敵の糞野郎だよ!
過去に異世界召喚された勇者達は、色々と情報等を流しているみたいです。
……国王の77歳の生誕祝いの当日
前日の昼以降から王都ではお祭りで都民はバカ騒ぎとなり、お陰で国王のご機嫌は良いが、警備する騎士達は神経質になっている。
そして、日が沈んでからの、メインである王城の大ホールをパーティー会場にして国王の開催宣言で始まった。
因みに、公表はしていないが、ガル義兄達、救国の英雄が勢揃いしている。
前世が日本人のチーターだから、舞◯術や転移とかを修得しているだろうと思っていたら、ガル義兄だけだが、舞空◯を修得していた。
そんな訳で、文字通り飛んで貰い、皆を集めて貰った。
皆の空輸が終わったガル義兄が愚痴った。
「こんなに疲れたのは久し振りだ」
「恋人の家族のお願いを聞くぐらいは良いだろう、『大樹義兄』さん」
「今の顔と言い回しは『紅葉』そっくりだ」
「褒めても何も出せないよ」
「全く期待していない!」
……という訳で、ガル義兄達には国王達を影ながら護衛して貰っている。
俺達は、王都外周壁の東西と南の正門で、わざと騎士の警備が1番緩くさせた南の正門に隠れて待機している。
まあ、俺達からの誘導だな。
王都内の警備は最低限にして、その浮いた人員を東西の正門に回した。
これで、王都から秘密裏に出ようとする存在は、南の正門以外を選ぶ事は出来なくなった。
後、シリウスとコウガは、家の方で警戒しながら待機している。
ガル義兄side
……疲れたー。
やっぱり、ルカ……いや、蒼真は紅葉の実弟だよ!
こんなパシリと変わらない扱いは、本当に久し振りで、マジで疲れた。
例えると、トライアスロンという競技で、遠泳、自転車、長距離走の3つをし、その到着時間を競う競技があるが、3つの内の遠泳が1.5㎞泳ぐのだが、その3倍の4.5㎞泳いで、自転車で40㎞漕いで、最後の長距離走が10㎞が、その4倍の40㎞を走った様な疲労感だ。
……高校以上の陸上経験者なら理解して貰えると確信している。
それと、ルカが軽い口調で「舞◯術か転移のどちらかは修得しているよね?」と、言ってきたが、舞空◯でさえ、かなり苦労して修得したんだからな!
他の連中は修得していないくらい「◯空術」は難しいんだぞ!
そして、理論は理解出来ているが、転移は完全に無理で、何処かの賢者の孫やスライムが羨ましい。
まあ、こんな感じでパシらされて仲間を王城に集めた。
ルカも確実にする為に、ルカにとっては未知数の魔王の配下に対してオレ達を護衛に回した。
……我が義弟の期待に応えれる様に頑張るしかないな。
そして、ゼルと話し合いをして護衛等の配置が決まり、当日となった。
「……余の77歳の生誕祝いに良く集まってくれた。この77歳とは、過去の勇者達が残した文献に因ると、素晴らしい事で、尊敬に値する年齢らしい。そんな勇者達に称えられる年齢になれた事が誇らしく思う。
是非、集まった者達にも、この気持ちを共有したい。……乾杯」
「「「「「「「「「「「「「「乾杯!!!」」」」」」」」」」」」」」
パーティーが始まったな。
ルカからも話は聞いているから、確かに、脱出するなら今日だろうし、追加報酬狙いなら、オレ達みたいな護衛は必須だな。
タイムスケジュールに沿ってプログラムが順調に進行し、今はダンスの時間だ。
……魔力感知や気配察知に反応が!
「「「「「炎球」」」」」
会場の隅から複数の炎球が放たれて会場の照明であるシャンデリアが全て破壊され、会場が暗闇に染まった。
そして、この炎球が合図だったみたいで、あちこちから爆発音が聞こえた。
アーロンは即座に光球を出して照明の代わりとして放ち、ファルゴとブランカが王族の守護に入り、オレとゼルで敵の排除に走った。
「貴様はガルダイア! 何故、此処に居るのだ!?」
「何処かの誰かが、情報を流したからだ」
「く……がぁあ……」
先ずは1人。
ゼルの方も順当に倒しているな。
近衛騎士に後を任せて、次々に襲撃者……多分は魔王の配下だろう奴らを倒していった。
……良し、終了だ!
後は任せたぞ、今代の英雄!
ルカside
……始まったな。
僅かに爆発音が聞こえたから、向こうの作戦開始だ。
つまり、此方も作戦開始でもある。
作戦はわざと正門を突破させて、2階建てぐらいの土壁を出現させ、足が止まった所を叩く。
勿論、土壁と正門の間には、落とし穴を設置しており、その落とし穴には睡眠薬や痺れ薬で満たしてある。
……そろそろだな。
……来た!
「雷撃弾」
「がぁ……」
「ぎぃ……」
「ぐぅ……」
「どうしたぁ!?」
5人組と1人の5人の方の3人に雷撃弾を撃ち込み無力化し、残りも足止めした所に放つ。
「岩石大壁」
「何ぃ!?」
「誰!」
……女性も居る!?
……ああ、馬鹿の抑え役か。
馬鹿達に追い付いた俺は言った。
「1人を除いて初めまして」
「ルーカス! それに舞!?」
「……裕哉」
「やぁ。犯罪者の馬鹿、奇遇だね」
「チッ!」
「お前には、紐無しの散歩は許されていない筈だが?」
「知り合いか?」
「敵の糞野郎だよ! ただ、あの女、舞は生け捕りにしろ!」
「……まあ、良いだろう。おい、貴様」
「俺か?」
「その女を差し出せば、半殺し程度に抑える事も考えるが、どうだ?」
「お断りする。彼女は、合意の上での婚約者なのだからな」
「な、何ぃ!?」
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