買った!
……済みません。
我慢出来ませんでした。
……!?
レッドラムベアーの解体が終わった瞬間に、全身に鳥肌の立つ程の殺気を感じた。
「ルカ!」
「……もう、居ないみたいだ」
「分かったわ。マイとリンも大丈夫?」
「だ、大丈夫よ」
「だ、大丈夫です」
「今のは?」
「俺も分からない」
レッドラムベアーの内臓をシリウス達が処理して、一部の肉を昼食用に残して、残った肉と骨と毛皮と爪と牙を「倉庫」に仕舞う。
「「「「頂きま~す!」」」」
「美味い!」
「美味しい!」
「美味しいわね!」
「美味しいです、ルカ様!」
昼食を済まして、食休みが終わると、移動を開始して、馬車に戻ると6人の冒険者が倒れていた。
……臨時収入じゃー!
町に戻り冒険者ギルドに到着すると、6人の冒険者の手続きを終わらす。
……色々込みで、合計が金貨1枚と銀貨8枚となった。
そして、町ガーリパを後にした。
恵梨香side
「ギル、宿屋で部屋は2つ取れたけど、片方はダブルしか取れなかったわ」
「……え!?」
「ま~た、聖良のギル弄りだわ」
また、やっているわね。
「聖良も、楽しそうだな」
「そ、それ、それなら!」
「ウ、ソよ」
「な、なんだ。僕はてっきり……」
ギルも真っ赤になって……
「てっきり……何?」
「な、な何でも無いよ、セイラ」
「そう?」
「そうだよ!」
……聖良って、昔から変わってないわね。
ルカside
「今日は、此処で野営だな」
「「「はい」」」
次の目的地である街「アガルタナ」まで、馬車で約半日の所まで来た。
まあ、折角の異世界という事で、無理せずに野営をする事にした。
この野営場所は、街道や副街道を問わず、ある程度の距離を開けて必ず存在する。
因みに、この野営場所には、他にも何組かの商隊等が居る。
「ルカ様、野営と夕食の準備が終わりました」
「分かった」
後、俺が野営や夕食の準備を手伝っていない理由は見張りだ。
言っておくが、この見張りもローテーションを組んでいるからな。
今日の夕食は、オーク肉の直火焼きに、野菜たっぷりのスープだ。
「……ん?」
夕食を食べようとすると、視線を感じて、そっちの方を見ると、推定8才ぐらいの女の子と6才ぐらいの男の子が涎を垂らして俺達を見ていた。
「ナミ! カイ!」
多分、親らしき母親が駆け付けた。
「ダメでしょう。申し訳ありません」
「大丈夫だ」
グゥ~……
「リン」
「はい、ルカ様」
リンが予備で置いていたオーク肉を焼き始めた。
因みに、鉄串1本にオーク肉を500gぐらい刺してある。
「何人だ?」
「あ、いえ、あの……」
「家族は何人だ?」
「4人だよ」
「分かった」
リンは察して、追加で更に2本焼き始めた。
俺は、マジックバッグから出す様に見せ掛けて「倉庫」から予備の木製の御椀を4つ取り出して野菜スープを盛る。
「焼けました、ルカ様」
「リン、悪いが……」
「はい、ルカ様」
「そちらの方にお持ちしますね」
俺は、1人ひとりに、焼けたオーク肉を刺した鉄串と、野菜スープを盛った御椀を渡した。
「お幾らですか?」
「後払いで、大銅貨1枚だ」
「安過ぎます!」
「そうか。それなら銅貨8枚だ」
「え!?」
「ダメか。それなら銅貨6枚だ」
「あの……」
「え~い! 銅貨4枚だ!」
「……大銅貨1枚払います」
「分かった」
向こうも、俺の善意だと分かったみたいで、値段交渉を諦めた。
「ルカ様、渡してきました。後、大銅貨1枚です」
俺は大銅貨1枚を受け取ると、リンの後方から、先程の家族以外の誰かが近付いた。
そして……
「オレ達にも寄越せよ」
「それなら、1人につき大銀貨1枚な」
「はあ!? あのガキ共には、家族で大銅貨1枚だろ?」
「そんなの知るか。値段は俺が決める」
「ガキ。オレ様が優しく言っている内に寄越せ」
「1人金貨1枚だ」
「……殺せ」
はい、全員が武器を抜いた。
更に言えば、1人も御椀を持っていない。
「雷矢」
「「「「「「が……」」」」」」
盗賊共の剥ぎ取りと処理を終わらすと夕食を始めようとすると、また邪魔が入った。
……腹減った。
「どうしてくれる!」
「誰だ?」
「貴様が殺した者達を雇っていた商人だ」
「盗賊共を雇うなんて、騙されていたんだな?」
一応は逃げ道を出したが、どうかな?
「巫山戯るな! 責任を取って貴様らは、私を無料で護衛しろ!」
「はあ? 奴らが野営地で武器を抜いた。
だから、俺は自己防衛で盗賊共を討伐しただけだ」
「……死ね! 火矢」
「……ふん!」
「がは……」
ギリギリ火矢を頬に掠らせてから、バカに腹パン一発。
火矢を水球で消火した後、バカの剥ぎ取りを終わらすと拘束して、周りに聞く。
「このバカの居た場所は?」
「それなら、あそこだ」
「分かった。明日の朝食で、そちらの商隊には野菜スープで良ければ、御椀そちら持ちで1杯を大銅貨1枚だ」
「買った!」
言われた場所に行くと誰も居らず、先ずは馬車と馬の連結を外すと馬車を「倉庫」に仕舞う……あれ?
入らない?
改めて馬車を調べると、一辺1mの箱の中にダークエルフの少女が眠っていた。
しかも、奴隷環付きで!
……また、舞とリナに白い目で見られるよ。
俺、既に婚約者は2人居るが、ハーレムは目指してねぇ!
《あははは!》
(見物料で情報を!)
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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