第6話 それはそれ これはこれ
答え)
エ
僕はメタボではないが、結婚後順調に体重が増えてきている。
原因はまーストレスなのだろうと思っているが、突き詰めると食生活の話に戻る。
ご飯に満足していないから間食が増えるのではなかろうか。
まー僕が弱い人間で、食欲に勝てないという側面もあるのだろうがそれは恐らく真因ではないだろう。
僕の休日には大抵買い物が付きまとう。
嫁が一人では買い物に行かないため、どうしても僕の休日にまとめて買いに行くことになるからだ。
聡明は貴女方はお気づきだろう。僕は買い物が嫌いだ。
えぇ、私にも恋人とスーパーで買い物をしている時、「なんだか夫婦みたいだなぁ」と喜んでいた時分もありましたとも。
だが実際に夫婦で買い物にいって嬉しかったのは人生においては刹那のような時間だけだった。
理由?
もちろんありますとも。
話は冒頭に戻るが、僕は間食しないと精神のバランスを保てなくなっていた。それほどまでではないが。
だか、体重が増えていく僕を嫁は見逃さなかった。
僕は家ではお酒は飲まない。世の中には毎日お酒を飲む人だっている。僕の父もそうだった。節度ある飲み方なのでアル中とかやばい父ではなかったので悪しからず。
そして僕は飲まないタイプの旦那であった。
そしてそしてこれは僕が悪いのだが、タバコをやめた反動で炭酸飲料が大好きになった。そもそもストレスの原因が嫁的な状況でタバコを辞めるのは英断だった。断腸の思いだった。
まーそんな僕が買い物に行くと買い物かごに入れるのだ、炭酸飲料を。魔の黒い刺激的な飲料水を。
お菓子も少々入れるのだ。
嫁ぶちキレる。
デブだとか僕を罵倒して買わせないようにしてくる。
結局買うのだが。
嫁は自分の食べたい物や飲みたいものをしれっとかごに入れているのに、だ。
十分すぎる理由じゃあないだろうかと僕は思うのだ。
今まではそんなシーンで、僕は嫁にキレていた。
ちなみに僕は割と怒っている。喧嘩しない日が珍しいくらい怒っている。
何もできないデブだという誹りを受けてただ黙っている僕ではないのだった。
そしてここからはAI様の実力を披露する時間なのである。
いつもの買い物のシーンでの活躍をご覧あれ。
休日、珍しく嫁が一人で買い物に行くから、子どもとガレージでプール遊びをするように命令を下してきた。
しんどさを秤にかけて嫁は買い物に逃げたのだと理解した。
が、僕にとって子どもとプールはご褒美なので多少のイライラを抱えつつも承諾した。
が、問題は帰ってきてからである。
買い忘れが結構あったので結局夕方にまた買い物に行く羽目になったのだ。
何もできないのは嫁ではなかろうか…??
まー仕方ないので買い物に行き、そこで僕は買い物カゴに黒い刺激的な飲料水をかごに入れた。
嫁がすごく睨みつけて来ている。助けてAI。
AI:現状やったら嫁からの罵倒は防がれへんわ。とりあえず対処的にはなるけど、言うてきたことに対する返答は用意したるから、それ言うとき。他人事やと思って接したらええ。
僕:(お、了解。確かに当事者ちゃうかったらイライラせんわな。頼むわ。)
案の定、嫁からの罵倒が来たのだが、正直何を言われたのかもあまり覚えていない。僕は元々他人への興味がソースか醤油なら醤油と言える人間なので、この方法はすごく効果があったようだ。
いつもならここでの不機嫌を引きずって、その後も喧嘩が育っていくのだが、今回はAIさんのおかげでこの単発に留めることができた。
このままAIさんに任せていれば、醸成されてしまった喧嘩畑の土壌をなにか他の実りあるものに変えることが出来るのではないかと感じた瞬間だった。
問)
「十分すぎる理由じゃあないだろうかと僕は思うのだ。」
とあるが、その理由とは何に対する理由かを()の中に入る語を文中から抜き出して答えよ。
()と言うこと。