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軍資金は手に入った! 呑むぞー!

冒険者ですから。

 

 冒険者ギルドに寄って、フォレストウルフ討伐報酬の大銀貨1枚を受け取ると、ゼラの護衛をしていたヤンガ達と出会った。


「仕事はどうした?」

「昨日まで仕事をしていたんだから、今日は休みだ」

「それで、冒険者ギルドで待っていました」

「そういう訳だ。それでだ。時間も半端だし、軽く森に行ってみないか?」


 舞達を見ると頷いた。


「行くか」

「よし、決定だ」


 ……まあ、良いか。


 ヤンガ達は馬車を持っていなかったから徒歩になった。


「良い馬車だよなぁ」

「まあ、偶然が重なってな」

「羨ましいぜ」

「頑張れ」

「くそー!」


 ヤンガ達がいつも使う森の入口に到着すると、馬車に結界を張り、看板を置き、森の中に侵入した。

 因みに、看板には「所有者は只今、森に入っています。結界を張っています。触れないでください」だ。

 臨時収入があるかもな。


 ……やはり、ヤンガ達は強く、短い言葉のやり取りで連携が取れていた。


「強いな」

「まあ、そこそこな。それを言うならルカ達もだろう」

「まあな」


 そう言いながら、俺は8匹のゴブリンを雷矢サンダーアローでヘッドショットを決めていた。


「ひゅー!」 

「あの制御が難しい雷属性魔法を詠唱破棄で……」

「3人の娘の方も笑えないな」

「リーナシアは、流れる様にゴブリンの首を切っているし……」

「マイの方は、ダンスみたいに槍を振り回してゴブリンを仕留めているわ」

「あの獣人族もリーナシアやマイには劣るが、流石は獣人族だな」

「ああ。高い身体能力を活かし、確実に1匹ずつゴブリンを仕留めている」


 ゴブリン43匹の討伐も終わり、討伐の証拠の右耳の剥ぎ取りと、魔石を身体から取り終えた所で、小休止を兼ねて話し合いとなった。


「どう思う?」

「森の浅い所にゴブリンが居るのは当たり前だが、この数は異常だな」

「そうだな」

「そうなると、集落が出来ている可能性があるわね」

「行くか?」


 ……満場一致で可決され、ゴブリンの集落を探す為に移動を開始した。


「見付けたぞ」

「こんな所に洞窟が有るなんて……」


 見付けた場所は、森の少し奥で、山の麓の影に隠れた洞窟だった。

 しかも、洞窟前の少し開けた場所には見張りのゴブリンや、食事中のゴブリン等が居た。


「どうする?」

「洞窟かぁ……」


 この言葉の意味は、囚われた人達の有無だ。

 だから、囚われた人達が居るのなら助けたいと思っているが、洞窟だと難易度が高くなる。

 これが平地なら、かなり楽なんだが、洞窟だと侵入するというリスクが発生する。

 まあ、ゴブスレの第1話を知っているのなら、理解してくれるだろ?


「……俺だけで行く」

「まあ、仕方ないわね」

「ちょっと待って! 何故、ルカだけが行く事になるの?」

「そうだぜ! 洞窟に侵入するなら、オレ達も……」

「ヤンガは自分で回復魔法を使えるか?」

「あ、いや」

「ナーヤにミールは、ゴブリンに囲まれても武器や体術だけで無傷で倒せるか?」

「……なる程ね。無理よ」

「……はい。出来ません」

「そういう事だ」

「だから、どういう事なの?」

「ゴブリンは真正面から戦えば雑魚だが、だからと言って決して弱い訳じゃない」

「幾らなんでも、ゴブリン2匹分の全力とマイの右腕の腕力では、どちらが勝つ?」

「……分かったわ」


 舞も分かってくれたみたいだ。

 いや、ゴブスレみたいに洞窟のゴブリンはマジで手強いんだよ。


 ……と、いう訳で、俺だけで洞窟に侵入する。


 それに1人の方が、ゴブリン共の気配等の察知がし易いからな。


 洞窟に侵入した俺は、向かってくるゴブリンを無詠唱で「風撃弾エアバレット」を撃ちまくる。

 当然、全てをヘッドショットだ!

 経験からの勘と鍛練した技術と、魔法に因る察知でゴブリンの位置を把握して射線が出来た瞬間に放つ。

 向かってくるゴブリンは全て射殺し、隠れているゴブリンは、わざと外して撃ち、炙り出して射殺する。


 因みに、討伐したゴブリンは「倉庫」に順次仕舞っている。

 結構難しかったよ、足でも「倉庫」に収納が出来る様になるのは。

 必要に応じて、ゴブリンアーチャーからの攻撃を、足下のゴブリンを蹴り上げてガードしたりしながら収納した。


 脇道も一通り調べた後、1番奥まで行くと、ゴブリンジェネラル3匹とゴブリンキング1匹が居た。

 確認した瞬間に、突撃して軽く遊んだ後に雷撃弾ライトニングバレットを同時に20発放ち、決めで首斬りで瞬殺した。


 ……真正面から真面目に戦う理由があるとでも?


 ゴブリンジェネラル3匹とゴブリンキング1匹を「倉庫」に収納して、金目の物等も全て「倉庫」に収納する。


 更に奥に行くと、犠牲者の人達の亡骸が……

 遺品等を回収して、もう一度見落としが無いかを確認した後、洞窟を出る。


 そして、土属性魔法で洞窟を崩壊させた。


「ルカ、大丈夫?」

「大丈夫だよ、マイ」

「どうだった?」

「ゴブリンジェネラル3匹とゴブリンキング1匹居たが、全部討伐した」


 都市に戻りながら、洞窟での分け前を話し合い、俺達が7割で、ヤンガ達が3割となった。

 因みに、馬車の周りには気絶した冒険者が4人居たが、武器等を剥ぎ取ると縄で拘束した。

 勿論、窃盗犯として連行する為で、予想した通りの臨時収入が追加された。


「オレ達は、何もしてねぇ!」

「そうだ!」

「それなら何故、馬車の周りで気絶していたんだ?」

「それは……」

「無駄な言い訳は止めるんだな、窃盗犯」

「ちくしょう!」


 冒険者ギルドでの一幕でした。

 因みに、冒険者ギルドの職員にも看板を見せたから大丈夫だ。


「これを見たら、言い訳は出来ませんね」


 ……と、呆れて言っていた事はスルーした。


 次に、遺品等は冒険者ギルドに渡して遺族に返す事になっている。


 この後は、森での討伐と、ゴブリンの集落の討伐報酬を貰った。


「軍資金は手に入った! 呑むぞー!」


 ヤンガ達のオススメの食堂に行き、呑めや食えやの大騒ぎをした。

 まあ、亡くなった人達の追悼も兼ねているがな。

 こんな「送り」も冒険者らしいよな。


 そして……


「蒼真~」

「グス……ルカ様~」

「ほら、もっと呑みなさいよ!」

「……もう無理です」

「私の酒が呑めないの?」


 甘え上戸の舞と泣き上戸のリンに、アルハラ中のリナに、リナのアルハラの被害を受けて、ヤンガ達野郎組は既に沈没済みで、今はナーヤとミールだが、もう直ぐ沈没予定だ。


 ……俺?


 定期的に異常状態を回復する魔法を自身に掛けていますが、何か?


 この後、リナに魔法で強制的に正気に戻し、食堂兼宿屋だったから2部屋取り、ヤンガ達を運ぶと、宿屋にヤンガ達への伝言を頼み、飲食料込みで料金を払うと、俺が舞をお姫様抱っこで、リナがリンを背負い宿屋を出て馬車に乗ると、そのまま都市「カゴランダ」を後にした。


 ……リナからナーヤを引き離す時に、ナーヤの厚い胸部装甲を堪能したのは舞達には黙っていよう。



厳しくも温かいメッセージを待っています!

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