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……知りたくありませんでした

……買っちゃいました。

 


 状況を察したシンギニル侯爵は言った。


「……幾らだ?」

「払っても、奴隷法の強盗罪は成立したままだが良いのか?」

「……そうであったな。しかし、罰金を払えばその分は減刑出来る筈だ」

「確かに、減刑はされますが、婚約破棄は免れませんよ、シンギニル侯爵様」

「誰だ?」

「私をお忘れですか?」

「貴さ……いや、君は……」

「お久しぶりです。ルナデューク侯爵の娘リーナシアですわ」

「何故、この様な場に?」

「父の許可を得て、婚約者と共に居るだけですわよ」

「……婚約者?」

「はい。私の婚約者フロンディーラ辺境伯の義息ルーカス様の……です」

「その男が……」

「ええ。それに義母であるセレステア様とも、とても仲が良いのですよ」

「……分かった。婚約破棄を受け入れよう」

「パパ!?」

「愚か者が!」


 シンギニル侯爵は、一言を嫡男ハゥングに言うと、訓練場から立ち去った。


 奴隷法の強盗罪が成立して、冒険者ギルドお抱えの回復術士が右腕と両足を癒し、手続きがされ、俺に白金貨870枚が支払われる事になった。

 更に、向こうには悲惨だが、この奴隷法の強盗罪は、犯罪が成立した時の奴隷が身に付けていた装備品の費用も加算される。

 冒険者ギルドが出した答えが「白金貨120枚」となり、170枚+120枚の合計に「×3」となる。

 シンギニル侯爵から減刑を求む罰金を支払い、これでハゥングは3年の刑期で釈放される。


 リナはリナで、金貨5枚払って、王女エスカリーナに、今回の概要を書いた手紙を速達で送った。


 そして5日が経ちオークションが開催され、俺達も参加した。

 しかも、前日に白金貨510枚支払われたからラッキー!

 勿論、この金は、あの決闘をしたバカ関係のお金だ。


 さて、オークションの出品は……


「さて、午前最後の出品は、幻とまで言われた宝玉『竜魔晶石』です!」

「「「「「「「「「「「「「「おお!!!」」」」」」」」」」」」」」

「この竜魔晶石は、成竜した属性竜エレメンタルドラゴン以上の巣からしか発見されませんでした。これ程の大きさなら、どんな装備品にも組込む事が出来、その効果は底辺魔術士が王宮魔術士に匹敵する程でしょう!

 そんな夢の様な幻の品を金貨100枚から!」

「金貨110枚」

「金貨130枚」

「金貨180枚」 

「金貨……」


 効果だけを考えたら価値は有るだろうが……


「ルカ様、参加されないのですか?

 確かに、あの大きさは落札する価値は有るかと思いますが?」

「確かに価値は高いがなぁ」

「そうだね」

「そうよね」

「マイに、リナ?」

「マイとリナは、竜魔晶石の正体を知っているからなぁ」

「……正体ですか?」

「ああ。後で教えるよ」

「分かりました」

「……あ!」

「どうした、アスナ」

「もしかして……でありますか?」

「……正解」

「確かに、買う気は失せるでありますな」

「そうだろ」

「アスナ?」

「ごめん、リン。今は聞かない方が良いであります」

「……そうですか」

「竜魔晶石の正体って……」


 ユイも気になるみたいだが、知らない方が幸せってあるからなぁ。


「……では、竜魔晶石を8番が、金貨710枚で落札されました!」

「「「「「「「「「「「おおーーー!!!」」」」」」」」」」」

「これにて、午前の出品は終了しました。

 午後の出品は、2時間後に始まります。

 午後からも参加される事を心よりお待ちしております」


 ……まあ、確かに「掘り出し物」が出品されているな。


「それで、ルカ様。竜魔晶石の正体とは?」

「とりあえず、飯を食い終わってからだ」

「……分かりました」

「……はい」


 まだ正体を知らないリンとユイは、残念そうな顔をして返事をしたが、流石に飯を食う前に話したく無い。


「「食べ終わりました」」

「……じゃあ、話すな。竜魔晶石とは……」


 俺は白状した。

 竜魔晶石とは、属性竜エレメンタルドラゴン以上の竜族がモンスターを食べ、モンスターが持つ「魔石」が身体の中を通る過程で1つになり属性を付与されて体外に排出される「物」が「竜魔晶石」となる。

 つまり、竜魔晶石とは竜族の「ウ〇コ」だ。


「……知りたくありませんでした」

「……私もです」

「だから、幻なんだよ」

「「……そうですね」」


 心理的にダウンしたリン、ユイは、アスナが介護しながらオークション会場を後にして宿屋に戻った。


 因みに、この情報は、リン達と同じ道を歩いたガル義兄にいから教わった。

 リナは、ゼルさんからで、舞は、俺の反応等で察したらしい。


 ……俺と舞は、幼馴染みの相思相愛だもんな。


 さて、オークションの午後からの出品が始まったが、男性の犯罪奴隷、借金奴隷、特殊奴隷が出品され、次は女性の犯罪奴隷が出品されている。


 ……野郎の奴隷?


 ダ・ヴィ〇チか、ア〇ンシュタイン級の天才じゃないと買う気は起きないな。


 女性の犯罪奴隷の出品は終わり、次は借金奴隷の出品が始まったが、俺の買いが始まった。


「……では、11番が、金貨70枚で落札されました!」

「「「「「「「「「「「おおーーー!!!」」」」」」」」」」」


「……では、11番が、金貨67枚で落札されました!」

「「「「「「「「「「「おおーーー!!!」」」」」」」」」」」


「……では、11番が、金貨80枚で落札されました!」

「「「「「「「「「「「おおーーー!!!」」」」」」」」」」」


「……では、11番が、金貨75枚で落札されました!」

「「「「「「「「「「「おおーーー!!!」」」」」」」」」」」


「……では、11番が、金貨110枚で落札されました!」

「「「「「「「「「「「おおーーー!!!」」」」」」」」」」」



厳しくも温かいメッセージを待っています!

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女性は片っ端から買うんかい。
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