表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/110

大変、申し訳ありません!

やっぱり有るテンプレ。

 

 ルカside


「ルカ、長いお祈りね」


 意識が戻ると、俺は祈りのポーズのままだ。


「ちょっと、色々と女神様に文句を」

「なに、畏れ多い事を言っているのよ!

 天罰が落ちるわよ!」


 不意に舞を見ると、顔が引き攣っていた。


「……そうだな」


 まあ、リナは神々が実在すると思っていても、会った事が無いからなぁ。


 《その程度では天罰は落とさないわよ》


 早速、立場を利用しての職権乱用してきた女神様の件について。


 《別に良いじゃない!》

(分かった分かった)

 《必要に応じて、お得情報を教えてあげるから良いでしょう?》

(お願いします!)

 《任せて!》


 ……お得情報なら良いか。


 教会を後にした俺達は、町の散策を開始したのだが、なろう系イベントが発生した。


「良い従魔だな。ボクに献上しろ」


 綺麗で豪華な服を着て、従者と騎士付きの坊っちゃんか……


「断る」

「な!?」

「貴様! ボークラ様の命令に従わないと言うのか!」

「俺達は、この町の住民じゃないからな。

 どうせ、そちらの坊っちゃんは町の領主様の息子だろ?」

「そうだ! この方はガーリパ男爵様のご子息で三男の『ボークラ』様だ!」

「そうか。でも答えは同じだ」

「おい」


 従者が、後ろに居た騎士達に声を掛けると、3人の内2人が前に出た。


「自分の立場を教えてやれ」

「分かりました」


 一応は平和的な解決を目指すか。


「因みに俺はフロンディーラに関わる者だ」

「だから、それがどうした?」

「……あっ!?」


 やっぱり、貴族としてのお勉強が出来ていない坊っちゃんはスルーしたが、従者は思いだしたのか、顔が青くなった。


「ボークラ様、帰りましょう」

「何故だ?」

「此処は私の顔に免じて」

「黙れ! ついでに、後ろの3人もボクに献上しろ」


 はい、アウトー!


「俺の婚約者を奪うと?」

「それがどうした? ボクは領主で男爵の息子だぞ」

「ボークラ様!」

「そうか。爵位を出されたら仕方ないな」

「「……ルカ」」

「ルカ様……」


 俺の後ろでは、呆れ顔で俺の名前を呼ぶ舞とリナとリンであった。


「分かったのなら、貴様は早く従魔と女3人を献上しろ!」

「先ずは俺の名前を教えよう」

「貴様の名前など要らん!」

「まあ、聞け。俺の名前はルーカス=イクス=フロンディーラだ」

「貴様、貴族だったのか!」

「そして、婚約者の1人がルナデュークの令嬢だ」

「ひぃ!」 


 更に青くなる従者。


「さて、どう責任を取る?」

「それなら丁度良いな。ボクにはまだ婚約者が居ないから、そこの女をボクの婚約者にしてやる。ありがたく思え」

「……と、言っているが?」

「滅相もございません!」


 従者は、俺の言っている事が本当だった場合の恐怖におびえている。


「どうしますか、ボークラ様」

「構わない、やれ」

「畏まりました」

「あ……」


 従者の思いは虚しく散り、顔面蒼白になった。

 最悪、死刑の未来が待っているからだ。


 ……10分後、犯罪者を連行するみたいに両手を縄で拘束されたボンクラ……じゃなくてボークラと三騎士が俺達の後ろに居た。

 因みに、従者は案内役として拘束していない。


「此方が領主館です。少しお待ちください」


 そう言って、従者は門番に軽く話して、館に入っていった。


 待つ事10分ぐらいで、従者と執事らしき老人が来た。


「大変お待たせしました。ガーリパ男爵様がお会いしたいとの事です」


 因みに、後ろではボークラが「フゴー! フゴー!」とわめいていて、まだ、自分の立場が分かっていないみたいだ。


「大変、申し訳ありません!」


 応接室に入ると既に待っていたガーリパ男爵は、俺達が入ってくるなり角度90℃以上頭を下げて言った。

 一応、男爵の立場を考えて、俺とリナが持つ貴族としての身分証を見せた。

 お互いに席に着くと、男爵的には懇願で、俺達的には小言の「お話し合い」が始まった。


 日本の会社での構図にした場合だと、男爵が幾つもある会社の雇われ社長で、俺が財閥の外商部門担当の常務の息子で、リナが財閥の本社の筆頭常務の娘って所かな。

 まあ、元中坊だから、詳しくは分からんけど。


「息子の教育はどうなっている?」

「大変申し訳ありません!」

「フロンディーラ辺境伯とルナデューク侯爵と王族を敵に回したいのか?」

「滅相も御座いません! おい」

「はい」


 男爵がそう言うと、先程の執事が俺達の前に、置く時に硬質な音を出した小袋を置いた。


「私が出せる最大限のお詫びです! どうか、コレで……」


 ……男爵は確かに貴族だけど、平民が思う程の金銭的な余裕が有る訳じゃないんだよなぁ。

 正直、死刑か全財産か……みたいな覚悟で出した可能性が有るんだよな、この小袋。


 着地点を悩んでいると、小さな乱入者が現れた。


「おじい様、お話はおわったの?」

「エブリナ!?」

「おじい様、お話は終わった?」

「あ、いや……」


 舞達に白い目で見られるかもしれないが……


「このは?」

「嫡男の長女です。ほら、此方の方々に御挨拶して」

「はい、おじい様。初めまして。エブリナ=マルナ=ガーリパです」

「初めまして。ルーカス=イクス=フロンディーラだ。ガーリパ男爵、エブリナ嬢の頭を撫でてもよろしいか?」

「あ、はい」

「きちんと御挨拶が出来たね、偉い偉い」

「えへへへ」


 エブリナ嬢の頭を撫で終わると、ガーリパ男爵に向き合う。


「此方の要求は……」



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点とブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ