この世界を管理する女神ですが、何か?
神様も娯楽に飢えています。
町「ガーリパ」に到着したけど、当然だが門で一悶着有ったが、シリウス親子が俺や舞達の指示に従った為に、無事に通過した後は、親子とは別れて冒険者ギルドに従魔登録をする為に向かった。
……お人好し主人公や、トラブルメイカーな主人公みたいに首を突っ込まないぞ。
因みに、シリウスには身体の大きさはそのままにして貰っているのは、舞達の番犬として目に見える脅威となって貰う為だ。
まあ、だから……
「デケぇ!」
「まさか、グレイトウルフか!?」
「信じられねぇぜ!」
冒険者ギルドの出入り口にシリウスはギリギリ入れた。
「どうも」
「よ、ようこそ。ガーリパの冒険者ギルドへ。
今日は、どの様なご用件で?」
俺達に対応した受付嬢だが、先程までの引き攣った顔は消えて、営業スマイルになった。
「俺達は、この町に初めて来たのだが、注意事項を聞きたいのと、従魔登録をしたい」
「畏まりました。では、この用紙に記入をしてください」
普通に従魔登録の手続きを終わり、間に合わせのスカーフを外してギルド公認のスカーフを巻くが、1匹に付き銀貨1枚支払った。
因みに、注意事項は連帯責任以外は特に無いらしい。
この後は、何時も通り宿屋を取り馬車を預けて散策した。
最初に行ったのは教会だ。
それで、教会と神殿の建てる時の区別だが、村か町の規模なら「教会」で、街から王都が「神殿」となる。
何故、最初に教会に行ったかというと、クレームを入れる為だ。
その相手は、転移時等で俺達に対応した女神様だ!
何故、クレームを入れるかというと、転スラのヴェル○ラみたいな唯一絶対の存在じゃないけど、氷神狼の遭遇も充分に大事だから、直接文句を伝える為だ。
そんな訳で、教会にお布施を渡して教会に祈るが、勿論、シリウスとコウガは外で留守番だ。
そして、舞は怪しんでいたが、教会や神殿で祈る事は「普通」だから止める事はなかった。
「久し振りですね、蒼真」
「一応、今の名は『ルカ』です」
「そうだったわね、ルカ。 ……それでね」
どうやら、俺が教会に来た理由は分かっているみたいで、言い淀んでいるみたいだ。
それと、この神域に喚ばれたのは俺だけみたいだな。
「それは違うの」
「それは?」
「ええ。実はね……」
女神様が話した内容だが、あの氷神狼親子が俺達と同行しなかった場合、シリウス達と出会った場所の森の奥で、森の主に殺されてしまうらしい。
一対一なら、シリウスが勝つが、コウガを守りながらでは無理みたいで、そこで俺の出番となるが、まあぶっちゃけ女神様のパシり扱いだよな?
それと、あの場所に氷神狼親子が居たのは、同じ氷神狼との縄張り争いに負けたからみたいで、負けた理由は、お産に因る体力の低下らしい。
話を聞いた後、相手が女神様である事を忘れ、近所の天然でドジっ娘属性の「お姉さん」相手みたいに説教した。
「私、天然のドジっ娘属性じゃないもん!」
「本当に、俺達の運命とか弄って無いんだな?」
「うん。弄って無いわ」
「……分かった」
「後ね、教会や神殿に来なくても、会話だけなら出来る様に、ルカには『神託』のスキルを付与したから」
「はい!?」
「だから、スキルの……」
「いや、聞いていた! それで、何故スキルを付与する」
「言った通りよ。家の固定電話だけのと、スマホの通話、どっちが便利かしら?」
「……女神様からの『慈悲』として頂くよ」
「どう致しまして」
……ちょっと待て!
何故、異世界の女神が地球の文明の利器「スマホ」を知っている!?
「普通に、この世界でのルカ達を担当する神として御挨拶に行ったからよ。
その時に色々と知ったのよ。だから、問題無いわ」
「大有りだ!」
そう言った瞬間に、何故か右手には「ハリセン」が!
勿論……
スパーン!
ハリセンを使うと、虚空にハリセンが消えた。
ツッコミの一撃は認めるが、それ以上は認めないか。
「良い『ツッコミ』よ! 後はまあ、そういう事よ、ルカ」
「異世界の女神様も、お暇な様で」
「そうでも無いのだけど、日本の文化を知ってから夢中で可能な限り知識を吸収したの!」
「はあ?」
「だから、この世界でのゲーム的な言い方だと『イベント』の幾つかは、ルカ用に変更したから。勿論、困難を乗り越えた時のご褒美もルカ用になっているわよ」
「何を勝手な事をしてんだよ」
「この世界を管理する女神ですが、何か?」
「……」
……そうだったな。
「それで、その『イベント』は何処に?」
「教えな~い」
「は?」
「それは、禁則事項よ」
……この駄女神、ヲタの文化まで!
「ちょっと待ちなさい!」
「何か?」
「私を、知能最底辺の水芸駄女神と一緒にしないで!」
「は、はい」
……立場が被っているもんなぁ。
やっぱり、実在する女神から見ても、あの駄女神は「無いわ~」になる訳か。
「……そろそろ時間みたいね」
「それじゃあ」
「ええ。まあ頑張って」
「ちょっと待て……」
女神side
「まあ、別に問題無いでしょう。あの地域で封印されているヒュドラを『ヤマタノオロチ』に変えても。後、あの封印石を『殺生石』に変えたので、ルカの反応が楽しみだわ。
それから……」
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異世界の女神すら毒牙に掛ける日本のヲタク文化よ。