良いからオレ様の女になれよ!
最初はアッサリと……
……ステリーテス?
ああ、本名か!
「母う……女王陛下の謁見の許可を」
「は!」
エルフの1人が伝令に行き、奥から女性のエルフが前に現れた。
「ステリーテス様、お帰りなさいませ」
「……ただいま、ミザリー」
異世界は無関係だ異世界は無関係だ異世界は無関係だ異世界は無関係だ……
「何か?」
「いえ」
「ミザリー、紹介するわ。私の命の恩人の冒険者ルカに仲間達よ」
「初めまして。ステリーテス様の侍女ミザリーです」
この後、俺達の自己紹介をしたが、流石にエルフ達にはシリウス親子の種族がバレたみたいで、全員の顔が引き攣っていた。
「此方でお待ちください」
自己紹介の後、案内されて王城に行き、応接室に通された。
初めて、エルフの国を見たが「森の中で暮らすエルフ」で、正にファンタジーな風景に、舞も同じ様に感動しているみたいだ。
それにリナもユイも少なからず感動している。
後、ダークエルフは渓谷とかで生活しているとユイから聞いた。
だから、鉱石等を掘り当てて、加工したりして外貨を稼ぎ、暮らしているらしい。
エルフの紅茶とお菓子を堪能しながらゆったりと待っていると、40分後に大人な女性エルフと、秘書な女性エルフが入って来た。
多分、女王と宰相だろうな。
それと蛇足だが、出会った女性エルフの殆どが胸部装甲が爽やかだった。
「初めまして。このエルフ国アリューズの女王のエスリーテスよ」
「初めまして。宰相のエメリンスです」
此方も自己紹介した。
「……お母様、ごめんなさい」
「良いのよ。無事に帰って来たのだから」
勿論、「お子さんをお返ししたので、此処で失礼します」にはならず、1泊する事になった。
ステリーテスこと、ステラは退室すると、母親の顔からエルフ国を束ねる女王の顔になり言った。
「王女を救出して保護し、送ってくれた事は女王として感謝するわ。それで、とりあえず白金貨100枚よ」
「ありがたく頂くよ」
中身を確認せずに、中ぐらいの袋を仕舞う。
「他に何か要望とかはあるかしら?」
「そうだな。俺達だけに対してで良いから、良き隣人扱いで、このエルフ国を自由に出入り出来る許可証が欲しい」
「あら、それだけで良いのかしら?」
「ああ」
「分かったわ。許可証を出しましょう」
「ありがとう」
「本当にそれだけで良いのですか?」
宰相のエメリンスが問う。
「ああ。別に王女を助けた事を盾に取って、エルフ国に対して内部干渉する気も無いし、ステラを俺の嫁に寄越せと言う気も無い。
だからと言って、ステラに魅力が無いという意味じゃないからな」
「……分かりました」
この後、女王から「本当に無いの?」と聞かれて、俺は「それなら……」と1つお願いをした。
この後、エルフ国の王都を散策する事になったのだが、案内役として王城から派遣された女性エルフ「エミローラ」が、王都のオススメを紹介していった。
エミローラは察しているのか、女性受けする店を重点的に廻っていった。
だから、俺も便乗して限定品の宝飾品を舞達に贈る事にした。
後、俺達以外の人族を見掛けるが服装のランクがバラバラだ。
どうやら、このエルフ国へのパスポートは金では買えないみたいだな。
だから、傲慢な人族は居ない訳で……
「良いからオレ様の女になれよ!」
「止めろ! どうしても、と言うから連れて来たんだぞ!」
「うるせぇ!」
無詠唱で雷矢を騒ぐバカの両肩と両膝に撃つ。
「がぁ……」
バカが倒れると、直ぐにエルフの衛兵達が来てバカを拘束し、関係者も一緒に付いて、何処かに行った。
「ありがとうございます」
「いや、同族の者が迷惑を掛けた」
「貴方達の責任ではありませんから」
エミローラに、騒いだ奴らはどうなるか聞いてみたら、騒いだ奴は奴隷にされ、肉体労働として死ぬまで働く事になるらしい。
連れて来た奴は、パスポートの剥奪らしい。
まあ、現実的な判断だな。
バカを連れて来たから、またバカを連れて来る可能性が高いし、もっと厄介な奴らを連れて来る可能性も有るからな。
悲しい事に「善人=信用出来る人物」にはならないからな。
俺達は散策を再開して色々と廻り、王城に戻ってエルフの民族衣装を着て夕食を兼ねた歓迎会に招待された。
料理は、スパイスとハーブを沢山使用されていて、とても美味しかったが、ユイ以外は幼虫系料理は食べれなかった。
因みに、サソリ系の揚げ物は美味しかった。
……ラノベ的な戦闘イベントが無くてホッとしたよ。
クーデターとか! クーデターとか!!
クーデターとかっ!!!
翌日、王城内ではあるが、女王の見送りの中、エルフ国アリューズを後にして、俺達は城塞都市に戻った。
異世界ラノベ的なイベントである、ステラの「私もルカ達の仲間になって、一緒に行く!」は無かった。
いや、ステラの実年齢がどうであれ、外見年齢が9歳のステラを連れて行く気は無いよ。
そして、俺達は領主館に戻り、侯爵からオークションの参加許可証を貰い、俺とリンはオークション会場に向かい、舞達は買い物だ。
オークション会場に到着した俺とリンは応接室に通され、向こうのスタッフに参加許可証を渡した。
「許可証は本物ですね。それではコレを」
「コレは?」
「そのコインが、当オークションの参加証でございます。会場にお入りの際は、そのコインをスタッフにお見せください」
「分かった」
「それと、このコインにもランクがございますので、交換をしない様にお願いします」
「ああ」
「他に何か、ご質問はございますか?」
「参加者は、オークションに出品が出来るか?」
「はい、可能です」
「何か出品物がございますか?」
「コレを出品したい」
実は、エルフ国に居る間に、エルフ国の付与師に師事を受けて、盗賊団から徴収した一級品の宝飾品に付与をしまくったのだが、これも軍資金稼ぎの一環だ。
向こうの専門スタッフが来て鑑定を始めた。
「うむ。宝飾品として一級品揃いですが……おお! 宝飾品に付与がされていて、付与内容も良いモノばかりだ!」
「それじゃあ……」
「はい。充分にオークションに出品出来ます」
「お願いします」
「お任せください」
オークションスタッフと正式に契約を交わしてオークション会場を後にした俺とリンは、散策をする事にしたのだが……
「お願いします!」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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アウターゾーン……