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コネだと言われたく無いので

やってきましたオークションです!

 

 因みに、領主に残留をお願いされた1週間で、ダークエルフの少女は正式に俺が御主人様となり、名前は「ユイ」となった。

 勿論、この名前は彼女は喜んでくれた。

 なんせ、彼女に「君の両親はなんて呼んでいた」と、質問したんだ。

 その呼び名が「ユイ」だった訳だ。

 奴隷になると、自身の名前が自分では言えなくなるからなぁ。

 この名付けのお陰で仲良くなり、ユイは俺と舞のささやかな誘導で「雷帝アーシ○ス・ネイ化計画」が発動した。


「何が、『細やかな誘導』よ。見え見えだったわよ。あれは、あまりにも酷かったから、名前の件で感謝して、ユイが自分から乗ってあげたのよ」

「「……そうなの?」」

「あははは……」

「ありがとう、ユイ」

「ありがとうね、ユイ」

「でも、その雷帝アーシ○ス・ネイみたいな人にも憧れたのも本当よ」

「「ユイ!」」

「く、苦しいよ、ルカにマイ」

「あ、ごめんな」

「ごめんなさい、ユイ」

「もう。……これからよろしくね」

「よろしくだね、ユイ」

「よろしくね、ユイ」


 さて、この1週間を領主館で大人しく待つ事はせずに、ユイを冒険者登録して、ランク上げをしたり、舞とリナの2人掛かりで鍛えたりした。

 俺も、冒険者ギルドから得た情報から周辺のアジト込みで盗賊狩りをしたり、シリウスの背に乗って、遠くの高額モンスターを狩ったりした。

 結果、舞とリンがDランクの冒険者になり、ユイがEランクになった。

 まあ、俺とリナはCランクになれるのだが、保留にして貰っている。

 やっぱり、一緒じゃないとな。


 領主と、その家族とは普通に接した。

 ……というよりも、向こうが一歩引いていた。

 救国の英雄にしてフロンディーラの辺境伯であり、降嫁したとはいえ元王女の旦那でもあるガルダイアを義父に持つ俺と、今や筆頭侯爵家三女のリナ……だからなぁ。


 領主館を後にして、ステラの冒険者登録を済ますと旅の準備を整えて、街「アガルタナ」からも出発して、俺達は次の目的地である都市「フレイブルム」を目指した。

 それと、都市「フレイブルム」の南側の大森林にステラの生まれ故郷であるエルフの国「アリューズ」がある。


 ……既に、この辺りの盗賊共は狩り尽くしたから問題無く、3日後に都市「フレイブルム」に到着した。

 この都市は昔は砦だったが、この国の領土が広がり、砦の意味が成さなくなった事で、砦としての価値を残したまま都市化が進んだ。

 それが、現在の都市フレイブルムだ。

 だから、正式には城塞都市となる。

 門番から従魔可の優良な宿屋を有料で教えて貰い、その宿屋の部屋を取る事が出来た俺達は、女神様から得た「軍資金が必要な買い物」の情報を見つける為に冒険者ギルドに行ってみる。


「ようこそ、城塞都市フレイブルムの冒険者ギルドへ。今日はどの様なご用件でしょうか?」

「今日初めて来たのだが、何か注意事項は有るか?」 

「……そうですね。10日後に、この城塞都市でオークションが開催されるので、いつも以上に人が増えますのでご注意ください。

 それと、この城塞都市を統治されておられる領主『バルエリモ=ゴーザ=フレイブルム』侯爵様には、溺愛されている三女の『アマリア』様がおられますが、活動的なのでご注意ください」

「分かった」


 つまり、じゃじゃ馬な侯爵令嬢な訳だな。

 思わずリナを見る。


「何、ルカ」

「いや、別に」

「分かったわ。セレステア様に有る事無い事を混ぜた手紙を送るわね」

「ごめんなさい、リナ」

「全く……」


 舞達が笑っている中、白けている受付嬢から催促が入った。


「もう、よろしいでしょうか?」

「後、近辺の盗賊情報を教えてくれ」

「……! 畏れ入りますがお名前を」

「ルカだ」

「畏まりました! 近辺の盗賊情報ですね」

「……もしかして?」

「はい! アガルタナ支部から情報が回ってきています。知り得る全てを教えしますので、よろしくお願いします!」

「分かった」


 マジで、馬車で4日以内の距離の全ての盗賊情報を教えて貰った。

 中には、3日後に出兵が予定されているヤツも有った。


「別に問題はありません。仮に討伐された場合は、近辺への遠征演習になるだけですから」

「言い切ったな」

「伯父様の思考は読めますから」

「……!?」

「あ、一応は口外禁止ですからね」

「……分かった」

「コネだと言われたく無いので」

「……まあ、情報は有り難く使わせて貰うよ」

「はい。お願いします」

「オークションの新規での参加資格は?」

「飛び込みの場合は、3日前までに1人に付き白金貨5枚を提示し、当日も提示する事です」

「俺達全員だと……30枚か」

「はい」

「他の方法は?」

「同じく3日前までに、フレイブルム侯爵様の紹介状を提示する事です」

「……普通だな」

「そうですね。ただ、毎回の事なのでかなり難易度が上がってますけどね」


 冒険者ギルドを後にした俺達は、とりあえず今日は休む事にした。


 翌日、宿屋で朝食を食べ終えて盗賊狩りに行こうかと、宿屋を出ると衛兵達が真剣な顔で何かを探していた。


 ……まさかな。


 冒険者ギルドに行き、適当に近くに居た受付嬢に聞いたら案の定、三女のアマリアが昨日から行方不明らしい。 


 ……悪い意味で「一石二鳥」にならなければ良いんだけどな。



厳しくも温かいメッセージを待っています!

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