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……それなのに!

王立学園編は、視点変更が多いです。

 

 舞side


 あれから3週間が経過して、結果だけみれば私達の戦闘や魔法に関する知識と技術は、この世界の同年代のトップクラスまでになったわ。

 この成長速度は召喚した側も想定外だったみたいで、本来なら即、命の奪い合いの実戦ってなる所だったけど、此処で北辰先生の「待った!」が入ったわ。

 北辰先生と王国側の協議の結果、精神的にも肉体的にも未成熟である事と、この世界で生きて行く以上は、社交性を身に付ける必要があると判断され、私達は王立学園に通う事になったわ。



 ルカside


 いや~凄いな。

 まさか、4週間足らずで修得するとは思ってなかった。

 舞達は、俺の「転生」と違って「転移」だから時間が掛かるかと思っていたが……


 そんな訳で、魔法に於いての技術的な部分で時間が掛かるだろうから、そのあいだに裕哉が本性を現せば、比較的に傷が浅い状態で処理出来ると思っていた。


 それで、早い修得時間にはびっくりしたが、そうなればモブ貴族が騒ぐのは目に見えていたし、玲奈姉さんが「待った!」を掛けるのは分かっていたから、あらかじめ準備をしていた次の舞台の王立学園に編入させる事が出来た訳だ。

 因みに、陰の黒幕みたいな真似事を俺が出来ている理由は、1世代前、つまり、ガル義兄にいやゼルさんやセレス姉さんが現役時代に色々とやらかしてくれたからだ。

 まあ、その辺りの武勇伝はいずれ語るとして、そのガル義兄にい達のお陰で俺が黒幕となり暗躍している。


 王城では、文官や騎士という「大人」の眼があった為に動かなかったみたいだが、同世代がメインの王立学園なら、裕哉も動き出すだろう。

 命まで奪う気は無いが、終身刑を俺は望んでいる。

 何故なら、裕哉が俺にした事は、日本に例えると、冤罪で有罪にさせ前科が付き、刑務所行きになり、その刑務所に行く前に「真面目に服役すれば期限がくれば釈放されるんだから、冤罪で有罪にしたのを許してくれるよな?」と言っているのと同じだ。

 前世・・の記憶を持ったまま転生出来るという事は幸運かもしれないが、その「転生・・」は、一度「死ぬ」事を意味する。


 つまり、裕哉は「俺」を「殺した」という事になる。

 俺は、前世での我が家の古式武術「御庭上流」の「伝統」と「技術」と、そして「ごう」の意味を理解した上で、転生した今も背負っている。

 その俺にとっての、裕哉の「ソレ」は正に「一線を越えた」と言える。


 ……もう、そこには裕哉に対しての「幼馴染」という認識を俺は持っていない。



 1週間後、全員が王立学園の編入試験を受けたが、翌日の午前中に合格通知が来た。


 これで1週間後に、舞達は王立学園に通う事になる。

 因みに、北辰先生こと玲奈姉さんは、流石に10代半ばに合わせた制服を着せるのは色々と悪いから、準教師に就いて貰った。


 それに、この異世界を馬鹿にしたくないが、事実として、この国で最高峰の王立学園・・・・でさえ、最初の1年目の理数系の授業のレベルが「小4」なのだ。

 幾ら何でも、上から数えた方が早い薬剤系の一流企業からスカウトを受けていた玲奈姉さんに、小4の算数を「受ける側」にするのは、酷過ぎると思って準教師になって貰った訳だが、当然、その辺りは俺が動いたと分からない様に裏から手を回した。



 舞side


 ……忖度そんたくを受けたのかしら?


 仮にも「王立学園・・・・」の編入試験にしては筆記試験が簡単過ぎない?

 特に「計算問題」よ!

 アレ、絶対に国が裏から手を回したに決まっているわ!

 内容が、足し算引き算が8割、掛け算が1割半、割り算が、その残りで、しかも、足し算引き算の5割が一桁よ、一桁!

 だから、試験が始まっていたにも関わらずに確かめたわ。

 試験管に「問題用紙を間違えていませんか?」って。

 そしたら、試験管が「間違えていません」と答えるだもん。

 私は、暗号的な意味が有るんじゃないかと必死に考えたけど分からなかったから、普通に答えを埋めていったわ。

 まさか、アレが本当に「正式」な問題だとは夢にも思わなかったわ。

 恵梨香と聖良も、そう思っていたみたいで、2人共、時間一杯悩んでいたみたい。

 因みに、残り2人は何も考えずに「楽勝!」と思って記入した為に誤字が有り、満点では無かったわ。


 ……恥ずかしい。



 そして、諸々の準備が終わり、今日が最初の登校日よ。


「それでは、今日より皆さんと共に学ぶ者達を紹介する」


 朝、職員室と言える場所で、先ずは教師達に挨拶をした後、私達は各教室に移動したわ。

 そう、「各」教室よ!

 あの馬鹿2人こと、岸野君と裕哉は別クラスなのよ!

 あの馬鹿達は、「算数」以外でも不正解を出して、私と恵梨香と聖良が「Aランク」のクラスで、裕哉と岸野君は「Cランク」のクラスとなったわ。


 この学園は王立学園だけど、家の爵位無視の実力主義制で、成績が悪ければ、例え王族でも降格される。


 ……それなのに!


 あの馬鹿、特に裕哉が文句を言っていたわ。

 聞くに耐えない汚い言葉を使って。

 玲奈姉さんが「先生」として注意・・しようとした所を私が止めたわ。


「舞なら、分かってくれると信じていたよ」

「……何を言っているの?」 

「……え?」



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点とブックマークをお願いします。


一応の補足です。

Aランクがトップで、次がBランクで、Cランク、Dランク、となります。

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