釣れたーーー!
街から街への護衛って、意外とリスク高いよな。
ルカside
俺は急な寒気に襲われたが、何故か舞とリナが良い笑顔で励ましてくれた。
……目が笑って無かったけどな。
さて、俺達の散策は楽しめていたが、それだけでも、代官の優秀さが分かるというものだ。
「次は、冒険者ギルドに行ってみようよ」
「良いわよ」
「ルカ様のご意思のままに」
「行きたいのじゃー!」
「……行くか」
「「「「賛成!」」」なのじゃー!」
俺達は冒険者ギルドに到着した。
「……結構大きいな」
「そうだね」
「そうね」
「そうですね」
「大きいのじゃ」
「入るか」
確かに建物は大きいが、中の構図は他の冒険者ギルドと同じだった。
だから……
「ようこそ、温泉都市アルファーラの冒険者ギルドへ。どの様なご用件でしょうか?」
「俺達は、数日前に来た冒険者だが、何か注意事項は有るか?」
「……そうですね。先ずは、この都市は温泉地や風量明媚な湖で有名な都市である為に、それなりの数の貴族様や大商会の方々が、来られますのでご注意ください。
次に、近場に火山が存在する為に強力なモンスターも存在する為に、冒険者も他の都市よりも多く居ますからご注意ください。
最後に、最も重要なのが、この都市の新しい領主様は、侯爵位をお持ちの上に、魔王討伐を果たした英雄です。
ですから、言動には充分にご注意ください」
「分かった。他には?」
「そうですね。数日前に到着予定の商会がまだ来ていない事ぐらいでしょうか」
「分かった。ありがとう」
そう言って受付嬢が居るカウンターから離れるが、受付嬢の前には大銀貨1枚を置かれていた。
冒険者ギルドの受付嬢side
……あら、珍しいわね。
ハーレムパーティーが近付いてくるわ。
「ようこそ、温泉都市アルファーラの冒険者ギルドへ。どの様なご用件でしょうか?」
受付嬢として挨拶をしたら、注意事項を聞かれたから特に重要な事を3つ共教えたけれど大丈夫かしら?
特に3つ目は洒落にならないのよね。
なんせ、英雄に讃えられるフロンディーラ辺境伯と、元王女のセレステア夫人が義父母で、婚約者の1人が筆頭侯爵家の三女だし。
何よりも、新しい領主様は、あの「魔王」を討伐した新たな英雄よ!
……何も無ければ良いけど。
それと、大銀貨を置いていったから、私も出来る限りは助けてあげましょう。
……はぁ。
このギルドに来て、妾でも構わないから私を拐ってくれないかしら?
胸の大きさなら、少々自信があるのよね。
……挟んでも良いかなぁ。
ルカside
珍しく冒険者ギルドを出るまで絡まれる事なく外に出れた。
「次は何処に行こうか?」
「「「「温泉!」」」なのじゃ!」
行ってみると、日本の草津とかの温泉街を彷彿とさせる風情だが、流石に浴衣に羽織だけみたいな軽装で歩く人は居なかった。
お金を払えば「入浴だけでも可」の宿屋の温泉を堪能する事にした。
「やっぱり温泉は良いよなぁ」
「本当よねー」
「……ふう、気持ち良いわね」
「温まりますね」
「気持ち良いのじゃー!」
有料の家族風呂に入る事にしたが、勿論、湯衣着用だ。
「「「「「……ふぅ」」」」」
此処は日本では無いから、充分に火照りを冷ましてから宿屋を出た。
この後は、領主館に戻り寛ぐ事にした。
翌日は、都市周辺を徘徊して「釣れる」のを待っていた。
「ガキ! 命が惜しければ服と靴以外を置いて消えろ!」
「釣れたーーー!」
盗賊共を処理して、アジトに向かって居残り組を鏖殺した。
それで、居残り組を処理して、金銀財宝を回収して囚われた人達が居ないかと探したら……
「……居たよ」
「ルカ、どうするの?」
「勿論、保護するよ」
「とりあえず、助け出しましょう」
「そうだな」
リナが言った通りに、牢屋から助け出して洗浄を掛けて、盗賊共が集めてあった服から適当に選んで貰った。
俺は、回収した金銀財宝から、遺留品が有ったから確かめていた。
「ルカ」
舞から呼ばれたから準備が出来たのだろう。
とりあえず、俺は「倉庫」から野点用のテーブルと椅子を出して、会話の準備とした。
勿論、紅茶を淹れるのはリンだし、いつの間にか、メイド服に着替えているしな。
「とりあえず、一息どうぞ」
「……ありがとうございます」
リンが淹れた紅茶とお菓子を食べて落ち着いて貰う事にした。
「……落ち着いたか?」
「はい」
「それなら、話せる範囲内で、事の顛末を」
話して貰えた内容だが、この人達が数日前に到着予定の商会だった。
そして、我が都市アルファーラで第3位の商会で、店に卸す商品を運搬中の出来事だった。
そして、護衛の冒険者は全滅したと。
……まあ、悲惨な上に、完全な赤字じゃん。
俺は、寝覚めが悪いという理由から、今回の金銀財宝から、遺留品らしき「物」以外を出して確認させ、無い物はと聞いたら「アレが無い」や「コレが無い」と言い出し、特徴を聞いたら、遺留品の中に該当する「物」が有ったから、もう一度確かめた上で、商会の「商品」だと分かる「物」は返した。
「……ありがとうございます!」
これで、この商会は済んだが、囚われた人達はまだ居た。
「次は貴女達の番だが……」
綺麗な女性や可愛い娘ばかりだった。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点とブックマークをお願いします。