はい! 雷煌剣……やあ!
菜食主義のエルフと雑食のエルフの、どちらが良いですか?
少し悩んだが、見捨てる気は無かったから保護する事にした。
「……と、いう訳だ」
「どうして! こうも!! ルカが助ける女性は大人ばかりなのよ!!!」
「全くだね。正座説教だね!」
……何故!?
とりあえず馬車で移動する事にして、馬車の中で色々と聞いてみた。
その結果、今日の目的地である町「ケーミル」でエルフ達が買った物を買い直し、そのままエルフの村に向かう事になった。
そして、「立て替えな」とエルフ達には言ったが踏み倒す予定で、その代わりに、エルフの村の通行手形を要求するつもりだ。
「じゃあ、行ってくる」
「リン。しっかりとルカを見張っててね」
「頼んだわよ」
「任せてください!」
「あれ?」
……俺がリーダーだよな?
舞達は町の外で留守番をして貰い、俺とリンで町に入り、目的の店に到着して買い物リストに書かれた調味料を購入する。
エルフ達の購入リストと同じな為に何か勘付いたみたいで質問されたが何とか躱して、次の店、次の店と買い物を済ませる。
「……ルカ様」
「分かっている。次の路地裏まで誘うぞ」
「分かりました」
町に入って直ぐに尾行に気付いていたが、気の所為の可能性が有るから泳がしていたが、此処までは来たのなら、尾行者は「クロ」だ。
「何の様だ?」
汚い格好のオッサン6人に囲まれた。
「気付いていたのか!」
「質問に答えろ」
「服と靴と、その獣人族の雌を置いて消えな。そうすれば、命だけは見逃してやる」
「……はぁ。雷撃弾24連」
「「「「「「がっ……」」」」」」
楽しい話し合いだ!
「どうして、俺達を狙ったのかな?」
「……ぎぃあ!」
拘束した状態からチンピラの1人に座り右腕に短剣を刺す。
「痛いのは嫌だろう。素直に答えような。
俺達を狙ったのは何故だ?」
「み、身なりの良いガキだからだ!」
「ふ~ん。お前達に命令した者は?」
「……ぎぃい……」
刺したままの短剣をグリグリする。
「次は右眼を直接、指でほじくり出してやろうか?」
「ひぃ!?」
「教えてくれるよな?」
「……分かった」
判明した黒幕は、この町の領主で男爵の三男だった。
「……無視だな」
「畏まりました」
別に、俺は根っからの善人でも、古典王道の勇者でも無いしな。
必要な物は全て購入して舞達の所に戻りエルフ達の村を目指した。
2日後にエルフの村に通じる森の入口に到着した俺達は、馬車を「倉庫」に仕舞い、馬の手綱を引いてエルフ達の後を付いていった。
「動くな!」
異世界ラノベのテンプレの1つである「エルフの村等の出入り口で警備のエルフ達に、殺傷前提の弓矢で威嚇される」を味わった後、助けたエルフ達の頑張りで、村の中に入る事が許された。
「我が同胞を助けて頂き感謝する」
村に入ると、周りのエルフ達は警戒しながら俺達を見ていたが、それだけで何か陰口を言われたりはしなかった。
そして、村長の家まで案内され中に入ると、村長から開口1番に感謝の言葉を言われた。
「偶然だがな」
「しかも、人族から買った物資の補填までしてくれた」
「勿論、見返りを期待してだ」
「その見返りとは?」
「物資の代金は要らないから、此処のエルフ達が暮らす村への通行手形の様な物が欲しい」
「……なるほどな。しかしだな……」
「村長、大変だ!」
「どうした?」
「オークが12匹にハイオークが5匹に、オークジェネラル1匹が向かって来ている!」
「それぐらいなら……」
「それだけじゃない! エルフイーターが、その後ろから来ているんだ!」
「エルフイーターだと!?」
「エルフイーターって、何だ?」
「エルフを主食にするスパイダーだ!」
「……エグいな」
「ああ。外皮が硬い為に矢が通じないし、精霊魔法に対して高い耐性を持っている」
野郎エルフは兎も角、美女エルフが喰われるのは気に食わないな。
「加勢しよう」
「良いのか?」
舞達を見ると頷いてくれた。
「ああ」
駆け付けると、既にオークとハイオークは討伐済みで、オークジェネラルも虫の息だった。
「これで最後だ! 精霊の氷結槍!」
「Pugiーーー……」
……うわぁ。
返し付きの氷の槍が胸部を貫いて刺さっているよ。
「Gishaーーー!」
そして、迷彩柄の8mを超える蜘蛛がオーク共を踏み潰して前に出た。
「ああ! 豚肉が……!? 皆、豚肉を助ける為にも、あのデカい蜘蛛を駆除するぞ!」
「頑張るわよー!」
「蜘蛛は滅殺あるのみ!」
「ルカ様の命じるままに」
「が、頑張ります!」
舞、リナ、リン、ユイが一気に駆け出し、エルフイーターに肉薄する。
「Gishaーーー!」
舞達は一箇所に固まらず、舞とリナが正面に立ち、リンとユイが側面に回る。
「行くっよー!」
「マイに遅れないで!」
「「はい!」」
「破っ!」
舞は、薙刀の長さを利用していきなり蜘蛛の左の牙をブッた切った。
「Gishaーーー!?」
「今!」
「Gi……」
「ユイ!」
「はい! 雷煌剣……やあ!」
「Gi……」
「氷結波」
「Gishaーーー……」
舞が左の牙をブッた切った事で生じた隙をリナが突き、エルフイーターの右前足を同じくブッた切る。
エルフイーターのバランスが崩れた所をユイが剣に雷属性を付与して更に、右後足をブッた切る。
そして、リンが左足全てを魔法で凍結させる。
「……どうやら、精霊魔法には高い耐性が有るみたいだが、人族が使う魔法には、それ程の高い耐性は無いみたいだな」
「Gi……」
足がほぼ使い物にならなくなったエルフイーターは、サソリの様に腹を反り上げた。
「皆……雷撃槍」
「Gishaーーー……」
一瞬の判断の後、俺は雷撃槍をエルフイーターに17本放った。
「……反応が有りません、ルカ様」
リンが音を立てずにエルフイーターに「すすぅ……」と近付き、胸部の側面に小太刀を「ブスッ」と刺し、一切の反応が無い事を俺に報告した。
「エルフイーターを討伐したぞー!」
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