表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

81/110

転生者として、頑張っても良いんだぞ。

何処にでもいる「バカ」

 


 不意打ちからの攻勢であっさりと勝負が決まり、襲われていた2人から離れ、事情聴取を始めた。

 どうやら、頭、つまり魔王の交代劇が起こったみたいで、襲われていた彼女は先代魔王の娘みたいだ。

 しかも、魔王の娘なのに、性格が人族の平民寄りみたいで、とりあえず無害判定をした。

 一緒に居た男性は、彼女の専属護衛兼世話係みたいだ。

 それで、人族目線の犯罪は犯していないみたいで、これも無害判定にした。


「……それでどうするの?」

「全て終わってからにしよう」

「理由は?」

「今、教えたら離れた後だと手が出せないが、全て終わった後なら、最後まで居てやれる」

「「……そうね」」


 ……と、いう訳で。


「君達2人は避難して欲しい」

「エリザお嬢様、そうしましょう」

「……」

「エリザお嬢様?」

「……いいえ。私も行きます」

「エリザお嬢様!」

「私は魔王の娘です。力及ばないとしても確かめる責任があります」

「しかし……」

「……分かっています。既にお父様は居ないのでしょう。ですが……」

「分かった。同行を許可しよう」

「ルカ殿!?」

「当然、此方の指示に従って貰う」

「分かっています」


 俺は後ろを振り向くと、何か言う前に舞達は頷いていた。


 エリザとマリウスの準備をしている間に、リンには冒険者ギルドに説明をしに行って貰い、リンが戻ってくる頃には、エリザ達の準備が終わっていた。


「……出発だ!」


 ガラガラガラガラ……と馬車で移動中なのだが、人だけで9人の大所帯になっている。

 ガル義兄にいが、この馬車を用意してくれて助かったな。

 本っ当~に助かっているよ、空間拡張とかを使った限定ど〇でもドアにはな。

 一応は、この馬車は6人用だけど、流石に9人わ…なぁ。

 そんな訳で、御者席には2人に屋根にも2人に、シリウスに1人をローテーションで回している。

 まあ、シリウスの席は大抵がロゼが楽しそうに座っているけどな。


「楽しいのじゃーーー!」

【そうだろう】


 因みに、馬車を引く馬の「黒曜馬」は、全く楽勝らしい。

 何でも、この黒曜馬の親、つまり、ガル義兄にいの時の黒曜馬は、3つの馬車を連環して30人乗り、一昼夜休み無しで進み続けたらしいからな。


 それで、基本的にはエリザとマリウスは、馬車の中の「家」に居て貰っている。

 一応、監視兼癒しとしてコウガが出張しているから大丈夫だろう……多分。

 それと、正当な理由が無い限りは、エリザ達は「家」から此方に来ない様に言ってあるし、此方からも定期的に顔を出している。


 さて、たまに出現するモンスターを瞬殺しながら進んでいると、今日の目的地の町「クマリダル」が見えた。


 泊まる宿屋も決まり、馬車を預けて俺達は冒険者ギルドに向かった。


 冒険者ギルドに到着した俺達は、中へは俺、舞、リナ、リン、ロゼで入ったが、ロゼは経験値稼ぎの為だな。


「先程、この町に着いたが、何か注意事項は有るか?」

「そうですね……」


 対応した受付嬢が舞とリナを見て言った。


「この町の領主クマリダル子爵様の次男エリンケス様は、女性に対して理解が高い方ですね」

「分かった」


 これだから特権階級は……


「気持ちは分かるわよ、ルカ」

「ありがとう、リナ」

「どうしたのじゃ?」

「ロゼにはちょっと分かり難いか」


 俺達は、ロゼに説明する序でにリン達にも伝える事にした。


「つまりな。受付嬢には『注意事項』について聞いたのに、領主の次男を褒めていただろ?」

「……うむ」

「つまり、その褒め言葉は逆の意味になる」

「そうよ。今回の場合だと、その次男は女性の言葉など全く聞かずに、権力を使って無理矢理に従わせる屑だという事よ」

「……な、なる程なのじゃ」 

「まあ、大丈夫だ。俺は辺境伯の義理とはいえ息子だし……」

「私は、筆頭侯爵家の御令嬢よ」

「だから、安心してくれ」

「分かったのじゃ」

「リン達も分かったか?」

「勿論です、ルカ様」

「分かりました」

「分かったであります!」


 ……アスナ、完全に実家で引きニート状態と化しているな。

 転生者として、頑張っても良いんだぞ。


 俺は心の中で、アスナを残念な子扱いしながら、皆で注意事項を確認した所で、ロゼが何かを見つけた。


「所で、我が主よ」

「どうした、ロゼ」

「あの、偉そうに歩いている5人組は何じゃ?」

「あれは……」


 統一された服と武装に、真ん中からズレた所を歩く執事らしき男と、中央で歩く品性の欠片も無い顔と服装……


「……リナさん?」

「この町1番のゴミ……でしょうね」

「俺の所為せいか?」

「違うと思うよ……多分」

「マイ~~~」

「来たわよ」


 リナの声を聞いて、リン達を下がらせる。


「喜べ。ボクの女にしてやる」

「誰が誰を、だ?」

「決まっているだろう。貴様の左右の女と後ろに居る女達を、ボクの女にだ」

「断わる」

「良く聞こえなかったぞ。もう一度言え」

「断わると言ったんだ」

「……そうか。ボクの命令に従えないと」

「当たり前だ」

「……やれ」


 屑坊くずぼんが、そう言うと後ろのチンピラ3人が前に来た。


「今直ぐに逃げ出せば、命だけは助かるかもしれんぞ?」

「まあ、逃さないけどな」

「そう言う事だ、死ね」

「……お前らが、な」

「な……げばぁ……」

「がはぁ……」

「くばっ……」


 3人のチンピラには、鳩尾みぞおちへの腹パンで沈めた。


「……はい、終わり」

「は!?」

「まだ終わって無いからな」

「覚悟は出来ているのかしら?」

「ルカ、やっちゃえ」

「そうだな」

「あわわわ……」

「お待ちください!」

じぃ!」



 ???side


「実験体のオーガが脱走しました!」

「被害は?」

「この基地の秘匿が困難な程です」

「……分かった。いつもの処理をしておけ」

「は!」

「儂は、予定地に向かう」

「了解しました!」


 ……全く無能共が!


 まあ良い。

 あの方さえ復活なされば、儂の欲望のままに世界を蹂躙する事が出来る。


 ……全ては、あやつの言う通りだ。




厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点とブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ