう行くよ。」
そして、3人はお茶会の会場へと向かったのだった。




