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……聞こえているわよー。

……意外と、この話は難産でした。

 


 俺は警戒しながらも、少しずつ優勢になっていく中、それは動いた。

 鍔迫り合いからのお互いに後方にバックステップし距離を開ける。

 そして、炎属性系の魔法を放つ。


「死ね! 灼熱球フレアボール!」


 放たれた瞬間から周りの物を炭にする灼熱球フレアボールに対して、俺は迎撃の為に身構え足に力を入れた瞬間、シュザルは嗤い俺に向けていた掌を少し右にずらした。


 ……しまった!


「舞!」

「死ねぇ!」

「……ふん!」


 シュザルの灼熱球フレアボールは、舞の前に出たフー祖母ちゃんの魔力球と対消滅した。


「舐めんじゃないよ!」


 舞の無事に安堵した時……


「隙を見せたな!」


 シュザルの渾身の一撃を放つ。

 しかし、その攻撃を無意識で躱し、俺は、今出来る最大限の身体強化をする。


「な!?」

「……隙を見せたな?」

「しまっ……が……げばぁ……ごふっ……ぐは……」

「……終わりだ」

「ま、待て! 命だけは!」


 俺は内心の怒りを抑えて言った。


「……良いだろう。それなら、お前が言った『至高いとたかき方』とは誰だ?」

「……い、至高いとたかき方は……」


「黙れ」


 ザシュ!


「……」

「な!?」


 今の俺が感知出来ない速さでシュザルの首を斬っただと!?


「……誰だ?」

「私は『邪鬼じゃきロディア』だ!」

「邪鬼ロディア。お前は何者だ?」

「聞く意味は有るのか? 私が何に属しているのかは明白だ。ただ、私の今回の役目はアレの監視で、失敗すれば始末する事だけだ」

「だが! 此処でお前を倒せば……」

「確かに、今の私は単独だが、良いのか?」

「何が!」

「私の魔力に屈している者達が居るぞ」


 警戒しつつ視線を送れば、フー祖母ちゃん達が倒れていて、立っているのがやっとの状態の舞達が居た。


「どうする?」

「……ちっ」

「それでは失礼させて貰おう」


 そう言った瞬間に邪鬼ロディアは消えた。


 ……3日後にやっと話せる様になったフー祖母ちゃんとリリーディアさんとで今後の話をする事になった。


「とりあえず、警備体制の見直しと強化の指示は出したわ」

「それと、盗まれた物が無いかの確認をさせたよ」

「フー祖母ちゃん、どうだった?」

「……城の北の森にある禁足地の封水晶が何者かに因って破壊されていたよ」

「予備も破壊されていたわ。勿論、新しい封水晶の作製の命令は出してあるわ」

「急がせてはいるけどね、完成は早くても1ヶ月半は先だよ」

「その禁足地の封水晶が破壊されると、どうなるんだ?」

「2ヶ月後に、邪神が復活する」

「「……」」

「それで、俺達がするべき事は?」

「それで…ね。万が一の可能性からの質問なんだけど……神紋術は使える?」

「ああ」


 俺が肯定の返事をすると、2人は驚愕の表情を顔に浮かべた。


「……それなら、禁足地に何柱かの神々が居られるから、真名を教えて頂ければ戦力になるわ」

「分かった」

「私達も!」

「貴女達には、私達皇族からの許可証が必要な高難易度のダンジョンが有るから、そこで鍛錬するのはどうかしら?」


 舞達は迷う事なく即答した。


「「「「やります!」」」のじゃ!」

「分かったわ。話は通しておくわ」


 と言いながら、既に用意していたその「許可証」4枚を、舞達1人ずつ渡した。


「……期待しているわよ」


 まだ話し合う事は有ったが、俺達が出来る事は無い為に確認が終わると、俺達はそれぞれにするべき事を始めた。


 俺は、禁足地への許可証を貰いの地におもむき、1柱でも真名を手にする為に向かった。

 そして、舞達も……



 舞side


「準備は良いかしら?」

「準備は大丈夫だよ、リナ」

「私もです」

「妾もじゃ!」

「私達の準備も完了しています」

「はい。よろしくお願いします」


 実は、私達だけでは不安だと言われて派遣された人達……じゃなくて、逆に鍛錬をより出来る様に派遣された人達なんだよね。

 怪我等の回復魔法に特化した回復術士が2人に、その2人を護衛する人達が4人。


「では確認の意味で説明します。

 このダンジョンが高難易度のダンジョンなのは、罠等は一切有りませんが、ダンジョンには様々なタイプのモンスターが存在していて、全てが高レベルだからです」

「しかも、遭遇する頻度が多いのです!」

「このダンジョンが皇族の許可証が必要な理由は、ドラゴンを討伐出来る冒険者パーティーすら全滅するからだ」

「だから、決して気を抜かないでください」


 つまりは、ガル義兄にいさんの所でやった鍛錬と同じ事をするのね。


「……上等じゃない」

「同感だわ」

「激しく同意します」

「やってやるのじゃー!」


 こうして私達は、高難易度のダンジョンで鍛錬をする為に潜ったわ。


 ……半月後


「か、彼女達は何者ですか!?」

「ラインゼラ国の冒険者」

「その程度の肩書きで、このダンジョンを生き残る事は出来ませんよ!」

「そう言われてもなぁ」

「それに、普通は腕が千切れたら戦闘不能になるのに、当たり前の様に、仲間の誰かが拾い魔法で腕を繋げさせるなんて常軌を逸しています!」

「それに半月で、公式記録を更新するなんて前代未聞です!」


 ……聞こえているわよー。


 ガル義兄にいさんの所で、その辺りの鍛錬もしたからなんだよねぇ。

 先ず、ブランカさんの回復魔法を見せる為に、あっさりとルカの腕を切り落としたら、回復魔法で腕が引っ付いて支障なく動く所を。

 それに、アーロンさんのポーションでも同じ結果になる事も。

 そして、四肢喪失でも同じ結果で、腕や足が生えて、潰れた眼球が再生したわ。

 それを見た私達も、そんな状態でも魔法を無詠唱で放つ事が出来る様に鍛錬したわ。


 ……まあ、激痛は激痛だけどね。


 だから、完全治癒パーフェクトヒールが使える人や、それと同等のポーションが有るのなら、こういった無茶な鍛錬が出来る訳よ。


「さあ、1ヶ月後まで、鍛錬を続けるよ!」

「当然だわ!」

「勿論です!」

「当たり前なのじゃー!」






厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点とブックマークをお願いします。

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