侵攻するのじゃーーー!
いよいよ、魔王城に!
「……仕える意味と価値は無くなるぞ」
「それはどういう意味で?」
「……奴隷法の強盗罪」
「……まさか!?」
「アスナ」
「はいであります!」
アスナは、首の奴隷紋を見せる。
因みに、隅では、リン達がチンピラの武装や所持金を没収中だ。
「……なんという事だ」
「爺?」
「それじゃあ行こうか」
「……はい」
「ぶばぁ……」
屑坊を腹パンで沈めた後、袋詰めにして、洗浄で両手を綺麗にすると、袋を引き摺りながら執事らしき男の案内で領主館に向かった。
「白金貨630枚だ」
「……」
領主館に到着した俺達は、執事らしき男のお陰で、スムーズに移動が出来て、それ程に待つ事も無く、クマリダル子爵と対面する事が出来た。
……こうなるから、真っ当な貴族は人の奴隷に手を出さない。
「白金貨630枚」
「はぁ。……払う」
勿論、俺とリナの身分は明かした。
後、屑坊は無駄に騒ぐだろうから、袋に入れたままだ。
まあ、あんな屑を野放しにしたのが悪い!
……3日後、クマリダル子爵の屋敷からは、価値有る絵画が半分以上無くなったらしい。
どうやら、このクマリダル子爵家は、代々の当主が絵画好きで、コツコツと集めていたみたいだ。
今代のクマリダル子爵も、集めていたみたいで、自身が集めた絵画の殆どを手放したみたいだし、勿論、屑坊は終生鉱山労働となった。
翌日、クマリダル子爵から、白金貨630枚を受け取る。
因みに、次代以降からのクマリダル子爵家の当主は、女性に対して軽口を言わず、堅実に接する様になった。
「ちょっと長く止まっていたから行くぞ」
「「「「「「はい」」」」であります!」なのじゃ」
【おー】
「キャン!」
俺達は遅れを取り戻す為に途中の村や町はスルーした。
そして、最終目的地の城塞都市「フォートリア」に到着した。
正門で待っていた恵梨香達と合流して、とりあえず宿屋を取り、今日は宿屋でゆっくりする事にした。
「……と、いう訳だが、エリザにマリウス。
覚悟は出来たか?」
「……はい」
「はい」
「それなら良いが、その変身用の魔道具は外すなよ」
「分かっているわ」
「勿論です」
流石に、馬車の「家」に入れっぱなしも良くないのだが、馬車の「家」に誰か居ると「倉庫」に馬車を仕舞う事が出来ないからだ。
「待たせたな、皆」
「遅いぞ~、ルカ」
「……反省文ですね、ルカ」
「ちょっと待て、エリカにセイラ」
「「……ぷ」」
「その慌てた顔で許してやろう」
「何故、エリカがドヤ顔?」
「……長くなりそうだから、さっさと本題に入りましょう」
「……分かった。聞いていた通り、彼女エリザは魔王の娘だ。ただ、性格が人族の平民寄りだから大丈夫だと判断した」
「ルカが、そう判断したのなら異存は無いけど、連れて行くのよね?」
「ああ」
「どうやって?」
「賢〇の孫形式で」
「……マジ?」
「マジだ。やっと使える様になった」
「「「やったー!」」」
「……げ!」
舞、恵梨香、聖良が喜んで、聖は引いた。
「……そっか。聖は高所恐怖症だもんね」
「聖、ドー〇ー海峡を泳ぎ切れるのか?」
「……分かった」
「聖、ドンマイ」
「恵梨香~」
3日後、充分に休養した俺達は、シリウスとコウガは留守番で、俺達は宿屋に1週間分を先払いして、魔王が居る筈の離島を目指して移動した。
「……やっと到着したよ~」
「徒歩2日は、意外とキツいわね」
「……まあ、帰りも空の便だから我慢な」
「「ルカ!」」
舞とリナの呼び声に合わせて魔力を高め、魔法を発動する。
「飛翔!」
「「「「「「「「「「わ!?」」」」」」」」」」
俺が、そう言った瞬間、俺を含め全員が地面から離れ、20m上空に浮遊する。
「……本丸にダイレクトアタックだ!」
「「「「「「「「「「……!」」」」」」」」」」
約30秒で、魔王城に到着した俺達は、10分休憩して、二手に分かれた。
「油断するなよー」
「そっちこそ」
予定通り、恵梨香達は裏からの攻略となる。
だから、俺の魔力回復も兼ねて、3時間後に行動を始めた。
「さて。魔王城攻略……開始だ!」
ドッバーーーン!
直径10mの炎球を上空に放ち、充分な高度で爆発させた。
序でに、上空から監視していたモンスターを討伐しといた。
「……ルカ?」
「こういう時のはな、派手な方が良いんだよ、マイ」
「分かっているじゃない、ルカ」
「当然だ、リナ」
「……はぁ。そういえば、蒼真の時も……」
「マイ、行くわよ」
「侵攻するのじゃーーー!」
「「……」」
ロゼの掛け声で、全員の意識が魔王城攻略に向け、移動を開始した。
エリザとマリウスは、邪魔をしない約束で同行を許可したから大人しく無言で付いてくる。
「魔王城……だよな?」
「……コクン」
マリウスに聞いたら、魔王城だと肯定した。
何故、こんな事を聞いたかというと、俺達を妨害する筈のモンスターが少ない上に弱いからだ。
「もしかしたら、主力は裏に回っているかもしれない」
「……マイの言う通りかもな。
それなら、一気に魔王の所に行こう!」
「「「「「「はい!」」」」」」
「「……」」
魔王城は、元は人族の城だったらしいから、俺は、そこから推測して「馬鹿と煙は……」から、玉座が有る謁見の間を目指した。
……俺達は、謁見の間と思える扉の前に到着して、一気に開けた。
「……!?」
「待っていたぞ」
謁見の間では、恵梨香達がボロボロになって倒れていた。
そして、そこには……
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