見付け……ヤバい!
多少、視点変更があります。
……さて、外見と味が正反対の蛙のもも肉を使った唐揚げに皆が舌鼓をして、草原で爽やかな風に撫でられながら食後休憩をしている。
「コウガ、Go!」
「キャン!」
「何をしておるのじゃ?」
「いやな……」
ロゼからの質問に答えた。
俺は、気配察知や魔力感知に、魔力制御とかの鍛錬をしていた。
内容は、この草原に棲むホーンラビットとかの眉間への狙撃だ。
「……器用な事なのじゃ」
熟練度を上げていけば、放った後に、ストレートからカーブやシュートに変更する事が出来るし、最終的には「追尾」も可能だ。
「キャン!」
「ありがとうな、コウガ」
「キャン!」
因みにコウガは俺達の言葉を理解出来ているが、念話が出来る様になるまでは後2、3年先らしい。
【次は私だ!】
「はいよ……雷撃弾。 良し! シリウス、Go!」
因みに、この食後休憩は以前までは俺主観で取っていたが、今ではリナ達が率先して取る様になった。
理由は、俺が食後直ぐに動くと、食べたモノが脂肪になり易いと言ったからだ。
更に、舞や聖良が肯定してからは必ず取る様になった。
……実際の医学としては違うかもしれないが、俺自身は食後は動きたくないから、このままで良いと思っている。
さて、草原のそよ風のお陰でメンタル的にもゆっくり出来た所で移動を再開した。
……目的地の城塞都市アルゴリアに到着した俺達は以前使っていた宿屋に空きが有り、そこに泊まる事にした。
目的地を此処にしたのは、ロゼの鍛錬の他にロゼの装備の強化に、恵梨香達とそろそろ魔王討伐を具体的に話し合う為だ。
……という訳で、翌日からダンジョンでのロゼ強化期間が始まったのだ。
それと、恵梨香達が泊まっている宿屋が分からないから、冒険者ギルドに伝言を依頼した。
……1ヶ月後、ロゼの戦闘は、破壊力は裏モ〇で、技術は龍狼〇の志〇みたいになった。
勿論、装備品はグリムア作だ。
まあ、技術に関しては俺が色々と教えた結果だな。
冒険者ギルドから借りた会議室で、全員で魔王討伐についての話し合いが始まった。
因みに、議長は俺だ。
「それでは会議を始める。
先ずは魔王が居る位置だが、これはガル義兄達が動いてくれたお陰で間違いないと思っている。場所は、この城塞都市から見て北東に存在する離島だ」
「……ゴクり」
「それで、魔王側も四天王が半分になった事で、慎重になったのか、残った四天王が暴れているという情報が無い事から、残った四天王も魔王の下に居ると推測出来る」
「確かにそうね」
「私も聖良の意見に賛成よ」
「オレもだ」
「ボクもだ」
恵梨香達の賛同を得て、俺は次の話をする事にした。
「……では、どう進行するか……だが」
「どうするの、ルカ」
「今回も今まで通りに、二手に分かれようかと思っている」
「確かに、今更一緒になってもメリットは少なさそうね」
「確かにそうね、リナ」
「「「「「「賛成」」」」」」
これも賛成で次に入る。
「俺達は、正面から進行するから、恵梨香達はちょっと迂回して裏から回って欲しい」
「……良いの?」
「ああ。問題無い」
「……分かったわ」
「聖良、良いの?」
「ええ」
「分かったよ。その代わりに、私達が先に到着して魔王を討伐しても怨みっこ無しよ」
「勿論だ」
この後は、細かい打ち合わせをしてお開きとなった。
翌日、ダンジョンに行き、カイトから出せるだけ出して貰ったポーション系全種類を皆で分け合い、迂回する関係で、先に恵梨香達が先に出発した。
更に翌日に俺達は出発した……のだが「待った」が掛かった。
「……待ってください~」
冒険者ギルドの受付嬢が走って俺達に向かっている。
「どうした?」
「この都市の北東にある森で、魔王の配下らしき者が暴れているという情報が入りました。それで……」
「分かった。確認してくる」
「ありがとうございます」
「皆……」
「ルカ、早く行くよ」
「ルカ、早く乗りなさい」
「……行ってくる」
「御武運を」
エリザside
「お前が先代魔王の娘だな?」
「……え? どういう事? ……先代!?」
……先代って、どういう事?
「エリザお嬢様!」
「マリウス!」
「新たなる魔王様の御命令だ、死ね」
……新たなる魔王!?
「待って! どういう事? 先代とはどういう意味なの? お父様は無事なの?」
「教える必要は無い。新たなる魔王様の御命令が全てだ。……やれ!」
「エリザお嬢様、今は逃げるべきです!」
「でも……」
「私は、エリザお嬢様を御守りするのが役目です。……御免」
「ぐ……マリウ…ス」
……お父様……
「逃がすな! 追え!」
マリウスside
何が有ったかは分からない。
しかし、今、迫ってくる脅威を無視する訳にはいかない。
あの程度なら、私1人でも殲滅は出来るが、エリザお嬢様をお守りしながらなら話は別だ。
先ずはエリザお嬢様の安全を確保する事が先決だ。
しかし……
「追い詰めたぞ!」
「此処までだな」
「……く」
「新たなる魔王様の礎になる事を光栄に思いながら死ね!」
……く、最早此れ迄か! 申し訳ありませんエリザお嬢様!
ルカside
「……魔力感知するまでも無い……急ぐぞ!」
あんな垂れ流しの魔力、探す必要は無い!
見付け……ヤバい!
「新たなる魔王様の礎になる事を光栄に思いながら死ね!」
「雷撃弾20連!」
「「「「「……がはっ!」」」」」
「上2つ以外は討伐だ! マイ、リナは2番を」
「分かったよ」
「分かったわ」
「残りをリン達が」
「はい、ルカ様」
「分かりました」
「分かったであります!」
「分かったのじゃ」
「シリウスとコウガは、周辺の警戒を」
【分かった】
「キャン!」
俺は、舞達に指示を出すと、俺は俺の標的に意識を向ける。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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