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何故、このタイミングで?

ゲーム的な出会い……でしょうか。

 


 最初にリナが前に出た。


「ライザー達は、何処でガラウス卿と知り合ったの?」

「正に英雄譚だったよ」

「そうね」

「そうなのだー」


 ライザーの話だと、ある日にガラウス卿がふらりと村に来て、酒瓶を片手にのんびりしていると、村にオーガの群れに襲われた。

 しかも、オーガだけじゃなく、ハイオーガや亜種のグレイオーガまで居た。

 村全体で絶望する中、右手に酒瓶を持ったままのガラウス卿が現れ、手に持つ杖を掲げると、杖の先の宝珠が光り、その瞬間に宝珠から幾つもの光の玉が生まれ、その光の玉が襲い掛かるオーガの群れの全ての胸を撃ち抜き全滅させた。

 村の絶望を一瞬で払拭したガラウス卿を村全体で歓迎して、その時にガラウス卿が「誰か」が分かり、より一層盛り上がった。

 その後は、英雄譚に憧れる村の子供が集まり弟子入りを願った。

 結局最後まで残ったのが、村で唯一冒険者の子供であるライザーと、村長の娘のレシスとリシスだった。

 ライザーとレシスとリシスは幼馴染で、後で分かった事だが、村長は最初からレシスかリシスのどちらかは、ライザーと一緒になると考えていたが、まさか2人共が……と村長は驚いていたらしい。


 ……本当に、古き王道のファンタジーRPG的な「プロローグ」だよな。


 んで、そのままガラウス卿を師匠兼保護者となり冒険の旅へと出発した訳だ。


「……なる程な」

「ルカの方は?」

「俺達は……」


 差し障りない内容で誤魔化した。

 まさか、異世界転生や、勇者召喚とかを話す訳にはいかないからな。


「そっちも……だね」

「ああ。自分達だけが……はそうそう無いさ」

「そうだね」


 済まん。

 俺達が、その「そうそう無い」なんだよな。


 《あははは!》

(何故、このタイミングで?)

 《ダンジョン攻略をお勧めします》

(つまり、俺か、俺達にメリットが有る訳だな?)

 《ええ。ルカ達に……ですね》

(ありがとう)

 《頑張ってくださいね》


 ……まあ、折角のダンジョンだから、行ってみるか!


 夕食の準備が出来たとメイドが教えに来たから一緒に行き、美味しい夕食に舌鼓したつづみして、充分に広い風呂場を堪能して就寝した。


 翌日、リナの正体をアルゴリア侯爵にバレた結果、俺達はこの城塞都市での宿泊先は領主館になった。


 ……バレた理由は、これまたテンプレで、アルゴリア侯爵の四男(12歳)がリナに一目惚れで……後は分かるな。

 因みに、このイベントの所為せいで、ガラウス卿と話す時間が無かった。


 俺達は、ダンジョン攻略に向けての情報収集の為に、冒険者ギルドに向かった。


「初めて、この城塞都市に来たが、何か注意事項は有るか?」

「特にありませんが、ダンジョンに挑む場合は、必ずダンジョン出入り口のギルド職員の説明を受けてください」

「分かった」

「ルカ」

「あ、ああ。後、冒険者同士の喧嘩は何処から、ギルドが介入する?」

「はい。死者が出るか、ギルド内施設の損害が大きい場合は介入する事になります」

「分かっ……」

「おい! 良い女を連れているな。女を置いて消え……ぶげぇあ……」


 最後まで言わせず、振り向いて右ストレートをお見舞いする。

 そして、何時もの剥ぎ取りからの売却で、銀貨8枚を徴収して冒険者ギルドを後にした。


 因みに、ライザー達は一足早くダンジョン攻略に行っている。

 情報収集ならライザー達からもやったが、冒険者ギルドからの情報収集を欠かす訳にはいかないからな。


 そんな訳で、城塞都市の北西側に存在するダンジョン出入り口に到着したが、屋台の呼び声と、勧誘の呼び声が五月蝿うるさかった。


「凄い活気だね」

「そうだな、マイ」

「アレ、美味しそうであります」

「ドレ?」

「あの屋台であります」

「分かった」


 舞達を置いて、明日奈が指した屋台に行き、人数分の肉串を買う。


 戻ると、シリウスが野郎共を追い払っていた。


 【仕事をしたぞ】

「よくやった!」

 【うむ】


 褒められて嬉しいのか、シリウスの尻尾が扇風機代わりをしていた。


 (止めろ! 埃が舞うだろうが!)

 【済まん】


 明日奈が選んだ肉串を食べてみる。


「美味しいであります!」

「美味しいな」


 舞達も同意見みたいだ。


 さて、冒険者ギルドの受付嬢に言われた通りにダンジョン出入り口に居るギルド職員に説明を聞く。

 内容は、ダンジョンに入る場合は、必ず出入り口に居るギルド職員が用意している台帳にチーム名か1人なら本人の名前を記入する事と、攻略日数予定も記入する事だ。

 そして、その攻略日数予定と同じ日数が過ぎてもダンジョンから帰らなかった場合、自動的に死亡扱いになるみたいだ。

 つまり、台帳に3日と書いたら、6日経っても帰った時の記入が無い場合、7日目にギルドとしては死亡扱いとなるらしい。

 だから、ベテランだと台帳には1ヶ月とか、かなり長い期間の攻略日数予定を書くみたいで、短くなる分には問題が無いらしい。

 後、ダンジョン内で手に入れたアイテム等で売却する場合は、この城塞都市で売却する様にお願いされたが、そうしないと、ダンジョンを囲む理由が無いよな。


 ……それと、現在の最新到着階層は43階層らしい。


 そういう訳で、俺も台帳には1ヶ月と記入してダンジョン攻略を始めた。


 さて、ダンジョン攻略を始めたばかりだが、ダンジョンに付いて軽く復習するとしよう。

 ダンジョンにもモンスターが存在するが違う所がある。

 1つ目は、討伐すると肉体は消え、魔石だけとなる。

 2つ目は、ゲームみたいにアイテム等が出る場合がある。

 しかも、アイテム等が運次第で違うアイテムが出る場合が有るという事だ。


 だから、ラノベみたくダンジョン・マスターが存在するかもな。



厳しくも温かいメッセージを待っています!

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