まあ、何も無くて良かったな
何故か難産でした~。
あれから数日後に冒険者ギルドから呼び出しを受けたから行ってみると、オークションで自爆したバカ伯爵からの賠償金だった。
それと、賠償金として含まれている中に、バカ伯爵のシュリーズ夫人と令嬢の長女フランリヤ(15歳)と次女レイリシス(13歳)が含まれていた。
……勿論、奴隷化済みだ。
冒険者ギルドに振り込まれたお金は、諸費用が引かれて白金貨670枚で、それに夫人達の奴隷3人という訳だ。
この3人と面談すると、異世界恋愛系悪役令嬢追放ざまぁで、被害を受ける側の純粋で真面目な母娘だったが、都合良く小説みたいに助けてくれるキャラは居ないという事だな。
それと他国の貴族だった為に、今日まで時間が掛かったみたいだ。
俺は夫人達との奴隷契約を済ますと、絶望顔の3人を馬車に乗せて屋敷に帰る。
後は先輩奴隷達に丸投げした……したいのだが、夫人から俺にお願いがあるという事で、喫茶店の1番奥の個室で聞く事にした。
因みに、三女のレイリシスは、店内の真ん中辺りで、美味しい紅茶と甘いお菓子に夢中だ。
「奴隷である私のお願いを聞いてくださりありがとうございます」
「それで、お願いとは?」
「はい。御主人様の夜のお相手なのですが、せめて、次女のレイリシスは15歳を迎えるまで待ってて頂けないでしょうか?」
「お願いします! その分、お母様と私が一生懸命にご奉仕いたしますから!」
……まあ、母親なら言いたいお願いだよな。
「……先ずは顔を上げてくれ」
「「はい」」
「俺が『そう言われて興味が湧いたぞ』と言ったらどうする?」
「それは……」
「心配するな。当分の間は次女のレイリシスどころか、お前達にも夜の仕事をさせるつもりは無い」
「……はい」
夫人の間を空けての返事は、俺の回答に対する質問をして藪蛇になるのを恐れたからだろうな。
例えば、夫人が「それなら何時から夜の仕事を?」と言ってしまえば、返事として「それなら◯◯からだ」となる可能性が有り、最終的には次女に廻る順番が早まるかもしれないからだ。
この2人は奴隷として、俺の下に来たから、その道中で覚悟は出来ているのだろうし、それでも、まだ13歳の次女には出来るだけ遅らせたいと思っているのだろう。
「以上か?」
「はい。御主人様、私達のお願いに応えてくださりありがとうございます」
「ありがとうございます」
「まあ、貴族である伯爵夫人から奴隷になって、色々と言葉にしたくない気持ちがあるだろうが、その気持ちを共有出来る仲間達が、この喫茶店には沢山居る。仲良くやってくれ」
「「はい!」」
「それと、俺を呼ぶ時は『ルカ』と呼んでくれれば良いからな」
「「はい、ルカ様」」
さて、元伯爵夫人であるシュリーズさんのお願い事の話が終わり、時間が半端だから王都を散策する事にした……のだが、2時間程で、既に5組の野郎共から善意のカンパを貰っている。
これだけの善意を貰える美貌を持つ舞達が凄いと思うぞ。
まあ、本人達は「ウザい!」と愚痴を漏らしているがな。
翌日、旅の準備を整え、次の日に出発した。
「じゃあ、行ってくる」
「「「「「「「「「「御武運を、ルカ様」」」」」」」」」」
……まあ、自覚はしているが、良く釣れるよなぁ、盗賊共が!
「命が惜しかったら、服と靴以外を置いて消えな、ガキ」
37分後に全ての処理を終わらせて、旅を再開した俺達だが、1時間後にまたテンプレ付きのイベントが発生した。
「きゃあああーーー助けてーーー!」
舞達が頷いたから急行すると、到着した時には既に骸骨な聖騎士の第1話状態だった。
「親分、早くヤッちまってくたさいよ。次はオレなんすから」
「うるせぇ! この瞬間が楽しいんだよ!」
「お嬢様ー!」
「嫌ぁーーー!」
「さあて、御開帳だ」
既に胸部の肌は露出済みで、最後の砦も崩壊寸前だった。
「雷撃弾24連!」
「「「「「「がっ……」」」」」」
馬車の御者席から雷撃弾を盗賊共の両肩や両膝を撃ち放ち無力化すると、直ぐに回れ右をし、舞達が駆け付ける。
……まあ、これは「俺は見ていません。ですから、彼女達の衣服がどうなっているかの判断が、俺には出来ません」という彼女達に対する言い訳だな。
彼女達も、それに気付いたみたいで、立ち直るのが早かった。
「危ない所を助けて頂いてありがとうございます」
「アムリナお嬢様を助けて頂いてありがとうございます」
「まあ、何事も無くて良かったな」
「はい」
彼女達が立ち直るのが早かったと言っても1時間は掛かったから、その間に盗賊共の処理を済ましている。
アジトには結構溜め込んでいたからホクホクに懐が温もった。
「……揺れませんね、アムリナお嬢様」
「……揺れないわね、ネルナ」
彼女達の被害は、護衛と御者の全滅と、アムリナお嬢様と侍女ネルナの服一着となる。
まあ、この服一着は焼却され最初から無かった扱いだけどな。
さて、移動しようにも御者が居ない為に、彼女達の馬車をリンが運転して貰う事になった。
そして、元日本人側なら当たり前で、現地人側には異常である馬車の制震に驚愕していた。
でも、胸部装甲が厚いネルナの胸部はポヨンポヨヨ~ンと揺れていた。
「さて。関わった以上は、ある程度の事情説明をして欲しい」
「はい。実は……」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点とブックマークをお願いします。