ナンデモナイヨ
彼女の友達の友達の友達が……
相談の内容が実に、ラノベやゲーム的な事で、箝口令が出されているから外部に漏れていないが、今、王太子が病に伏しているみたいだ。
それで、その病に効く薬草を俺達に採ってきて欲しいと、お願いされた。
……3日後
「ルカ、流石に熱いね」
「そりゃあ、火山地帯だからな」
断れないお願いと言う名の「命令」を王太子妃から受けた俺達は、必要な薬草を手に入れる為に、普通の馬車なら8日掛かる距離を2日で到着して、最寄りの町「フレンベル」に馬車を預けて、俺達は火山地帯に到着した。
目的の薬草は、この火山地帯で採取出来るのだが……
「とりあえず、服と靴以外の全てを寄越せ」
……まあ、王太子毒殺を企てたんだ。
当然、治療に必要な薬草を誰かが取りに来る訳だが、この火山地帯が王都から最も近い場所だ。
だから、妨害する輩が居るだろうと思っていたが、まさか盗賊に扮して現れるとはなぁ。
「雷撃弾92連」
「がぁ……」×23人
隠れ潜んでいた奴も……だ!
「相変わらず規格外だよ」
「まあな」
【雑魚だな】
「キャン!」
後は、剥ぎ取りを済ますと、拷問で全て吐かせると、魔法で地面を掘り生ゴミを捨てて、また魔法で穴を塞ぐ。
「トカゲの尻尾どころか、黒幕まで知っていたのは意外だったわ」
「そうだな。しかし……」
「ねぇ、ルカ。その黒幕はどんな人?」
「ゼルさんに対して、公私共に反発してくるムカつく貴族」
「……わぁ」
この後、この火山地帯のモンスターを狩り回り町に戻った。
……薬草?
あいつらが、妨害と副収入狙いで採取していたから掠奪した。
一応、知識が有ったみたいで、効能が残る形で採取していたから大丈夫だ。
「火蜥蜴20匹に、火飛魚が5匹に、炎鷲が17匹に、火炎牛が31匹の査定が終わりましたが、如何なさいますか?」
「火炎牛の肉以外を売却する」
「畏まりました。少しお待ちください」
査定と売却に関する話が終わり、待っていると舞から質問がきた。
「ルカ。何故、火炎牛の肉は売らなかったの?」
「勿論、美味いから」
「……そんなに?」
話を聞いていたリンとユイの耳がピクピクと動いている。
「ああ。コ◯ベギュウに匹敵する」
「そんなに!」
「「「コウ◯ギュウ?」」」
言葉の意味が分からないリナ達が、オウム返しをユニゾンした。
「故郷では、世界でも1、2位を競っていた肉の品種名だ」
「何でコウ◯ギュウの味を知っているの?」
『昔、大樹義兄さんが、紅葉姉さんに内緒で、俺を京都競馬場に連れて行って、当たったからゴチになった』
『羨ましいー!』
「何を言っているの?」
「簡単に言えば、ガル義兄が以前、ギャンブルで勝って、その金で奢って貰ったんだ」
「ふ~ん」
「因みに、大体一口大の3切れで銀貨1枚と大銅貨2枚ぐらいする」
「「「はあ!?」」」
「侯爵令嬢の私でも、びっくりする程の高い値段ね」
あ、受付嬢が帰って来た。
「お待たせしました。火炎牛の肉と、それ以外のモンスターの買い取り金です。買い取り金の合計が金貨8枚と大銀貨7枚となります」
ギルド所有のマジックバッグから火炎牛の肉を取り出したから、俺の偽装用のマジックバッグ(倉庫)に仕舞い、買い取り金も仕舞う。
この後、冒険者ギルドを出ると舞が目を座らせて言った。
「分かっているわね?」
「お、おう」
……結果報告だが、舞が「美味しい!」と言いながら、舞1人で火炎牛を少なくとも600g以上を食べた。
それと残念な報告だが、この世界の牛系モンスターの「舌」は……不味い。
【そうか? 我には美味いが?】
「キャン?」
「分かった。シリウスとコウガに全部だ」
【やったぞ!】
「キャン!」
町の外での焼肉パーティーが終わると、俺から「こんな事も有ろうかと……」な感じで用意していた「ローブ」を、舞の意向で出し、舞が着用した。
……舞の着ている服は、体型が分かり易い。
「何!」
「ナンデモナイヨ」
リナ達は、舞と同性だから無意識にスルーしていたよ。
翌日の早朝には町「フレンベル」を後にして、王都を目指して出発した。
2日後、王都に到着した俺達は、真っ直ぐに王城に向かい到着してから、3時間後に王太子に調合したポーションを服用された。
……まあ、体内の毒が完全に抜けるまで、1日3回の服用で2日間掛かるがな。
このポーションの服用で体調が改善された事で、毒殺の可能性が正式に認められ、俺達の証言から調査が始まり、とある侯爵家一族全てが貴族籍から消えた。
ただ……
「「お願いします!」」
「……分かったわ」
「「ありがとうございます!」」
「ありがとう、リーナシア」
「……全く。クナマリアのお願いだからよ」
「ありがとう、クナマリア」
と、いう事が有って、結果は……
「リーナシア様、おはようございます」
「おはよう、シェリア」
リナの親しい友人の親友からのお願いで、修道院行きだった貴族令嬢1人が、俺の奴隷となり喫茶店で働く事になった。
それと、学園に通っていた時は、生徒会会計をしていたから、喫茶店と屋敷の事務員になった。
正直、貴族令嬢が送られる修道院は、女性刑務所みたいな側面を持っているからなぁ。
まあ、彼女の気持ちは分かる。
俺達のメリットとしては、中立派筆頭貴族の令嬢に恩が売れた事だな。
???side
「魔王様! 復活おめでとうございます!」
「「「「「「おめでとうございます!!!」」」」」」
「うむ。復活を果たしからには、憎き天界の神々共に復讐する為に、先ずは地上を支配する。貴様らも余の為に、その命を余に捧げろ!」
「「「「「「「「は!!!」」」」」」」」
「魔王様」
「何だ?」
「はい。実は……」
「……うむ、面白い。そのまま続行せよ」
「は!」
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