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後の処理は分かるな?

自分が負ける事が無いと思った馬鹿。

 


 俺は剣を横一文字に一閃し、相手の両腕を切り離した。


「……え!?」


 ボトトッ


 相手の身体の一部だった「物」が地に落ちた音で我に返った相手は、泣き叫び激痛に藻掻もがいていた。

 向こうの仲間が助けようと近付くのを受付嬢が制止する。


「まだ決闘中です!」

「何を言っているんだ!」

「冒険者ギルドを敵に回しますか?」

「……」


 相手は、激痛に耐えながら言った。


「……こ、降参…だ」

「……」


 俺はゆっくりと相手に近付く。


「降参だと言っただろうが!」

「……死ね」

「ま、待て! 降さ……」


 俺は相手の首を斬った。


「「「……!?」」」

「勝者ルカ!」


 向こうは、急いで相手に近付き遺体を抱きながら言った。


「何も殺さなくても!」

「そうだ!」

「降参だと言っていたじゃないか!」

「これは決闘だと言った筈ですが?」


 受付嬢が間に入って言う。

 そして、俺も告げた。


「全て、向こうの言った事を受けただけに過ぎない」

「……でも!」

「冒険者なのに忘れたのか?」

「……何を?」

「弱い方が死ぬ」

「「「……巫山戯るな!」」」


 向こうは自身が持つ武器を抜いて、俺に襲い掛かった。


「が……」

「ぐはっ……」

「ぎ……」


 俺は、貴族としての身分証を見せて言った。


「後の処理は分かるな?」

「は、はい!」


 俺は、受付嬢に金貨1枚を渡し、泊まっている宿屋の名前を告げると練武場を後にした。


「気分直しに、何処かのお店で甘いお菓子を食べようか」

「うん」

「ええ」

「はい、ルカ様」

「のじゃー!」


 あの日から2日後に、宿屋に来た冒険者ギルドからの遣いで、俺達は冒険者ギルドの2階のギルドマスター用の応接室でギルドマスターと対面した。


「この度は、うちの冒険者が……」

「その辺りの挨拶は要らない」

「分かった。では貴族ではなく、冒険者として対応する」

「それで構わない」

「先ずは……」


 そう言うと、決闘の時に審判した受付嬢が、俺の前に小袋を置いた。

 置いた時に硬質の音がしたから硬貨だろう。


「諸々込みで、金貨8枚だ」

「その割に膨らんでいるな」

「それ以外は、ギルドからの謝罪金だ」


 ……つまりは、口止め料か。


「分かった」

「内容ですが……」


 受付嬢の話した内容は、あの3人から全てを没収して換金し、借金奴隷に堕とし、その代金と合わせた合計が金貨8枚だった。

 その後は、ギルド所有の奴隷となり働いているらしい。


「しかし、パレードを見ていない者には信じられないだろうな。目の前の少年が魔王討伐者なんてな」

「吹聴したら……」

「分かっている」

「分かっているなら問題無い。以上か?」

「以上だ……と言いたいが、1つ依頼を引き受けて欲しい」

「内容は?」


 依頼の内容は、この町の南方面にある森で、通常ではないオーガが出現したらしい。

 ギルドとしては、亜種か進化体と考えているらしいが、問題なのは討伐出来る冒険者が居なかった事だ。

 そこで、他のギルドに打診しようかと思っていた所で俺達が現れた訳だ。


「依頼を受けよう」

「助かる。では、下のカウンターで手続きをしてくれ」

「畏まりました」


 そうギルドマスターが言いながら、後ろに居た受付嬢に視線を送る。


 手続きを終わらした俺達は、早速行ってみる事にした。


「我が主よ」

「どうした、ロゼ」

「妾がやってみたいのじゃ」

「別に良いが、確認してからだぞ」

「分かっているのじゃ」


 そんな事をロゼと話して、舞達と雑談している間に、南の森に入り、問題のオーガを発見した。


「確かに変わっているな」

「そうだね。先ず、頭の角が2本よ」

「それに、肌の色が赤茶色だわ」

「……もう良いのじゃ?」

「出来るだけ、原形を残せよ」

「分かったのじゃー!」


 そう言って、ロゼは嬉しそうに飛び出して、不意打ちで腹パンした。


「……GuAAAーーー!」

「もう一発なのじゃ」

「……GaAAAーーー!」


 ロゼの腹パンで右膝を突いたオーガに対して、ロゼは俺が教えたガゼルパンチをオーガの顎に向けて打つ。


「このまま押し切るのじゃー!」


 本人が言った通り、このまま押し切るかと思ったが、このまま終わらなかった。


 オーガの角が光り出したのだ。

 瞬間的に嫌な予感をした俺は飛び出した途端にオーガの光り輝く双角の間に紫炎の球が発生してロゼに向かって放たれた。


「のじゃ!?」

「間に合えーーー!」


 ……激しい爆発音が俺とロゼの後ろから聞こえ、少しでも気を緩めれば吹き飛ばされる暴風が来た。

 振り向けば、そこには小学校の体育館が丸ごと入る「穴」が出来ていた。


 俺は直ぐに、オーガの首を斬った。


「済まないな」

「構わないのじゃ」


 オーガの死体を俺なりに調べたが、何も発見する事が出来なかった。

 仕方なく「倉庫」に仕舞う。

 一応、周辺に異変は無いか調べたが、こちらも何も発見が出来なかった。


 俺達は、町に戻り冒険者ギルドに行き、オーガを渡して依頼料を貰う。

 因みに、ギルドからの依頼の為、金貨5枚だった。


 翌日、俺達は町を後にして、領地「アルファーラ」を目指した。


 その日の野営地に到着した俺達は準備を済ませ、スープが出来るのを待っていると、先に停留していた連中の1人が話し掛けて来た。



厳しくも温かいメッセージを待っています!

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