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さて、チュートリアルの開始だ。

チュートリアル開始。

 

 ルカside


「良くぞ、我が召喚に応じてくれた!」

「本当に異世界に来たんだ……」

「本物はやっぱり違うね、舞~」

「う、うん」

「呑まれちゃあダメよ、私」

「大丈夫よ、聖良」

「ありがとう、舞」

「周りの騎士達……強いな」

「私は先生。しっかりと生徒達を守らないと……」

「……」


 此処で座っていた第2王女が立ち上がり言った。


「当然、応じてくれたと言いましたが、この召喚が一方的な誘拐同然だという事も分かっています。しかし! 我が国……いえ、この世界を『魔王』から守る為には、皆様しかいないのです。

 お願いします!」


 此処で北辰先生ほくしんせんせいが舞達の前に出て言った。


「私達は、此処に召喚される前に、女神様から事情を聞いています。

 もう、帰れない以上は協力する事はやぶさかではありません。

 ですが、約束して欲しいのです」

「……聞きましょう」

「私は既に大人ですが、この子達は、私達の世界では半人前以下の子供です。

 その事を留意して欲しいのです」

「それは勿論です。戦いを知らぬ子供に、明日から魔王と戦えと言うつもりはありません。

 充分に知識と経験を積んで貰った上で、魔王討伐に向かって欲しいと考えています。

 当然、衣食住を含めた支援をする事を約束します」

「ありがとうございます」


 此処で静かだった国王が立ち上がり言った。


「では、後の事はルナデューク侯爵に全て任せる」

「御意」


 国王達が立ち去ると聞こえた。


「ち、王女様じゃないのかよ」


 裕哉、小声で言ったつもりだろうが、真横に居る俺には聞こえたからな。


「さて。私は国王陛下より、君達に対して全権を委任されたルナデューク侯爵だ」

「よろしくお願いします。私は、この子達の教師をしていた『北辰玲奈ほくしん れいな』です」

「文献に、記されている黒髪黒眼という事は、貴方達はニホンジンでしょうか?」

「あ、はい」

「では、この世界では、『名前』の次に『家名』となります」

「つまり、私だったら『真上恵梨香まがみ えりか』だから『エリカ マガミ』になる訳ね~」

「その通りですね」

「それなら改めて自己紹介をします。

 私は玲奈 北辰です」

「レイナ・ホクシンですね」

「私はまい 天上院てんじょういんです」

「マイ・テンジョウインですね」

「私はさっき言った通りで恵梨香えりか 真上まがみよ~」

「エリカ・マガミですね」

「私は聖良せいら 新堂しんどうです」

「セイラ・シンドウですね」

ひじり 岸野きしのだ」

「ヒジリ・キシノですね」

「僕は裕哉ゆうや 右京うきょう

「ユウヤ・ウキョウですね」


 さて、チュートリアルの開始だ。

 この後、この世界の簡単な説明と、この国が王政の法治国家である事を説明した。


「……ですから、貴方達は『勇者』という特別な存在ではありますが、何をしても許される立場では無い事を承知して頂きたい」

「それは勿論です。ね、皆」

「当然よね」

「当然だよね~」

「当たり前です」

「当然だな」

「……そうだな」


 残念だったな裕哉。

 召喚勇者としてチヤホヤされての酒池肉林を考えていただろうが、そうは問屋が卸すかよ、バーカ!


「それは良かった。それでですが、これが貴方達用に作成した規則です」


 まあ、異世界あるある(主に恋愛系)の貴族の常識を明文化した内容だな。

 例えば、未婚・既婚、及び相手との年齢差に関わらず異性に対して必要以上に触れてはならないとか、本人に許可なく名前呼びしない事とか、だな。


「次に、貴方達と直接やり取りをする事になる人を紹介しよう」

「初めまして。ルーカス=イクス=フロンディーラだ」

「初めまして。リーナシア=クロス=ルナデュークです」

「初めまして。教師のホクシンです」

「初めまして。テンジョウインよ」

「初めまして。マガミだよ~」

「初めまして。シンドウです」 

「初めまして。キシノだ」

「初めまして。ウキョウだ」


 ……マイって、呼び捨てにならない様に気をつけないとな。

 それと、少し気になるな。

 裕哉がリナに対して普通に挨拶をした。


「何か、要望があるのなら言って欲しい。

 可能であれば対応する」

「勿論、私にも言ってくださいね」

「お願いします」


 最後は北辰先生が纏めた所で、次の確認の為にゼルさんに視線を送る。


「次に、女神様からどんな称号を貰ったのか教えて欲しい」

「分かりました」


 北辰先生が舞達を見ると頷いていた。


「私は『錬金術師』です」

「ホクシンさんは『錬金術師』ですね」


 そういえば、玲奈姉さんは、専攻した大学は「薬学系」だったなぁ。

 しかも、「薬剤研究員」にならないかと、某大手から勧誘が来て、真面目に考えていたからなぁ。


「私は『魔槍聖』です」

「テンジョウイン嬢は、『魔槍聖』ですね」


 まあ、薙刀の方が才能があったしな。


「私は『魔導師』よ~」

「マガミ嬢は『魔導師』ですね」


 真上は俺と同じ異世界系ラノベの愛読者だから嬉しいだろうなぁ。


「私は『聖女』です」

「シンドウ嬢は『聖女』ですね」


 あの裕哉への献身は、正に「聖女」だな。


「オレは『聖騎士』だ」

「キシノ君は『聖騎士』ですね」


 岸野の親父さんからの教育内容は、正に「聖騎士」だよな。


 ラストは裕哉だが、無駄に胸を張りドヤ顔で言った。


「僕は『勇者』だ!」

「ユウヤ君は『勇者』ですね」

「え……」


 俺のお陰で既に「要注意人物ブラックリスト」として、裕哉は認識されているから無駄に反応する事が無い。

 その為に、裕哉が期待した反応が周りから無かった訳だ。


 この世界は、先ずは「称号」から始まる場合が多い。

 だから、努力した結果、先に「称号」が付与され、その後に「スキル」が発生する訳だ。


 因みに称号は、世界のシステム的な所が決めるから、本来はオートだ。


 まあ、俺は「例外」って奴だな。




厳しくも温かいメッセージを待っています!

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