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……俺は、一掃する!

動きます。

 


「だ、誰だ! ボクの婚約者に横恋慕した愚か者は!」

「何度でも訂正しますが、タワフール様とは婚約をしておりません!

 そして、私の婚約者は隣に座っているルカです」

「貴様か! ボクの婚約者に横恋慕した愚か者は!」

「は!? 俺とリナと正式に婚約を交わしたのは4年より前だ」

「フリカゲラ子爵」


 リナの声のトーンが一気に低くなった。


「何かな、ルナデューク嬢」

「……これは、フリカゲラ子爵からルナデューク侯爵への侮辱として受け取っても良いのですね?」


 リナが上位貴様としての仮面を付け、真顔で聞く程にキレていた。

 後、莫迦ばかが喚いているが無視している。


「とんでもない! しかし、何か弱みでも握られているのですか?

 こんな冒険者が婚約者など……」


「……分かりました。フリカゲラ子爵は、ルナデューク侯爵家と、フロンディーラ辺境伯と、そして王家を侮辱し敵に回したいのですね」

「ちょっと待って頂きたい! 今、何と仰ったのですか?」

「ならば、もう一度申しましょう。

 フリカゲラ子爵、貴方はルナデューク侯爵家とフロンディーラ辺境伯家と、王家を侮辱し敵に回したのです」

「ま、待ってください! それは誤解です!

 私は、ルナデューク侯爵やフロンディーラ辺境伯を、ましてや、王家を侮辱したつもりはありません!」

「いえ。もう、フリカゲラ子爵の上部だけの弁解など、価値は有りません」

「そんな……」


 此処で、サイコ野郎が口を挟んだ。


「要は、ボクが勝てば良いんだろ?」


 そして……


「ボクは、貴様に決闘を申し込む!」

「良いだろう。但し、生死を問わずだ」

「構わない。このボクが、横恋慕する愚か者に負ける訳が無いからな。

 待っててね、ボクの愛しの婚約者」


 領主館の中庭に移動して、決闘が行われるのだが、サイコ野郎の後ろにはフリカゲラ子爵の子飼いらしき私兵20人が控えていた。


 ……まあ、狙いは読めるし、鬱憤うっぷんが晴らせるから良いけどな。


 そして決闘は開始されたが、予想通りに「事前に決めていなかった」とドヤ顔でサイコ野郎が言ってきた。


「死ねや、糞ガキー!」

「ふん……」

「ぎぃや……」


 俺は、敢えて決闘用の武器として、鉄の棍棒にした。

 理由は、余程狙わないと即死は無理だからだ。

 俺は先に、私兵20人を嬲り半殺しにしてやった。

 鉄の棍棒で、私兵20人の両腕両足や肋骨や顎を破壊し、潰す前提で又下から鉄の棍棒を振り上げた。


 残ったのはサイコ野郎1人だけだ。


「分かった。この決闘は引き分けで我慢してやる。だから、その棍棒を引っ込めろ!」

「何を言っている? 決闘はまだ終わっていないぞ。審判は何も言っていないぞ?」

「おい、審判早……」

「……」


 審判役のフリカゲラ子爵の執事は両腕両足を縛られ、喉元にはリナの剣が妖しく光り、執事の胸の心臓の位置には舞の薙刀の切っ先が僅かだが当たっているし、リンの小太刀が執事の股間で冷たく光っていた。

 ユイは、執事の後ろで執事を拘束している縄の端を握っている。


「どうやら、審判の判断は続行みたいだな」

「バカな!?」

「そういう訳で死ね」


 この後、サイコ野郎が死ぬ事を許されたのは30分過ぎてからだった。


 ……僅か2週間後に、ささやかな不正の事実と限界まで上乗せした冤罪で、フリカゲラ子爵家は王宮の貴族名簿から「消去」され、フリカゲラの町は王家直轄地となり、代官が送られる事になった。



 ……パカラパカラ。


 俺達は、馬車での旅を再開して3日後に目的地である街「ファングレプ」に後10分で到着する所で異変に気付いた。


「アレ、黒煙だよな?」

「はい、ルカ様。確かにアレは黒煙です」

「急ぐぞ!」


 急ぎ向かうと、街の頑丈な正門は破壊され、至る所で人達が倒れ、街中をモンスターが溢れ暴れていた。


「マイ! リナ! リン! ユイ! 

 4人は此処で待機してアムリナとネルナを守れ。シリウスとコウガもだ!

 ……俺は、一掃する!」


 俺は舞達の返事も聞かずに、街の外周の正門を登り、監視塔の屋根に立つ。

 そして、魔力探査を行ない、強い魔力を放つモンスター全てを捉えると、20秒程の精神統一をして放つ。


雷煌槍ライオットランス50連!」


 雷煌槍ライオットランスを放つと直ぐに降り、俺達はアムリナの実母の生家である領主館に向かった。


 そして、領主館に近付けば近付く程、赤い液体で彩った動かない人達が増えていった。


「アムリナにネルナ。今の内に、覚悟だけはして欲しい」

「「……はい」」


 領主館に到着すると、魔法の攻撃音が聞こえてきた。


「まだ間に合う可能性がある!

 マイ達はアムリナとネルナを守れ。」

「任せて!」

「分かったわ!」

「畏まりました、ルカ様!」

【任せろ、我が主!】

「キャン!」


 俺達は警戒しながらも、移動すると中庭から戦闘音が聞こえてきたから覗くと、信じられない光景の目に映った。


 ワインを飲みながらメイドらしき女性を犯している裕哉と、騎士らしき男性を死なない様に痛め付ける魔族が居た。


「裕哉ーーー!」

「……な……がはっ……」


 俺は身体強化を使い、裕哉との距離約30mを一瞬で走破し、ドロップキックを裕哉に叩き込む。

 裕哉は、3度バウンドして壁に激突する。


洗浄クリーン……完全回復パーフェクトヒール! 大丈夫か?」

「あ……」

「マイ! リナ! リン! ユイ!」

「「「「はい!」」」」

「シリウスとコウガは周りを警戒」

【分かった】

「キャン!」


 支えを失ったメイドらしき女性は倒れそうになった所を抱きかかえ洗浄クリーン完全回復パーフェクトヒールを掛けて安否確認をしたが精神的に限界だったのか気絶した。

 メイドらしき女性を舞達に任せ、俺達は騎士らしき男性を背にする形で移動する。



厳しくも温かいメッセージを待っています!

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