第102話 近衛騎士の飲み会
どこの国でも貴族の子女が通う学院の生徒会は、高位貴族出身の者で運営することが多いのだ。
「そこからなんか匂うな。リアちゃんが将軍のことを商人って言った後、王子がごまかしている感じがしたし、リアちゃんの紹介もすごく適当だったし、王子は絶対真相を知ってるな。」
リアムの意見にルイも頷いている。
「そうだ。王子といえば、あれ絶対リアちゃんのこと好きだろ。」
ライアンが満面の笑みを浮かべながら、そんなことを言い出した。
「突然、話題が変わったな。まあ、俺もそう思ったが。」
リアムが同意し、ルイも頷いている。
「王子、わかり易いからねえ。回廊でバッタリ会った瞬間すっごく嫌そうな顔でライアンを見てたもんね。」
ライアンが何もしてないのに、彼女を取られたと他の男に喧嘩を吹っ掛けられた回数は両手の指の数では足りないくらいだ。
「99.9%の男は俺の引き立て役になるからな。」
「自分で言うところがイケてないんだがな。」
得意げに言うライアンにリアムがつっこんだ。
「ハハハ。100%と言わないところが謙虚だと言って欲しいな。」
ライアンの言葉にリアムが盛大に顔をしかめた。
「あながち間違いでないのがムカつくな。」
「王子、ライアンを見て嫌そうな顔をした後、心配そうな表情でチラッとリアちゃんの方を見てたもんね。わかり易くて可愛いよね。」
ルイがその時の様子を思い出したのか、クスクス笑っている。
「なんか議題からそれたな。」
ライアンの言葉にリアムがキレた。
「お前がそらしたんだろうが!」
2人でぎゃあぎゃあ言い合いをしているのを傍目にルイはグラスの酒を飲んでいたが、ふとつぶやいた。
「でもさあ。この議題って話し合っても、誰も正解を知らないんだから議論しても意味なくない?答えの分からないパズルを解いてるみたいだ。」
喧嘩をしていた2人がピタッと止まった。
「確かに時間の無駄みたいな気がしてきた。」
リアムが真顔で言った。
そんな彼の肩をなぐさめるように軽くたたき、ライアンがグラスに酒をなみなみと注いだ。
「まあ、そんな時は飲んで楽しめ。」
こうして彼らの夜は更けていったのだった。




