その情報は何処からでしょうか?
まあ、作者的に外せないアレです。
~回想~
この約2ヶ月は「色々」と有ったが、商業ギルドへは俺と舞が主に担当し、内装はリナが担当した。
商品としての料理の担当は舞とリナが率先していたのだが、俺が冗談で「下腹」と言った瞬間に、肉体言語系有りのラブコメのヒーローみたいに、ボコボコにされた。
それを、見た元貴族だった奴隷達は、自分達が逆らってはいけないのは、誰なのかハッキリ分かったみたいだ。
そして、この約2ヶ月の間に、奴隷達は自分の事は自分で出来る様になり、喫茶店での自分の仕事を理解し働ける様になった。
次に、俺達「星屑の眼」は、冒険者ギルドのCランク昇級試験を受ける事になった。
試験内容は、筆記試験と技能試験と実戦試験の3つだ。
筆記試験の内容は、読み書きと加減計算が出来ているかを調べるみたいだ。
因みに、加減計算で1番難しいので、2桁+3桁と、3桁−2桁だった。
次の技能試験は、冒険者ギルドが用意した試験官との模擬戦だ。
実戦試験は、筆記試験と技能試験の合格者だけが知らされる。
……技能試験は、やってしまったな。
ギルドが選んだ試験官は「クズ」だった。
俺の1つ前の受験者が、真面目に頑張ります系の少女だったのだが、煽る貶すボコす、だったから無意識に、ズダボロになった少女に回復魔法を掛けた。
俺の番が来たから、ボコす、回復魔法を掛けるを5ループすると、耳障りな悲鳴を上げて逃走した。
そして、クズの逃走をギルドの責任扱いにさせ、試験官追加でやり直しを請求したら、それが通った事で俺の前の少女も合格した。
当然だが、俺達も合格した。
その後、合格者のみが会議室に入り、明日の実戦試験の内容を聞いた。
試験内容は、ギルドが把握している盗賊共のアジトの襲撃だ。
Cランク冒険者から、護衛依頼を受けれるから、護衛で重要な盗賊が殺せるかの確認だろうな。
そして翌日、監視官と受験者が試験会場の盗賊のアジトに向かった。
1時間程歩くと盗賊のアジトを発見したのだが、バカが2人居たお陰で、到着が20分遅れた。
そして監視官が……
「後は好きにしろ。オレは助けたりしないから、当てにするなよ」
……と、言われても連携なんぞ出来る訳が無いから、自由に動く代わりに自己責任となった。
バカ2人は、戦略も無しで特攻して、見事に反撃されて死亡した……ざまぁ!
少女は……偶然の事故で1人殺ると吹っ切れたみたいで、狂戦士化してた。
しかも凄い事に、あれ程乱れていたのに、監視官の終了の声を聞いた瞬間に、1人殺る前の少女になっていた。
……少女とは、知り合い以上の距離にならない様にしよう。
俺達?
当然、合格した。
「Cランク昇級おめでとう、ルカ!」
「ありがとう、ビアンカさん」
「おめでとう。リナにマイ、それに……リンにユイ」
【おめでとう】
「キャン!」
皆でビアンカさんにお礼を言った後は、立食パーティーとなった。
あれ以来、ビアンカさんと舞は仲良くなっていて、良く手紙のやり取りをしていた。
だから、今回も、正直、舞の為にパーティーを用意したのだろう。
美味しい料理に舌鼓を打ちながら過ごしていると、ゼルさんの遣いが手紙を持って来た。
……どうやら、俺宛てみたいだ。
手紙の内容が「俺達の王城への緊急召喚」だった為に、直ぐに向かった。
王城に到着すると、連絡が届いていたみたいで、直ぐに案内された。
そして、王宮の小会議室に通された。
……これはシリアスな会議になりそうだな。
実は、この小会議室は国難に関わる内容の時に使う部屋だ。
俺も馬鹿については、この小会議室で話し合った。
「待たせたな」
小会議室に入って来た国王は、直ぐにハンドサインを出した。
意味は「儀礼は要らんから、直ぐに始める」となる。
「勇者は行方不明のままだが、騎士3人の殺害について進展があった。どうやら、この件は魔王の配下が、関係有るみたいだ」
「待ってください、国王陛下!
つまり、今、この王都に魔王の配下が潜伏している事になります!」
「そうだな」
「国王陛下」
「ルーカス、申してみよ」
「その情報は何処からでしょうか?」
「うむ。余が信頼する『筋』からだ」
「分かりました」
その情報自体は本物かもしれないが、その情報提供者本人は国王の味方とは限らないな。
勿論、その逆の可能性も……
……魔王の配下が、このタイミングで情報を漏洩するメリットは何だ?
……!?
そうか、あの馬鹿か!
未だに、騎士3人の虐殺事件の犯人が捕まっていない為に、騎士達に因る警戒体制を解除していない。
そして、それは王都から出したい人物が出せない事を意味する。
つまり、馬鹿は、魔王の配下の所に居て、更に、魔王の配下は馬鹿を王都から連れ出す気だ。
それなのに、魔王の配下が潜伏しているという情報の漏洩……
「国王陛下」
「申してみよ」
「近々、この王都、いや、王城で、それなりの規模でする『何か』が、ございますか?」
「うむ。1週間後に、余の『77歳の生誕祝い』をする」
「あ~、キジュか!」
「そうだ、ルーカス」
……陽動だな。
そんなパーティーを開けば、王都中の騎士の警備は王城が中心になる。
そんな時に「魔王の配下が潜伏している」なんて情報が入れば尚更、王城への警戒が強くなる。
つまり、王都の警備を薄めざるをえなくなり、そこへ、王城でアクシデントが発生すれば、より王都から脱出し易くなる。
勿論、そのアクシデントの最大効率は、王族や重臣の暗殺だろう。
当然、この「答え」は、ゼルさん達も気付くし俺も伝える。
しかし、暗殺の可能性が有る以上は……
結果、魔王の配下の狙い通りに、当日の王都の警備は薄くなる事が改めて決まった。
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