そんな意図は一切ございませんわ。
異世界恋愛系の宇宙人を書きたくなりました。
「実は……」
話の内容だが、継母に実家を追い出されて、実母の生家を頼りに向かう途中で盗賊共に襲われたみたいだ。
そして、彼女達からの当然のお願いが出た。
「きちんと護衛料を払いますから、私達が実母の生家に到着するまでを護衛して頂けないでしょうか?」
「とりあえず、今日の目的地である野営地に着いて仲間達と相談してからで良いか?」
「分かりました」
パカラパカラと移動する事2時間程で目的地の野営地に到着した。
彼女達には善意からのサービスで、夕食に招待する。
「……お、美味しいですわ!?」
「……信じられない美味しさです!」
「そうだろうそうだろうとも。俺達の自慢の料理人でもあるからな、リンは!」
「ルカ様のご指導のお陰です」
リンへの熱い勧誘が始まったが、あっさりと断れて落ち込んで、夕食後はとりあえず次の街までは有料で護衛すると伝えて就寝して貰った。
「で、どうする?」
「引き受けたいかな」
「私も、賛成よ」
「リンはど……」
「ルカ様の御心のままに」
「……分かった。それなら護衛の件を受けようと思うが、良いか?」
「「「はい」」」
翌日の朝食が終わった時に、護衛の件を引き受けると伝えた。
シリウスとコウガは、既に寝ている。
「貴女達は、どんな関係なの?」
「私達は、ルカの婚約者だよ」
「ええ、婚約者よ」
夜の見張りを貫徹した俺は仮眠を取っていたが目が覚めると、そんな会話が聞こえたから聞く耳を立てた。
「え!? つまり貴女達は貴族なの?」
「ううん。私は違うよ」
「……そうなの」
それ以上の追求は無かったから、言えない事情が有るのだろうと察したみたいだ。
その後は、暗い空気を払拭する意味でもガールズトークが始まり、また俺は仮眠を取る事になった。
……因みに、昨日の野営地では珍しく問題は起きなかった。
本日の目的地の町「フリカゲラ」に到着した俺達は宿屋を確保すると、冒険者ギルドに行き、護衛をした冒険者達の全滅に関する手続きと、俺達との護衛依頼の手続きを完了させた。
因みに、彼女達が使っていた馬車は俺の「蔵」に仕舞い、馬は俺達の馬車に連結している。
「改めて、護衛をよろしくお願いします」
「私からもお願いします」
「ああ、大丈夫だ」
「私達に任せて!」
「心配要らないわ」
「ルカ様に失敗はありませんから」
冒険者ギルドを後にして、軽く食事でもしようかと歩いていると……
「よう。そんなガキとい……がぁ!」
「どうした?」
「急に膝が……」
ざまぁ!
「何をしたの?」
「最速極小の雷撃弾を膝に放った」
「凄いですね」
「まあ、鍛錬の賜物だな」
俺達は旅の疲れを癒やす事を優先して、まだ日は高いが宿屋に戻り、部屋でのんびりする事にした。
その日、俺に「ラ◯ひな」的なイベントが発生して、俺の両頬に紅葉を付ける事になった。
……5つの芸術作品は、眼福だった!
翌日、宿屋の会計を終わらせて、この町から出発しようとすると、宿屋の玄関には「紋章」付きの馬車が停まっていた。
「リーナシア=クロス=ルナデューク様ですね。この町の領主フリカゲラ子爵がお会いしたいと思っております。
来て頂けないでしょうか?」
「返事をする前に質問よ。何故、私がこの町に居る事を知ったの?」
「はい。昨日、子爵家に仕える侍女が、ルナデューク嬢を識っておりまして、町中で見かけたのです」
「なるほどね。ルカ、良いかしら?」
「まあ、仕方ないよな」
「勿論、皆でお伺いしても良いわよね?」
「勿論ですとも。歓迎いたします」
……領主館に到着して、俺達は応接室に案内され待っていると、フリカゲラ子爵らしきオッサンと執事らしきオジサマと、俺達より少し年上と感じる青年が入って来た。
「初めまして。儂がフリカゲラ子爵だ」
「初めまして。ルナデューク侯爵家が三女のリーナシア=クロス=ルナデュークです。
そして……」
「いや、護衛や世話役のメイドに用は無い」
「は?」
「そんな事よりも、何故、この町に『1人』で来たのだ? もしや、我が息子タワフールに会いに来られたのか?
そういう事であるなら、儂としても前触れも無く訪れた程度は目を瞑り、正式に婚約の手続きをしたいと思う。
それで、何時、ルナデューク侯爵は来られるのだ?」
……ツッコミ所が多いなぁ!
既に、リナの婚約者なら横に居るが!
そもそも、護衛が、護衛対象である貴族令嬢の横に座るかい!
「そんな意図は一切ございませんわ。
この町に来たのも、一夜の宿を取っただけに過ぎません。此方に顔を出したのも貴族の末席に座る者としての礼儀故です」
「そんな! ボクと婚約する為に来たのでは無いと言うのか?」
「貴方は誰ですか?」
「ボクは、貴女の婚約者である『タワフール=リタナ=フリカゲラ』だよ」
「タワフール様、貴方は私の婚約者ではありません」
「何を言っているんだ。これから正式に婚約するのだから、貴女はボクの婚約者だよ」
……見事な莫迦だな。
「……申し訳ありませんが、既に私には正式な手続きを以て成立した婚約者がおります」
「それは不貞だ! ボクという婚約者が居るのに!」
「タワフール様とは、一切、そういった手続きを交わしておりませんわ!」
……このサイコ野郎をどうしてくれようか?
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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