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まことしやかに

 噂が本当ならもうじきだろう。

 どんなに愚かな事をしているか分かっていると言ったら最後、終わりがすぐにやって来るのを彼女はもう分かっている。

 だからこそ、やっているのだ。

 皇后のした事を許すような陛下ではないことを知っているからこそ堂々としており、その周りもまたそれに付き従っている。

 よく言う類は友を呼ぶだ。

 そうしたら直ちに自分はこの大事な倒流香炉を持って逃げる算段だ。

 それが一番の功績になるだろう。

 まだまだこの男の魂の中に居て、ひっそりしている時期なのだろう。

 それを彼等もまだ望んでいる。

 全ては明らかにされるだろうが、本当の真実は明らかにされない。

 全てはこの濃い霧の中に隠されて忘れ去られてしまうのだから、今はゆっくり休むが良い。

 その男の姿は今や完全に元の姿を呈していなかった。

 夜な夜な皇后は見たこともない美男子を連れ込んでその鬱憤を晴らしているというが、その相手はきっと自分だろうと思う。

 けれど実際はこうやって一人ぐっすり眠り続けているのだから気の毒な――と思いつつ、その薄っすらとした愛着すらも全てはするように願うほかなかった。


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