全く、異世界モンスターは最高だぜ!
ネタにされたりと、偏見と誤解を生み易いけど、あの作品は日常パートとバスケパートでバランスが取れた良い作品だと思っています。
歩道橋の彼女の独白と、最後の「諦めるなー!」は忘れられません。
都市グリジアラを出発してから3日が経過したが、今、俺達は1つの欲望に取り憑かれている。
実は、気紛れで昼食のメインを現地調達する事になり、街道の野営地から森に入ったのだが、とあるモンスターの群れを発見した。
「「「「「「ファントムガゼルだー!!!」」」」」」
【一匹も逃さん!】
「キャン!」
「広範囲麻痺」
「Pi……」
このファントムガゼルは、名前の通りファントム、つまり幻影だ。
要するに、視覚妨害系の魔法を使うから戦闘力は低くても討伐難易度は高くBランク指定を受けている。
しかし、このファントムガゼルの討伐依頼が塩漬けになる事は無い。
何故なら肉が、とても美味い!
だから、売って良し、食って良しの優良物件なのだ。
そんな訳で、侯爵令嬢という特権階級のリナさえも目の色を変えて、ファントムガゼルを狩っている。
……1時間後、俺達はファントムガゼルの串焼きとスープをジ◯リ並みの勢いで食べている。
あの侯爵令嬢としての厳しい教育を受けていたリナでさえもだ!
「全く、異世界モンスターは最高だぜ!」
ジャイアントボアに続きファントムガゼルをゲットして、腹もホクホクの俺達は移動を開始した。
その日、一夜を過ごす野営地で、俺達は禁忌の食材を知ってしまった!
「ねえ、ルカ」
「何、マイ」
「ジャイアントボアとファントムガゼルの合挽き肉を使ったハンバーグってどんな味かなぁ?」
……90分後、そこには腹を限界まで膨らませた俺達が寝転んでいた。
「……この合挽き肉は封印しよう」
「「「「「……賛成」」」」」
【致し方ないな】
「キャン……」
夜の警戒は、シリウスと結界に頼り俺達は就寝した。
翌日の朝食は軽くにして出発して、次の目的地である「城塞都市アルゴリア」に向かい、後、馬車で3時間の所で冒険者パーティーと接触した。
どうやらモンスターと戦闘中なのだが、勝てるだろうが、まだ時間が掛かりそうだ。
城塞都市アルゴリアの正門が閉まるまで残り約5時間ぐらいだぞ。
「手を貸そうか?」
「頼む」
「分かった」
パーサークレッドベアー8匹の討伐が終わると、俺達も向こうも自分達が討伐したモンスターを、俺は「倉庫」に、向こうもアイテムボックス系を持っているみたいで、次々に消えていった。
「持っていたんだな」
「そっちもな」
「俺達は星屑の眼で、俺はルカ。後ろの彼女達はパーティーメンバーだ」
舞達も自己紹介をした。
「ボク達3人は天賢の勇士のライザーだ」
「同じく、姉のレシスですわ」
「同じく、妹のリシスなのだ」
「ボクと彼女達は同じ村の幼馴染なんだ」
何か、ファンタジー系RPGの初期メンバーみたい3人だな。
さて、お互いの自己紹介が終わった所で質問だ。
「時間を無視すれば、誰1人欠ける事なく、討伐出来ただろうが、今日中には城塞都市アルゴリアに入れなかったぞ」
「そうなんだよなぁ」
軽く城塞都市アルゴリアに付いて説明すると、昔は砦で国境線だった訳だ。
今では変わってしまったが、無駄に破壊する必要が無いと残していたら、砦の中庭にダンジョンが発生して、このダンジョンを中心に栄え、増改築を重ね、今では城塞都市と呼ばれる様になった。
「そろそろ出発しよう、ライザー」
「は、はい! 師匠!」
「師匠?」
「まだ紹介はまだだったな。
師匠の名は『ガラウス』だ」
「ガラウスですって!?」
リナが知っていた。
「あの大賢者と呼ばれ、伝説にすらなっているガラウス卿ですか?」
「昔の話だ。とりあえず、移動をしよう」
タイムリミットまで、後40分で城塞都市アルゴリアに入る事が出来た。
それで、宿屋を探そうとしたら……
「多分、今日の宿屋は必要は無いだろうな」
「……ああ! 俺達も良いのか?」
察した俺は聞いた。
「アルゴリア侯爵様は器の大きい方よ」
「そうなのだー」
この言葉がフラグなのか、アルゴリア侯爵からのお迎えが来た。
多分、近くに控えていたのだろうな。
こうして、俺達は自前の馬車で領主館に向かった。
到着までに、ガラウス卿に付いての教授をリナから受けた。
その内容は、正に英雄譚や伝説と呼ばれるのに相応しいものだった。
でも、そこまでの英雄ならガル義兄達から聞いていても可笑しくない筈だが……
「お帰り、ガラウス卿」
「遅くなった、アルゴリア侯爵」
「お前達も、無事に五体満足で生きて帰って来れたのだな」
「はい。実は……」
「つまり、この冒険者達のお陰だと?」
「はい。紹介します」
「良いよ。アルゴリア侯爵、初めまして。
星屑の眼のリーダーでルカだ」
「リナです」
「マイです」
「リンです」
「ユイです」
「アスナであります」
「この城塞都市を治める『グランザム=シード=アルゴリア』侯爵だ」
この後、豪華な客室に通され、メイドから紅茶とお菓子を頂きながら寛いでいると、ライザー達が訪れた。
「夕食まで、まだ時間があるから話したいと思って来たんだ」
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