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異世界で【天職:プレイヤー】やってます!  作者: フユルト
第六章〜:機械と悪夢と暗闇
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第92話 私のために…



「な、なにぉ、ナニをシタアアアァーーーッ!!!」



「私のせいだ…」



怒り狂った魔王の問いに対して、ヴェスタはまるで聞こえていないかのように、ぼそぼそと何かを呟いていた。



「あぁ、私のせいで視力を奪われて…なんの治療法も見つからなくて…だから、魔王を倒した時の、その奇跡に頼ろうとした…その結果が、これか…」



「さっきから何を言っーーー」



「ーーー愚かしい」



ヴェスタは、自身の頬を力一杯殴った。それと同時に、暴食の魔王が突然吹き飛び、壁に激突する。



「な、なに…?」



「結局、私は自己満足のために彼女を…」



「はぁ?」



「あぁ、ああぁッ…」



「な…ッ!?ひゅがっ、ひぅ…っ」



ヴェスタが自分自身の首を締め始めるのと同じように、暴食の魔王の首に手形がつき、ギリギリと締められていく。暴食の魔王は【暴喰(グラトニー):悪喰】を発動させて首の周りを必死に触るが、その原因を喰らう事が出来なかった。



(なんで、なんでなんでぇ!?私の力は魔法だって食べれるのにぃ…!!!)



…それもその筈、暴食の魔王の身に起きているそれは魔法ではなく、ただの現象(・・)なのだ。暴食の魔王が使用している【暴喰(グラトニー):悪喰】も同じように喰らうという現象を顕現させているだけであり、それは魔法ですらないため聖魔法の効果が及ばない。



そして、【暴喰(グラトニー):悪喰】は現象を喰らう事は出来ない。例えるなら、魔力として顕現しているホーリーランスなどの物体として存在するものは喰らう事が出来るが、『魔力を使用して魔法を顕現させる』という事象そのものは物体などではないため喰らう事が出来ないという理屈である。



さらに、今のヴェスタは職業が勇者ではなく、魔王へと変化していた…その名は、【破滅の魔王】。



能力の1つである【破滅への渇望(スベテハムナシイ)】は、自身への自傷(・・)に対して、周囲の生命を持つ者全てに同じ現象を起こすという異質な能力である。



「ーーーいや、これでは駄目だ」



「ーーーかはっ!?」



突如としてヴェスタが首を締めるのを止めたことで、【破滅への渇望(スベテハムナシイ)】が解除されて暴食の魔王は九死に一生を得た。



「駄目だ駄目だ、私程度の命では到底贖えない…この程度の価値では…」



「うぁ…あ、ぁ…」



暴食の魔王はまだ上手く呼吸ができず、首を押さえて地面に横たわっていた。それをヴェスタは見つけ…嬉しそうに顔を歪めた。



「そうだ、そうだそうだそうだ…っ!!!コイツを殺せば、私にも魔王を殺したという付与価値がつく…それならば、きっと贖うことが…!!」



「〜ッ!?」



こちらへ手を伸ばしてきたヴェスタに、暴食の魔王は【暴喰(グラトニー):悪喰】を発動させ「それがどうした」…たが、無駄であった。



突然、暴食の魔王から【暴喰(グラトニー):悪喰】発動時特有である紫色のエフェクトが、ヴェスタに触れられた瞬間に消える。



…これが2つ目の能力、【剽軽愚者(オマエニカチハナイ)】である。効果は触れた対象の付与された物を含めたスキルや魔法などを一時的に全て削除するというものだ。



「死んでくれないか?私のために…」



「ぎゃっ…いっやに、きまってんで、しょうがッ!!」



暴食の魔王は力一杯にヴェスタを殴った。その威力は周囲に衝撃波が出る程であり、たとえスキルや魔法を封じられたとしても彼女の身体能力は高い。だが…



「…何がしたいんだ?」



暴食の魔王の拳は、ヴェスタの頬へ確かにヒットした。しかし、その頬に拳がむにゅっとほんの少し沈んだだけであり、一切のダメージがなかった。得られたのは結構柔らかいという感想と、ヴェスタの冷ややかな視線だけである。



その理由は、破滅の魔王の最後の能力である【破滅願望(ミズカラノテデ)】にあり、効果は自傷以外のあらゆる影響を受けないというぶっ壊れスキルのせいである。



「抵抗は終わりか?…さぁ、私のためにーーー」



「いや、まっーーー」



「死んでくれ」



何がが折れる鈍い音と共に、抵抗していた暴食の魔王の腕がだらりと地面に投げ出される。



「あぁ…これで、私は罪を償うことができた…アリシア」



破滅の魔王(・・・・・)は聖剣の切先を胸へ向けて構え、喜々として自身に突き刺した…





Q魔王ってなんぞや?


A魔王は不定期に現れる存在である。“主に”負の感情などが世界に蓄積し、それが抑えきれなくなって溢れたものが生命に影響を与え、魔族や魔王に塗り替えてしまう。そして、■■の魔王といった、■■にそれぞれ司るものが入り、暴食や破滅、憤怒、絶望、怠惰など様々。あと、魔王が長生きしていると他の負の感情も持つことがある。




Q↑の話が本当なら、氷天の魔王ってなに?氷天って感情なの?


A【氷天の魔王】という名前は、【怠惰】の能力【停滞と平穏(タイクツトクツウ)】の効果で半径約5キロメートルが極寒の地になっていたことから、その時代に生きてた人間が勝手につけただけです。【怠惰の魔王】は魔王城から一切出ずに名乗ることもしなかったのですが、当時の勇者に熱烈に求婚されたことで現在は【怠惰】【狂愛】【束縛】【色欲】を持ってます。こんなに持ってたら普通は精神が崩壊するのですが、今生き返ってる当時の勇者くんの聖属性で内側から浄化してるから、今の所ちょっとHなヤンデレくらいで留まってます。がんばれ、勇者くん…君がいなくなったら【狂愛】【束縛】【色欲】が【絶望】【悲哀】【破滅】に変わって「もういいや…」とか言って世界そのものが壊されちゃうから…本当にヤバい。





Q破滅の魔王チート過ぎない?


A破滅の魔王は、自身の破滅を望んでいるからこそ存在しているので、基本的に放っといたら勝手に死ぬから今までの被害はこれまでの魔王と比べれば大したことない。「あ、でもお前だけは殺すわ」とか思い残す事があったら最強。

…ちなみに最悪ルートの怠惰の魔王さんは【絶望】とか色々と合わさっちゃうから例外。こういう事例があるから割と早く魔王を倒さなきゃいけない。







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