……何時まで感動の抱擁してんだ?
大量・広範囲展開は、やっぱりチートでしょう!
城塞都市の騎士を編成する程だから、盗賊共と言うより盗賊団なのだろう。
……軍資金かぁ。
……全員を鉱山労働行きにしよう!
全員参加で、今までの情報から予想した場所に向かった。
まあ、ガチで魔力察知とかを使いながら移動すると、2時間後に山の中を見回りをしていた盗賊を発見した。
その見回りを麻痺魔法で動けなくして、完全回復を使う事を前提にした尋問をしてアジトの場所を吐かせ、アジトに向かい到着した。
……やっぱり、アジトは、当時の敵国の砦が根城だったな。
騎士を編成する以上は、盗賊団の数は100人以上は確実だし、その100人以上が暮らせる場所は限られている。
モンスターじゃあるまいし、洞窟の中で暮らせるものか。
そうなると人工物になるが、そんなに都合良くある訳が無い。
ただ、今回は、その都合良くがあった。
それが「敵国の砦」だ。
さて、異世界転生系のチートの出番だ!
「俺が、砦を包囲するから、包囲の外の連中を頼む」
「任せて!」
「……敵に同情するわ」
「リンは、領主に伝言を頼む。生け捕りにするから人手を頼む……と」
「畏まりました、ルカ様」
「やってやるわ!」
「が、頑張りますであります」
「シリウスとコウガは、ステラを守ってやってくれ」
【任せなさい】
「キャン!」
さて、やりますか。
精神を集中して……
「……巨大岩石土壁4連!」
仮にも国が建造した、高さが5階建てに相当する「砦」を、高さが6階建てに相当する巨大な岩石の土壁が囲う様に出現した。
「更に、極大麻痺魔法」
それじゃあ、麻痺耐性持ちが居る可能性を考慮して行きますか。
「行ってくる」
スキルとか、魔法的な強化をせず、ただ魔力を全身に巡らせた状態だけで、砦までの距離100mと、6階建ての高さをものともせずに、一度のジャンプだけで巨大岩石土壁の頂上に到着した。
リナside
「……リナ、あれは!?」
やっぱり気になるわよね。
「女神様から貰ったチートですって」
未だに、本当なのか疑問だわ。
「……どんなスキル?」
「マイ達、召喚された人達にはこう言えば分かるって」
「……どんな?」
「戦闘民族ソンゴ○ウVerですって」
……どういう意味なのかしら?
「……あは」
「…マイ? ……マイー!」
マイが、凄い笑顔のまま気絶したわ!
ルカside
散歩するかの様に、砦に侵入して部屋に入り、1つひとつを確認する。
まあ「極大」と付く以上は効果も絶大だから、耐性が無いか、足らない奴は、この魔法で動けない上に、少なくとも半日は効果が続く。
部屋を見て廻って、最後の部屋で保護対象を発見したのだが、後1分でも遅かったら大人の階段を歩いていた。
麻痺の効果を解除して、こういう時の為の女性冒険者用の服を渡した。
「助けられた事に感謝するべきか、恥ずかしい姿を見られて怒れば良いか迷っているわ」
「とりあえず、お怒りは、この男のアレを蹴り潰して解消したら?」
「……そうね」
麻痺していても聴覚は無事なので青くなるクズ野郎と、暗く冷たい笑顔になる彼女。
……正式な依頼なら、白金貨1枚以上を必要になるまで、彼女はクズ野郎と周りの野郎共のアレを潰した。
「改めて自己紹介をして欲しい」
「私はバルエリモ=ゴーザ=フレイブルム侯爵が三女『アマリア=ゴーザ=フレイブルム』よ」
「冒険者のルカだ。既に都市は大騒ぎになっているぞ」
「分かっているわ」
因みに、最後の部屋で発見したのは本当だが、軍資金稼ぎの為に最後に回した。
宝飾品を懐に回収したのだが、セレス姉さんの教育のお陰で一級品だけにした。
それと、盗賊共に「使われた」女性も居たが、麻痺魔法を解除して洗浄で綺麗にして、周りに有ったシーツを被せる。
盗賊共は、蹴り飛ばして隅に置いた。
「ぐはぁ……」
彼女達には「殺すなよ。権利は俺にあるからな」と言うと、彼女達は「こんなクズ野郎共に触れたくないわ!」だと。
さて、要救助者を保護したし、舞達の所に戻るか……
「死ねぇ!」
「お前がな」
「がはぁ……」
不意打ちにならない不意打ちをしてきたバカの装備品を剥いで調べたら、指輪に麻痺耐性(中)が付いていた。
しかも、2つも!
……2つの相乗効果で効かなかったみたいだな。
外に出て、舞達と合流した後は、アマリア嬢と雑談しながら迎えを待つ事になった。
3時間後に、フレイブルム侯爵自らが先頭に立ち、此方に向かって来た。
「お父様!」
「アマリア!」
1分……3分……7分……10分……
……何時まで感動の抱擁してんだ?
「フレイブルム侯爵様」
やっと部下からの声が入った。
「失礼した」
「ルカ様、フレイブルム侯爵様をお連れしました」
「ありがとう、リン」
フレイブルム侯爵とアマリア嬢は姿勢を正してフレイブルム侯爵が言った。
「我が大切な娘アマリアの救出に感謝する」
「アマリア嬢が御無事で良かったです」
「……そうか。無事だったか」
フレイブルム侯爵は、ホッと笑顔になった。
「この恩は必ず返したい。是非、我が屋敷に招待したい。来てくれるか?」
「分かった」
「それは良かった」
フレイブルム侯爵は、後始末を部下に任せ、俺達はフレイブルム侯爵の屋敷、つまりは領主館に向かった。
……領主館の応接室で、先に「話し合い」が開始された。
もの凄い威圧を込めて言ってきた。
「アマリアの服が変わっていたのは?」
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