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笑ってないで助けろよ!

聖良達の冒険譚は普通なので、思案中です。

 


 ラーナの家は、スラム街手前の老朽化が進んだ民家だった。


「此処が私の家よ」


 到着するまでに覚悟が決めたラーナは、堂々と家に招き入れた。


「あら、早いわね。全て売れたの?」

「お帰りー、お姉ちゃん」

「ただいま、ラーミ。……それと、ちょっと違うの、お母さん」

「それは、どういう……」

「誰ー?」

「初めまして。冒険者のルカだ。後ろの彼女達は仲間だ」

「はあ」

「初めまして。私、ラーミよ」

「初めまして、ラーミ」

「それでね、お母さん。実はね……」


 最初はラーナの説明の後、俺の説明も聞いても信じられない顔をしていたが、ラーナ1人だけじゃなく、家族と一緒でも良いという事から信じてみる気になったみたいだ。


「「「よろしくお願いします!」」」


 そんな訳で、ラーナ達に引っ越しの準備をして貰い、2日後に引っ越しをした。

 ラーナとラーミのお願いで、関係者や友達を呼んで、前日には「お別れ会」みたいなのを開いた。


 こういう事もあろうかと準備していた「お客様用馬車」を出して王都に向けて旅立った。

 因みに、ラーナ達を乗せた馬車の牽引はシリウスにお願いした……が、断れたから牽引用の馬を買った。


氷神狼わたしの矜持に賭けてやらん!】


 ……だ、そうだ。


 ただ、あの禁断の合い挽き肉を出せば尻尾を振ってやりそうだが、本当に引き受けたらシリウスにとって大切な何かが壊れて可哀想だから止めた。



 ……数日後、俺達は王都に帰ると、凱旋話で王都が盛り上がっていた。


 聖良達が、四天王の1人「狂翼王のヘザッバ」の討伐を果たしたのだ!


「やったな!」

「ええ、ルカ」

「頑張ったね」

「ありがとう、舞」

「称賛に値するわ」

「ありがとう、リナ」


 ラーナ達には悪いが、聖良へのお祝いの言葉を伝える事を優先させた。

 勿論、恵梨香達にも称賛の言葉を贈った後、ラーナ達の案内等を始めた。


「とりあえず、この屋敷で暮らしてくれ」

「「「……!?」」」


 ラーナに肩を掴まれ、前後に残像が残る程にシェイクされながら「きっちり説明しなさいよ!」と言われたが、残像が残る程のシェイクで話せない状態だ。


 ……舞が止めてくれたお陰で話す事が出来た。


「違う意味で、騙された気分だわ……」


 屋敷に到着した時に、ちょっと行き違いがあったが収まり、店舗が見つかるまで屋敷で暮らして貰う事にした。

 当然、ラーナにはセレス姉さんの伝手で良い銀細工技師にお願いして弟子入りをして貰っている。

 ラーミと2人の母親である「ラーザ」さんには、ラーミには我が屋敷のメイド見習いに、ラーザさんには喫茶店の厨房に入って貰った。


 そして、責任者である俺が居るという事で、喫茶店を貸切にして宴会が開催されたが、勿論、主役は聖良達だ。


 大分吹っ切れた聖良は、酒を飲んでいたら酒乱だな……と思える程に楽しんでいて、逆に恵梨香は噛み締める様に静かに楽しんでいた。


 因みに、岸野達2人は、ちょっと前までは貴族令嬢だった奴隷達の接待を受けて挙動不審な受け答えをしていた。

 特にギルは、元王妃と元王女からの接待を受けて、借りた仔猫状態だ。


 ……更に言うと、この接待は聖良と恵梨香からの公認を得ている。(笑)


 理由は、四天王の1人を討伐した帰りで、岸野達2人は「結婚するまでは清いままで……」な事を言ったらしい。

 聖良達は、「ソレ」を「逃げ」と感じたみたいでちょっとした「お仕置き」らしい。


 ……キスぐらいはしてやれよ。


 勿論、結婚式に「バージンロード」を歩かせたい気持ちは分かるけどな。


 聖良達が王都に帰って5日後の今日は、聖良達への褒賞式が王城の謁見の間で行われた。


「……その功績を称え勲一等飛竜章と金一封を与えるものとする」

「ありがたき幸せ」


 因みに、リーダー役はギルがしているが、政治的な配慮からだ。

 聖良達も余計な敵を作りたくない訳なのだが、理由が分かっていても、息子の晴れ舞台に涙するギルの父親が居た。


 そして……


「疲れたよー」

「お疲れ、恵梨香」

「やっぱり慣れないわね」

「そうだな、聖良」

「その割に堂々としていたわよ」

「私の猫が高級だからよ、舞」

「私の猫も高いんだから」

「恵梨香、アレで猫を被っていたの?」

「聖、ギルティ!」

「うわ! 止めろよ、恵梨香」

「「「「「あはははは」」」」」

「笑ってないで助けろよ!」

「馬に蹴られるのはゴメンたからな」

「同感ね」

「同じく」

「巻き込まれるのはゴメンだ」


 堅苦しい謁見の間での褒賞式が終わり俺達は遊んでいた。

 因みに、リン達は空気を読んで壁際で静かにしている。


 ある程度の時間が過ぎると実務的な話をする為に、俺達は会議室に移動し、狂翼王ヘザッバを討伐した場所や、俺達が討伐した吸血鬼王トイフェルが居た場所から魔王が居る場所を考察した。


 ……まあ、噂と地名を合わせての推測の域から大雑把に「この辺りじゃないか?」が決まった程度だけどな。


 後、戦力強化の為に、聖良達に例のダンジョンの事を教えた。


「良い情報をありがとう、ルカ」

「流石は、ルカね」

「ありがとうな、ルカ」

「感謝する、ルカ殿」



厳しくも温かいメッセージを待っています!

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