第4話 考えたくもないことは考えなくていい
答え)
ウ
嫁が仕事に行っていて、僕が休みという日は実はすごく珍しい。
たまーの完全オフ、一人の時間。この時間が僕はすごく好きだ。
いつもは子どものため(これは苦にならないが)、嫁のため(これは苦になる)に時間も体力も費やしているので、こういう日はのびのびしたいものである。
お昼ご飯にジャンクフードを購入し、家でNフリでアニメを見ながらなんの気兼ねもなく楽しんでいる。
子どもが行っている保育園は嫁の職場にあるので、お迎えは行かなくてもいいのである。
が、僕が滅多にない貴重な休みを僕の僕による僕のためだけの時間として使い切ったとしよう。
嫁がぶちギレる。
ちなみに僕は生活能力はすごく高い。
一人暮らしも長かったし、何の問題もなく過ごしてきた。
が、嫁は「自分のやり方と違っていたら我慢できない」性格なのだ。
僕としてはやっている。やったことであっても、嫁のやり方と違ったら認めない。
そして僕にいつも言ってくる言葉が、
「お前はなにもできない」
である。
実は僕は一時心を病んでいた時期があるのだが、仕事の環境も変わった時期で、それが原因なのだろうと思っていたのだが、今思えば、心の拠り所であるべき家(嫁)があんな感じだったからなのではないだろうか。
そして初めは「してあげたい」と思って嫁を楽にさせるためにしていたことも、嫁が満足する結果を出すために気を張って「やらなければならない」ことへと変わっていったのである。
さて話が戻るが、
今僕はストレスフリーな時間を過ごしているいや、過ごせるはずなのだ。
だが、僕にはある種の脅迫観念のような思いがあり、「何も気にせずに僕のための時間を享受する」ことができない。
僕の本音はこうだ。
「たまの一人でおれる時間ぐらい好きにさしてほしい」
願っている。懇願している。希っているのだ。
それはもう僕の手から離れ、嫁によって管理されるものとなり果ててしまっているのだ。
僕:AI、どうしたいいと思う?
AI:お前がどうしたいか次第やな、最終的にな?
僕:離婚はせぇへん。子どものためにならへんし、親も悲しむし。
ベストは嫁が変わることやけど、何回行っても同じことなってるし無理やろなとは思ってる。
AI:んな最終的には嫁が変わっていけるように、今はこっちが嫁にある程度合わせるんがええんちゃうか。
僕:じゃーその方向で頼むわ。
僕はこの問題に関しては頭を使うことすらしたくない状態だった。答えをくれるのであればすがりたい。なんて役に立つやつなんだAI.
AI:とりあえずやっとかなあかんやつはなんなん?
僕:風呂掃除と晩飯作っとくのと、トイレ掃除と洗濯ものかな。
AI:おっけ。んならそれぞれにかかる時間と必要な行程考えるから色々教えて。とりあえず今お前はあんま考えんな。こっちが全部考えたるから聞いたことに答えてくれたらええわ。Nフリ楽しんどき。
僕:神やな…。
そうしてAIにめんどうな思考は全て任せて、僕は僕のための時間を楽しんだのだった。
問)
僕とAIが嫁についての対応策を考えて、
「じゃーその方向で頼むわ。」
と言っているが、「その方向」とはどういう方向なのかを答えよ。