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……もしかして、サクラ!?

まあ、外せないイベント……かな?

 

 領主館に戻ると、3時間後に舞達も戻ってきた。

 舞達は、充分に買い物を楽しんだみたいだが、どうやら今日は、都市に存在する誰でも泊まれる無料の別荘が満室らしい。



 翌日、俺達は北の森に入っている。

 オークションへの出品は今日までな為に、さらなる軍資金稼ぎを狙って、北の森に存在するという「ぬし」を討伐する事にした。


「ルカ、かなり奥まで来たわ」

「ああ。皆も警戒をおこたりない様にな」

「大丈夫だよ」

「問題無いわ」

「大丈夫です」

「気を付けます!」


 探索を続ける中、遂に見付けた!

 森の中でありながら、開けた場所で奥に洞窟がある。

 その洞窟に上半身を出している黒いモンスターが居た。


「アレが、北の森の『主』だね」

「……黒帝獅子ブラックカイザーレオンだわ」

「アレが黒帝獅子ブラックカイザーレオンなのですね。どうしますか、ルカ様」

「オークションに出品したいから、俺だけでも良いか?」

「オークションに執着する理由は分からないけど、私は賛成だよ」

「私も異論は無いわ」

「ルカ様の御心のままに」

「私も賛成します」

「ありがとう、皆」


 皆の賛同を得て動こうとすると……


「あ!」

「どうした、リン」

「思い出しました。祖父の話では、黒帝獅子ブラックカイザーレオンが棲家にする場所にしか生えない薬草があるらしいのです。

 ですから、火と氷系の魔法は控えた方が良いかと思います」

「分かった。皆もサポートを頼む」

「うん、任せて!」

「後ろは任せなさい」

「御期待に添えます、ルカ様」

「が、頑張ります!」


 俺は警戒しながらゆっくり黒帝獅子ブラックカイザーレオンに近付く。

 俺が2mも動かぬ内に向こうも気付き、立ち上がり威嚇する。

 そして……


「GaAAAーーー!」

「戦闘開始だ!」


 獣系モンスターの定番の攻撃の型である飛び付きで一気に終わらせに来た黒帝獅子ブラックカイザーレオンに対して、俺は魔力を全身に行き渡らせ身体強化を掛けて、左にギリギリ避けながら右膝蹴りを腹にぶち込み、蹴った後に直ぐにその右足を強く踏み込み、体重と充分な魔力を乗せた左掌打を心臓目掛けて下から打ち込む。


「Gi…GaAAAーーー……」


 黒帝獅子ブラックカイザーレオンは、内臓を痛めたのか、口から血が流れている。


「……凄い」


 舞からの声が聞こえた。

 そして、黒帝獅子ブラックカイザーレオンを見ると、全身を小刻みに震えていた。


 ……一気に終わらせる!


 俺は野性の勘を警戒して目眩ましを使わずに彼我ひがの距離を一瞬で縮め、黒帝獅子ブラックカイザーレオンの額に放つ。


雷煌破ライオットバースト

「Ga……」


 ドサッ……


黒帝獅子ブラックカイザーレオンを倒したぞー!」


 何時でも出れる体勢だった舞達は一斉に駆け出し俺に抱き着いた。


「やったね、ルカ!」

「流石ね」

「流石です、ルカ様」

「凄いです!」

【流石です、我が主】

「キャン!」


 ある程度、落ち着いた所で黒帝獅子ブラックカイザーレオンを「倉庫」に仕舞うと、リナからの質問が出た。


「最後の魔法は何?」

「あの魔法は、俺のオリジナルで、雷球を頭の中で弾けさせたんだ」

「……なる程ね」

「マイには、こう言った方が分かり易いかな。

 電子レンジに生タマゴを入れてスイッチオン」

「……エグいわね」


 この後、洞窟に生えている知らない黒い薬草を全て採取した。



 俺達は城塞都市に戻ると、オークション会場に行き、黒帝獅子ブラックカイザーレオンの出品手続きを済ますと、スタッフに例の薬草を見せる。


「……ま、まさか、コレは!?」

黒帝獅子ブラックカイザーレオンの棲家に生えていた」

「幻の薬草『漆黒草』か!」

「オークションに出せるか?」

「勿論です!」


 名前は初めて知ったが、スタッフと正式に契約を交わして出品する事が出来た。

 後、スタッフに教えて貰った「漆黒草」の効能だが、作り方は回復ポーションと同じだが、使う直前に人肌ぐらいに温めてから服用すると、どんな病気も完全に癒せる事が出来るらしい。

 逆に冷やして服用すると、どんな呪いも完全に解呪する事が出来るらしい。


 ……まあ、異世界系ファンタジーならではの「不思議」だよな。



 オークションの開催日まで、俺は舞達の戦闘力向上を目指した。

 黒帝獅子ブラックカイザーレオンを俺だけで倒したお詫びだ。


 因みにこの時、休憩中の舞達の水浴びを「事故・・」で見てしまい、舞とリナから紅葉を貰った。


 ……眼福でした。


 後、その場にリンも居たが、唯一、リンだけがビキニで隠れる場所を隠さなかった。


 ……流石はリンさんだ!


 ユイは、フリーズした上に、記憶に残って無いそうです。


 ……ユイ、本当にごめん!



 オークション開催日


 オークションのタイムスケジュールは、午前の前半で「工芸品」や「美術品・芸術品」を出品し、後半は冒険者関係の出品となる。


 内容は、高ランクの冒険者が所有していた武具や、貴重なモンスターや薬草等で、休憩を挟み、最後に奴隷だ。

 奴隷の種類は、犯罪奴隷に借金奴隷、そして特殊奴隷だ。

 内容は、呼び名の通りだ。

 後、ガル義兄にいから聞いたんだが、騙されたり嵌められたり、冤罪等で奴隷になった者も居るらしい。


 ……闇が深いよなぁ~。



 それと、午前中に出品する事で出来た稼ぎを、午後からの出品に回す事が出来る。


 次に、オークション参加に付いての規則だが、金の単位は全て金貨となる。

 つまり、白金貨1枚ではなく、金貨100枚となる。

 これは、売る側も買う側も、言い間違いや聞き間違いを防ぐ為だ。


 ……と、いう内容を会場入りした時に渡された仮面を装着して、渡された番号札と同じ番号を掲げられたテーブルに座り、落ち着いた頃に周りの方々が言っていた内容だ。


 ……もしかして、サクラ!?


 《半分正解です!》

(どういう事だ?)

 《周りの人達は、オークションスタッフからのアルバイトを受けた人達です。初参加の人達に規則を守って参加させる為の基礎情報を然りげ無く教える仕事を受けています》

(なる程な。それで女神様、軍資金を何処で使う事に……)

 《仕事がありますから、失礼しますね~》

(ちょっと女神様?)


 ……逃げられた。


 まあ、その時が来れば分かるだろう。



厳しくも温かいメッセージを待っています!

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