……舞の裏切り者~
食欲は三大欲求の1つ!
俺達のタウンハウスに到着して挨拶をした。
「これからよろしく」
「「「「「「「「よろしくお願いします!」」」」」」」」
挨拶が終わると、メイド達は屋敷の内外の清掃を始める為に散開して、俺達は管理責任者達と改めて挨拶を交わした。
「執事の『マハド』でございます」
「これからよろしく、マハド」
「お久しぶりです、ルーカス様。
リーナお嬢様の専属侍女であったメイド長の『マーナ』でございます」
「久し振り、マーナ。これからよろしくな」
「料理長の『セベク』でございます」
「よろしく、セベク」
「馬丁と庭師長の『ゴロク』でございます」
「よろしく、ゴロク」
「この屋敷の女主人はリナだからよろしく頼む」
「「「「勿論です!」」」」
この後、リナは屋敷の庭に行き、理想の庭園化計画に着手した。
この時の俺は分からなかったが、10年後にこの庭(庭園)は、王国一の庭園と称讃される様になる。
俺は俺で、執事のマハドと相談しながら披露宴に招待する貴族の選定をして招待状を書いていた。
舞は、屋敷の門番や衛士を鍛える事にした。
「はい、そこ!」
「ぎぃ……」
「相手の腕ばかり見ない」
「はい、マイ様!」
招待状を書いている中、俺は執事のマハドに疑問を聞いてみた。
「何故、俺達はエリカ達の披露宴に招待されなかったんだ?」
「はい。それは、披露宴の主役はあの方々であって、ルーカス様では無いという事です」
「……なる程な。俺達が行けば間違いなく主役を奪ってしまうな。爵位は俺が上だしな」
「はい。爵位の違いで、魔王討伐の主役が誰なのかは明白です」
「……となると、俺達の披露宴にはエリカ達を呼ばない方が無難だな」
「はい。残念ですが」
翌日からも、俺達は披露宴の為に東奔西走したのだった。
……2ヶ月後、俺達は「侯爵位就任披露宴」を開催した。
「……疲れたー」
特に、問題無く終了した。
披露宴中に「マイさん(リナさん)を賭けて勝負だ!」なんて言う馬鹿は居なかったし、俺に対して「貴方が本当に愛しているのは私よ!」なんて言う馬鹿も居なかった。
そして、この場を借りて、舞とリナと正式に婚約したと報告した。
因みに、会場になった玄関入って直ぐの大ホールの隣に臨時で用意していた貴賓室には、披露宴が終わった後、国王含む王族一家が揃っていた。
「……来ちゃった」
「……全く。来ちゃった……じゃねえー!」
「しかしだな、折角のルカの侯爵位就任披露宴だぞ」
「そうよ。可愛いルカの晴れ舞台だもの」
「私達が行かないで、誰が行く?」
「そうですよ、ルカ様。所で、何時、私はルカ様と結婚しますの?」
「諦めろ」
「いーやーでーすぅ!」
「……はぁ」
「ぐ……」
彼女を腹パンで眠らす。
「相変わらず容赦無いわね」
「例え、身分が貴族や王族であっても、兄が妹に厳しく躾けるのは当然だろ?」
「……そうね」
この少女は、王弟の三女で名前は「アンジェリカ」だ。
彼女とは初めて出会ってから、懐かれていき次第に俺のお嫁さんになりたいと言い始めたが、俺には舞とリナが居たから断っていたが、いつの間にか、舞やリナの輪の中に入れば良いと思う様になっていて、順位に拘らなくなっていた。
「おめでとう、ルカ」
「ありがとう、ガル義兄」
「おめでとうね、ルカ」
「ありがとう、セレス姉さん」
因みに、ガル義兄を「お義父さん」やセレス姉さんを「お義母さん」と呼ばないプライベートでの表向きの理由は、女性の乙女的認識という事にしてある。
要するに、書類上は「叔母」であっても、16歳の少女に「叔母さん」呼びがダメなのと同じ理由だ。
それと、漢字にすれば「アレ?」になるが、この世界に漢字は存在しない為に「義姉さん」と「姉さん」の違いは分からない為に誤魔化しているし、ガル義兄も同様だ。
この後、王族一家と辺境伯夫妻は、場所を移して大宴会を始めたから俺達は逃げた。
翌日の夜明けと同時に王城からは鬼の形相の宰相が、フロンディーラ辺境伯のタウンハウスからは般若の形相のビアンカが現れて、それぞれを回収していったらしい。
そして昼前に……
「ルカに舞ちゃんにリナ、遊びましょ!」
「わあ! 待ってたよ。恵梨香、聖良、聖、玲奈姉さん」
「……玲奈姉さん?」
「……舞?」
「実はね。今だから言えるけど、北条玲奈と御庭上蒼真は親戚関係だったの」
「そうだったの!?」
「うん」
「本当よ」
「そうだったのか」
「道理で、蒼真だけ厳しかった訳ね」
「そういう事だ。そして、ようこそ!
歓迎するぜ、皆」
後、アーロンはガル義兄達の方に居るらしい。
こうして、俺達の宴会が始まった。
「……舞の裏切り者~」
「私は舞を信じていたのに」
「もう、食えねぇ」
「明日の体重が……」
「こんな美味い料理が有ったなんて……」
はい、そうです。禁断の、あの「合挽き肉」を解禁しました。
この後も、卓上遊戯に追加ルールや罰ゲームを加えて遊んだりした。
そして、夕食後は風呂に入った後は、男子会と女子会に分かれて各部屋で盛り上がった。
翌日……
「……お、おはよう、ルカ」
「……? おはよう、舞?」
俺を見た舞が、顔を赤くしてよそよそしく挨拶をしてきた。
「恵梨香?」
「やり過ぎたかな?」
「恵梨香が調子に乗るからでしょう」
「北条先生だって~」
「わ、私は真面目に……」
「昨日、何を話した?」
「怒らない?」
「……怒らない」
「実はね……」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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